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神の庭園〜箱庭管理人〜 テンプレ破壊の復讐神、異世界へ降臨す。  作者: coz
第四章【東国】〜専用武器と列王サーレック〜
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67話 人間族最大都市ヒューニック

レンは魔核を無事北王に献上し、前回と同じくブルームで一泊、何故か無料だった事に心の中でレイに感謝をして、現在は聖堂の前だ、そしてついに、強者ファーニックが治める、この世界の最大都市ヒューニックへ向かう事に決めた。



とりあえず一回は最大都市とやらを見ておこう、しかしファーニックにヒューニックねぇ、どっちがどっちなのか分からなくなりそうだな。



聖堂に入り、左の一番手前の扉に入る―――



おほぉ〜、煌びやかだなぁ、さすがは最大都市だ。



コンクリートの建物や、木造のもの、屋敷が地面ごと浮いていたりする、都市の中心と思われる方を見れば、そこには聖堂を物凄く大きくしたような建物が建っていた。



ぶっちゃけ浮いている屋敷の方が、仕組み的な理由から気になる、それでも中心の建物の存在感には勝てないな、ここからかなりの距離があるのに、少し見上げなきゃならないとは、あれは相当でかいぞ…1000mはあるのでは?もう山じゃん、なんとなく聖堂と一緒で、人が作ったものとは思えない雰囲気があるなぁ。



レンはとにかく立ち止まらずに、キョロキョロしながら、中心の聖堂のような城?に向かって歩き続ける。



お店は沢山あるけど、どうせ入ってもバレルは使えないだろうし、少し不便だなぁ…換金所みたいなのは無いのか?いや…もしかして利息が反映されてない意味は…ステータス



所持金

B40,000,000(4千万バレル)

貸与中[−B10,000,000]利息[+200,000]



やっぱりだ、4千万と貸与中の1千万にはバレルの表があるけど、利息には表示がない…これはひょっとするんじゃないか?



レンは周りを確認、ちょうど良さそうな屋台があるので、そこで試してみようと寄ってみる。



「いらっしゃい!何本だい?」

「これは何の肉なんだ?」

「こいつは中層のオーク肉だぜぇ、うめぇぞ?」

「おお、こんなところでファンタジーに出会えるとは!おっちゃん、2本だ!」

「あいよっ、1000ファニーだ」



ここはファニーか、ファーニックでファニー…レイと考えが一緒だな…よし、利息から1000ファニー……



チャリン…



キタコレ!ヒューニックは全部硬貨なのかな?



