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神の庭園〜箱庭管理人〜 テンプレ破壊の復讐神、異世界へ降臨す。  作者: coz
第四章【東国】〜専用武器と列王サーレック〜
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69話 専用武器

深層で信じられないほど巨大な魔物、トレント(レン命名)を瞬殺し、ラルファに強さを証明したレン、その後3人は暗くなる前に武器屋に戻ってきた。



「さて…正直どんな武器を作ったらいいか、皆目見当がつかん!」

「母ちゃんご飯の為だよ!頑張って考えて!」



ララは説得した。



「だよな、俺も逆の立場ならそう思う」

「レインさんまで〜」

「あんな魔法一発で、信じられん大きさの魔物を倒すのを見せられて…本当に武器が必要なのか?」

「いや、必要はない」

「え…ご飯…」



ララは絶望した。



「でも、武器は絶対に欲しい!専用武器…男のロマンなんだ、どうせだったら尖った性能がいいなぁ」

「分かった、とりあえずどんな武器を作って欲しいかはレインが考えろ」

「分かった」

「予算は?」

「全財産の48,000,000ファニー、全部使ってもいい」

「母ちゃん!腕の見せどころだよ!」



ララは復活した。



この子、周りに振り回されるほど面白くなるな、なら…



「じゃあ1年以内には考えるよ」

「おう、待ってる」

「いち…ねん?一念!一回念じるだけって事ですよね!?」



ララは焦った。



「いや500日って意味だな」

「ララ、武器ってのはそいつの生命線だ、適当に考えてレインが命を落としたらどうする」

「…」



ガクッ



ララは崩れ落ちた。



「ぶっ、んふぅ、ふふふ…」



ヤバい、堪えきれん…



「ララ、ふふ…分かったよ、んふお前の為にも、明日ふふ、には考えよう」

「ホントですか!?」

「んふふ、本当だよ」

「大丈夫ですか?なんか喋り方変になってますけど」



レンは口から笑いをもらしてはいるが、顔は真剣そのものだった。



ララは魔法を使った反動でおかしくなったと思った。



「今日は休んでください!汚い家ですけど、よかったら泊まっていってもいいですよ!」

「ふぅ〜、じゃあお願いしようかな」

「よし!決まりだな、まずは飯だ!」

「ああ、飯なら俺持ってるから、お裾分けするよ」



そう言うとレンは、カウンターの上に出来たてほやほやのフローラご飯を全て、収納から取り出した。



「うほぉ!美味そうだなぁおい!この際どこから出したのとかはどうでもいい!」

「ええぇっ!!」



ララは今日一驚いた。



―――――



ガッガッガッガッ…



2人は獣のようにご飯にがっついている、特にララの目がマジだ。



「むぐっ、これは戦いなのです…もぐ、もぐもぐ、早く食べないと、もぐ、無くなっちゃうかも、もぐもぐ…なのです、ゴクン、パクッ、もぐもぐ…」



ララさん、もっとゆっくり食ってもろて、ご飯は逃げんから。



「「もぐもぐもぐもぐ…」」



ねぇ!もっと楽しく食事しません!?



―――



「ふぇ〜、美味しかった〜」

「久々にまともなご飯を食べたぞ、レイン、すまないな」

「いいってことよ、じゃあ風呂でも…あ、風呂、ある?」

「…ない」

「表面はボロボロだけど、中の造りはしっかりしてるし、結構大きな家だから、使ってない部屋くらいはないのか?」

「あるぞ、2階の部屋なんて全部使ってない」

「よっしゃ、じゃあ作るか、案内してくれ」

「「作る?」」



こういうのも久しぶりだな…



2階に案内され、風呂にするには手頃の部屋の前へ。



「ここなんかどうだ?」

「いいね、じゃあやっちゃうけどいいか?」

「ああ、頼む」



パキパキパキパキ…



木造りの部屋の壁が全て、黒くザラザラした石でコーティングされ、床はクリーム色の同じくザラザラの石床、ズモモモッと大理石の湯船が生えてきて、一部の床と壁の角に穴が空く、外の地面まで石の配管を伸ばせば完成だ。