ポケットに手を入れ、1000ファニーと念じたら、手の中にスッと硬貨のような感触が現れた。



危なかったぁ、急にファンタジー食材が出てきたもんだから、我を忘れて試す前に注文しちゃってたよ。



「はいおっちゃん」

「おう、ちょうどだな、ほいっ、2本な、まいど〜!また来てくれな」

「それは美味しかったらだ」

「美味しいに決まってらぁ!」

「ははっ、楽しみにしておくよ」



そう言うとレンは、オーク串を…空中に現れた闇の中に落とす。



「あんちゃん、今のは…」



レンは聞こえないフリして、街の人混みに紛れて消えていった―――



「さていただくか…」



少し行った所に広場があり、ベンチが設置されていたので、そこに座って先程の肉串を食べる。



パクッ…もぐもぐ…



うまあっ!おっちゃんやるなぁ、肉自体も美味いけど、これは味付けのおかげだな、ふむ、買い込む必要がありそうだ…


少しヒューニックを見て回ってから、最後にもう一回寄ろう。



―――



ふぅ、美味かった、あとは…



せっかく来たのだから何かすることは無いかと考えるが。



俺って…なんにも興味湧かないんだよなぁ、地球でもそうだった…休みの日も出かけなかったし、こんな世界に来たというのに、性格は変わらないもんだな。



「う〜む、とりあえず王道の武器屋かな」



魔法を使って自分で作るよりも品質はいいだろうからな、見ておいて損はない。



レンは武器屋を探すとき『品質の良い武器が買える』を追加した、あくまでもリスクリワードは、探したいものを直線上で探す、そのため建物に邪魔され苦戦する。



「いらっしゃい、おお!かっこいいお兄さんだねぇ、何かお探しかい?」

「あ、ん〜?ちょっと道を間違ったみたいだ、すまんな、またなんかあったら寄るよ」

「はいよっ、また寄ってちょうだいね」



くそぉ、経路案内じゃないからめんどくせぇ〜、紛らわしい所に武器屋を構えやがって、でも対応は良さそうだった、品質がそこそこならまた寄ってもいいかもな。



頑なに品質第一を目指して、尚も武器屋を探す。



―――



あった、ここだろ。




ボロボロの建物、お店の看板もついてないし、鉄を打つ音も聞こえない、本当にやってるかどうかも分からないような店だった。



これもテンプレだよな、頑固親父がぶすっくれて店番してたらパーフェクトだな、対応が面倒だけど…



そっと店内を覗く。



「…」



見た目が中学生くらいの女の子が、つまらなそうに店番をしていた。



髪は肩口で切りそろえられていて、前髪ぱっつん子だ、カウンターに肘をついて、ファンタジー特有の緑色の髪を、指でくるくると弄んでいる。



そっちかぁ〜、親父が客を選ぶから、お店が儲からないパターンかな。



「お嬢さん、こんにちは」

「あ、いらっしゃいませ!」

「ここは、武器屋…だよな?」



全方向がリスクリワードの数字、100だった。



間違いないと思うんだが、商品が一つも無いんだよなぁ。



「はい!全てオーダーメイドの武器屋です!」

「そうか、店主は…」

「店長は母ちゃんが!奥で…寝てます…」

「そ、そうか…どうしようかな」



不憫すぎるぞこの子…



「起こせるか?」

「頑張ってみます!」



タタタタ…



『母ちゃん!お客だよ!いい加減起きなよ!』

『ん〜?どうせろくな客じゃないだろ、起こすんじゃねぇよ』

『何いってんのさ!このままじゃ飢え死にだよ!』

『相変わらずうるせぇ我が子だなぁ』

『お客を選んでる場合じゃないでしょ!』

『オレは弱いやつに武器を作る気はないんだよ』

『会ってみなきゃ強いかどうかもわからないでしょ!』



だ、大丈夫かこれ?ここまで聞いて、もし店主が出てきたら、買わないとは言えんぞ、どうしよう…バレルしか持ってない…



ヒュン



うわっ、なんだ?



勝手に貸与のモニターが開いたのだ。



換金の意志を確認しました。

換金しますか?


所持金

B40,000,000(4千万バレル)


換金通貨

1.0バレル→1.2ファニー ⇐



おいおい、為替取引か?バレルの方がレート高いのかよ…いいね!好都合過ぎる、っていうか、なんでヒューニックに来てすぐは出なかったんだ?本気度が足らなかったのか?



よし、全額換金だ。



チャリーン



おお!なんかいい音が頭の中で響いたな。



所持金

B48,000,000(4千8百万ファニー)



すげぇ、20%儲かった気分だ…



『母ちゃん!早く!』

『わ〜かったよ、少し待ってろって』

『早くしないと帰っちゃうよ!今日のお客さん、イケメンだよ!』

『ん?…な、なに!?それを早く言え!』

『母ちゃん…』



ドタッ!ドタンッ!バタッ!



本当に品質は大丈夫なのか?少し不安になってきたぞ…



ダッダッダッダッ…ゴキッ、ドゴンッ!



豪快にすっ転ぶ店主。



娘と同じ緑色のざんばら髪を、さらにぐちゃぐちゃにさせて、カエルのようにビターンと床に倒れた、茶色い革製のエプロンと革手袋をつけているので、一応仕事をする気はあるようだ。





「お、おい、なんか凄い音がしたが、大丈夫なのか?」

「いつつ…おう、すまんな待たせちまって、大丈夫だ、店はボロボロだが、これくらいで床は抜けないさ」



手袋を外し、髪をワシャワシャしながら見当違いな事を言ってきた。



いや、床の心配なんかしてねぇよ、ツッコミ待ちか?