「「…」」



シャワーに挑戦してみるか、できるかな?屋根穴空けさせて貰うか。



「ラルファ…おい、ラルファ!」

「んあぁ、すまんな、あまりに多芸なんで驚いていた」

「驚くのは後にしてくれ、この天井の上はどうなってるんだ?」

「ん?普通に何も無い天井裏だが?」

「よし、ありがとう」



天井に小さな穴を空け、空気と同調、屋根裏の空間の大きさを測り、そこに木のタンクを作り、熱めのお湯を入れておく、目で見なくてもそんな離れ業をこなすレン、技術2万は伊達じゃなかった。



石だと重すぎるからな、天井が落ちてきたら洒落にならん、天井を補強すると2階が重くなりすぎる、家全体を造り直さなきゃならないから、今はこれでいい。


穴からゴムホースがニュルルル〜っと伸びてきて、先端にシャワーヘッドができあがり、ヘッドの根元には、水圧を調整するため、鉄製のコックが付いている。



この手の部品はよく会社で扱っていたからな。



その後、風呂椅子、風呂桶、鏡を作りセッティング。



今ならいけるか?どんな物でも、元を辿れば自然のものから作られるはずだ、地球の人間は魔法を使えない、無いものを創り出すことはできない、石油製品も、石油という自然の物、製造方法は知らないが、結果だけ知っていれば、あとは魔力が補助してくれる…はず!



ドロロロ〜



出来たぜっ、やったね!



プラスチックなどの樹脂容器は難しいので、それは後で挑戦することにして、今は風呂桶に貯めておくことにして、風呂桶をあと3つ追加で作り、ボティソープ、シャンプー、コンディショナーを作り出すことに成功。



「レイン、なんかいやらしいものを手から出していたが…オレとララをどうするつもりだ?」

「やめろ、変な想像をするな、特にララを巻き込むんじゃねぇ、これは石鹸だよ」

「石鹸?こんなドロドロが?」

「この世界にも石鹸はあったか」

「あるぞ、服を洗う時に使う」

「そうか、これは体と髪を洗う専用の石鹸だ、肌に優しいんだよ、試してみるか?」

「うむ、試してみよう」

「私も試してみたいです!」



2人にボティソープを指先にちょっと付けてもらい、シャワーのコックを少し開く。



シャー



こっちもいい感じだな、温度も丁度いい。



「さぁ手を」



サッと手を濡らしてもらう。


「あったか〜い♪」

「手を揉んでみてくれ」

「分かった」

「そりゃー!」



モミモミモミモミ…



「おお!凄い泡だな!」

「凄いですねこれ!」

「じゃあ流そうか」



ショワ〜…



「どうだ?」

「「凄い…」」

「それで全身を洗うんだよ、ワクワクするだろう?」

「なぁ!入ってもいいかっ?」

「母ちゃんずるい!私だって入りたい!」

「2人で入って背中でも洗い合えばいいだろ」

「「そうする!」」



息ぴったりだなお前らは。



湯船にお湯を張り、風呂の使い方を教えて、綿100%のタオルを作って2人に渡す。



2人のために大きなバスタオルを準備して、レンは先ほどご飯を食べていた部屋に戻った。



ステータス。



魔力 19353/20000



さすがは想像魔法、思ったより消費が少ないな…


う〜ん…石油製品は鉱物寄りの感覚だからな、木より消費が少ないのかもな、むしろゴムホースとか、タオルの方が消費したかもしれない、ゴムは木の血液って感じだし、綿はまんま植物だからな。


やはり植物系はネックだな、もう一度ゴル(カインド村の村長)と話さなきゃ駄目かな?