「誰が床の心配なんかするのさ!体の心配してくれたんでしょ!」

「そうなのか?」

「ああ、豪快に転んでたからな、怪我は無いかと…」

「大丈夫だぜ!オレは丈夫なんだ!心配してくれてありがとな、オレはラルファだ!よろしく♪」

「私は、本当に不本意だけど…この人の娘、ララです」



普段からこういうやり取りをしてるんだろうな、これはこれで、また一つの愛の形だよな。



「いやしっかし、本当にいい男だな、黒髪とは珍しい…」



顎をさすり、ふむふむ言いながらレンをジロジロ観察する。



パチーン!



「いてぇ!」

「母ちゃん!仕事!」



娘が母のケツをひっぱたいた。



「はははは、なんだか楽しい親子だな♪気に入った!ここで武器を頼もう!」

「ほ、本当ですか!?」

「ああ本当だ」

「これで…これでお肉が食べられる」

「いや、そうはいかん!」



えぇ…この流れで?



「オレは弱いやつに武器は作らない!」

「あぁ〜駄目だ〜、また始まったよぉ、お肉はまだまだ先かなぁ…」



大丈夫ですぞララちゃんよ、よ〜し、煽りまくってやるよ。



「フ、フ…フハハハハハ!」

「えぇ…急にどうしたんですかお客さん」

「うむ!さすがのオレもちょっと引くぞ!」



お前に引かれたくはないわ!



「大きく出たなぁラルファとやら、弱いやつには武器を作らないだって?はっ、お前の方こそ俺の強さに見合った武器を作れるのか?」

「なんだと!?顔が良いからって好き勝手言いやがって!」

「母ちゃん!今のは顔がいいとか関係ないよ!」

「ふんっ、どうせいい武器を作る自信がないから、あれこれ理由をつけて断ってるんだろ、バレバレなんだよ」

「お前〜!黙って聞いてりゃ偉そうに!てめぇみたいな若造がどんだけ強いって言うんだよ!」

「いや母ちゃん別に黙ってないじゃん!言い返しまくりだよっ!」



小気味いい!ララ…お前はツッコミの天才か!?



「ほれ、強い武器が作れるなら証拠見せてみろよ、どうせろくな証拠なんて無いんだろ?武器なんか最初っから作れないんだからなぁ」

「るっせぇこの野郎!お前が先に強い証拠出せや!」

「ふ、その言葉…後悔するなよ?では証拠を見せてろう、早速だがあれを見てみろ」



「なんだと!?」

「なんですか!?」



2人の背後の壁を指差し、そんな事を言ってみる、ラルファとララは驚いて後ろを振り返るが、そこには何も無い、普通に壁があるだけだった、レンは…実は何も考えていない、言ったら振り向くのかなぁ、くらいの事しか考えてなかった。



「「「…」」」

「な、なんだよ…オレの店に何をした!」

「何もしてないが?」

「な、なん…だって?」

「どういう事!?私分かんない!なんかよく分かんないよ〜!」

「何もしていない…とは、どういう事なんだ?」

「だから、本当に何もしていないってことだな、俺が指を差し、お前らが振り向いた、ただそれだけだ」

「は?な…なんだてめぇはぁ!馬鹿にしてんのかこらぁ!」



とうとう我慢できなくなったラルファが、カウンターを乗り越え殴りかかって来た、しかし…



「おい、お前は誰に殴りかかってるんだ?俺はここにいるぞ?」



困った時の瞬光様を使い、カウンターの奥へ移動、いつの間にか横にいるレンに、ララもびっくりだ。



「ええ!?母ちゃんがお客さんに!え?どういう事?母ちゃん!なんで?いや、ええ!?」



ララは究極に混乱した。



「なんで、お前が店番しているんだ!?」

「いや、最初から俺は店番をしていただろう、やっと目を覚ましたと思ったら何を言っている」

「私は…あれ?気を失っていた?」

「そうだ、よく思い出せ、さっきまでうなされてたんだ、少し休んだらどうだ?どんな武器を作るのかは、そのあと相談させてくれ」

「あ、あぁ…分かった、武器を作るんだったな…少し休んでくるよ」



馬鹿は扱いやすくていいな、ララにはジト目で見られてるけど、金を儲けるためだ、我慢しろ。

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