ごちゃごちゃとまた考え込むレン、この性格はなかなか直らないだろう。



―――



「ふぅ〜、気持ちよかった…」

「…眠い」

「ピッカピカだなお前達」

「おい、女性に対して失礼だぞ」

「ははは、すまんすまん、ラルファは綺麗だったけど、もっと綺麗になったな」

「そうだ、最初からそう言え」

「私もう寝る〜」

「オレも寝るぞ、レインも風呂入るんだろ?武器の事ちゃんと考えてから寝ろよ?」

「おお、そうだった、忘れてたよ」

「ったく…オレの残り湯だ、堪能しろ」

「そうだな、俺の故郷には、綺麗な女性の入った風呂の残り湯を飲んで、体の中を清める風習があるんだよ、これでやっと清められそうだ」



レンはそう言って、足早に風呂へ行ってしまった。



「お、おい!レイン!…本当に飲むのか…?」

「母ちゃん寝よ〜」

「あ、ああ、そうだな…」



風呂のお湯をちゃんと張り直して、しっかり堪能したレン、その後眠りにつくまで武器の事を考えていた。



―――――



「ラルファ、ララ、おはよう」

「おはようございます!」

「お、おはよ…」

「なんだよラルファ、元気ないじゃないか、まさかやっぱり武器作りたくないなんて言うんじゃないだろうな」

「ちゃんと作るよ!」

「じゃあなんだよ、体調悪いのか?」

「そうじゃない、その、あれ…本当に飲んだのか?」

「はぁ?あれ…か、飲むわけないだろ、からかっただけだよ」

「なんだよ〜、まったく、驚かせんなよ」

「ははは、平和だな、こうやって馬鹿やって笑わないと、心に余裕ができないからな」

「レインはちょっと度が過ぎるけどな」

「ねえ母ちゃん、レインさん、お仕事の話しよう?」



おっと、お金の悪魔が怒り出す前に話を進めるか。



「真面目に話そう」

「そうだな、それで、どんな武器にするか決まったのか?」

「いろいろ考えたんだが、とにかく頑丈な武器がいいな、切れ味よりも耐久力だ」

「ほぉ〜、簡単そうで奥が深い注文だな、全く切れないんじゃ話にならない、切れ味を上げれば刃こぼれして折れてしまう…」

「できそうか?」

「レインは筋力2万あったよな?」

「そうだな」

「本当に人間かよお前は、2万なんて聞いたことないぞ、それに耐えられる剣か」

「金が足りなければいくらでも調達するぞ?」

「そうだな、素材ならある、あと昨日の魔核をよこせ」

「いいぞ、どうせ使い道なんかないからな」

「母ちゃん、そんな特別な素材あるの?」

「あるぞ、旦那の形見だ」

「父ちゃんの…」

「おい、無理するなよ?別にそこそこでもいいんだぞ?」

「心の弱いやつには武器を打つな、旦那の遺言だ、お前ほど心の強いやつは初めて見た、心だけじゃなく体も強い…今が使い所だろ」

「母ちゃん」

「ラルファ…」

「武器は先に作るよ、レインが値段を決めてくれ」

「分かったよ、ラルファの腕、信じてるぞ」

「そんな調子に乗せていいのか?レイン、いくら稼いでも手持ち全部なくなるぞ?」

「はっはっはっ、言ってくれるねぇ、どのくらいだ?」

「そうだな、一ヶ月だ」

「分かったよ、ララ」

「はい!」

「ほら、手付金だ」

「こ、これは…」

「4千万ファニーだ、一ヶ月も稼ぎが無いんじゃ、飢え死にするからな、ラルファの体調も管理してくれ、絶対夢中になるタイプだからこいつ」



収納からお金を出し、ララに紙幣を渡した、渡されたララは土下座をしながら腕を上げて受け取り…



「お金…数えなきゃ…お金…1万…2万…3万…」



お金を1枚ずつ数え始める。



「おいララ、日が暮れる、レインを信用しろ、それに別にいくらでもいいだろ、どうせ値段は決まってないんだから」

「確かに、え〜っと、いっぱいいただきました!まいどありがとうございます!」

「じゃあ頼んだぞ、オレは一ヶ月の間に、東の国でも見てくるよ」

「待ってるぞ、行ってらっしゃい、そしていっぱい稼いでこいよ」

「いってらっしゃい!また無事に会えるのを楽しみにしてます!」

「ああ、行ってきます」



いいね、この世界にも、友人と呼べる仲間が増えていく、東は烈王サーレックか、都市の名前は確かラングロドルだったかな、烈王…脳筋の匂いがするよな、仲良くなれそうだ。

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