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神の庭園〜箱庭管理人〜 テンプレ破壊の復讐神、異世界へ降臨す。  作者: coz
第三章【北国】〜ダスト村の攻防〜
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43話 村人強化〜光の夫婦〜

リルが大進化を果たして、満足するまで鍛錬した、そろそろいい時間だと一旦村長宅に戻り、お昼ご飯を食べながら皆にとあるお願い事をして、全員で広場に向かった。



―――――



「皆、集まってくれてありがとう、先日北王の使者を脅し…脅迫…説得して、連れ去った村人をここに戻すように依頼した!」

「レン様、隠しきれてないのじゃ…」

「ん、んんッ、それでだ、北王もそこまで馬鹿ではないだろう、この村は捨てられたも同然だ、扱いを見れば明らかだ」



村人皆が悲しそうな顔をしたり、憤った顔をしている。



「あくまでも予想だが、今回の事で、もしかしたら北王はこの村を滅ぼしにかかるかもしれない、そのもしもの時の為、お前らを出来るだけ強化したいと思う、はっきり言おう、この強化を受けた者は、この世界の中でも相当な強者になるだろう、喜べお前ら!つまりこの村は今日から、世界屈指の最強村になるって事だ!」



うぉおぉぉぉ!!



若いやつほど叫び声を上げているが、年寄り連中は困惑顔だな。



「各個人で扱える魔法も様々だろう、そこで…」



レンは扱える属性事に、教師となる人物を紹介した。



火属性はセイス

水属性はフローラかテラー

土属性はゴル(村長)

風属性はティル

闇属性はリル



これが先程のお願い事、5人に教師役をやってもらう事にしたのだ、リルは私なんかがと騒いでいたが、なんとか説得した。


若者は我先にと、年配者たちは少し戸惑いながら、各属性に分かれて集まる。



やはり闇が1番少ないな、10人くらいしかいない、でも若いやつばかりだ、あいつらには一影、二影とでも名乗らせて、リルを隊長に据えて、隠密部隊でも結成するか、フフフフ…楽しくなってきたぞ。



1番多いのが土、大体200人くらいで、年配者の率が高いのもここ、この村に来る前から畑仕事で食ってる連中が多い、と村長が言っていたので、才能的に土が多くなるのかもしれないと予想するレン、急遽テラーが応援に駆けつけ、村長とテラーの2人で対応している、前に村散策の時に話したモルスも、なぜか一緒になって教えている、村の中では一番村長との付き合いが長く、事前に土魔法について説明を受けていたのだ。


次に多いのが水と風、大体同じくらいの人数で、50人ずつくらいだ、ティルが目を回しながら教えている、聞いている人達は、一生懸命お喋りするティルを見てホクホク顔だ、フローラは堂々と説明している、北門の門番サンドも水で、目をキラキラさせながら、最前列でフローラの説明を聞いている。



お前は土だろサンド、その名前でなんで水なんだよ…



意外にも少ない火属性、20人ほどだ、全員が成人男性で、皆ガタイがいい、セイスが気楽に説明している。



仲良さそうだな、狩り仲間なのかもしれない、野宿とかで焚き火をするから、火を熾したりするのが原因か?闘争本能とか?頭悪いやつらは火、ってわけじゃないだろうな、可能性は…あるな。



セイスの楽しそうなドヤ顔を見ながら、そんな事を考えるレンであった。



リルは10人くらいしか相手にしていないのに、恥ずかしそうだ。



緊張してるのか?いや、あれは厨二病になりたての、これって恥ずかしいかも、という感情だな、リル、相手の顔色を伺うな、感情に流されるな、厨二病ってのはそうじゃない。



「リル!ちょっとこい!」

「う、うん…」



タタタタッと近寄ってくる。



「お前、恥ずかしがってないか?」

「だ、だって恥ずかしいよ」

「分かってねぇなぁ」

「…なんだよ」

「あのなぁ、お前はカッコいいんだよ、その腕を見ろ、そして威力を思い出せ、あの10人はお前より強いのか?そうじゃないだろ、見せつけてやれ、そしたらお前みたいになりたいって思うに決まってるだろ」

「…カッコいい、のか?私はそう思うけど、押し付けにならないんだな?よし!分かった!教えてくる!」

「おう、行って来い!」



ふふふふ、単純な奴め、隠密部隊【影法師】とでも名付けようか…おっと、俺の厨二心が少し出ちゃったな、さてこれで大体は大丈夫かな?



ざっと広場全体を見渡し確認する。



ん?2人だけあぶれてるやつがいるな…



レンはその2人に近寄っていって声を掛ける。



「お前らはどうしたんだ?戦うのは嫌いか?無理はしなくても大丈夫だからな」

「いえ、私達は光を扱うので…」

「なんだと?そうかそうか!ならこの村の勇者と聖女だなっ!」



若い男女のペアだ、少し距離感が近いので、交際しているか、もしくは夫婦だと予想したレン。



「2人は夫婦か?」

「あ、はい、いやまだ、これからです…でももう決まっているので、夫婦みたいなものかと」

「ほお〜、おめでとさん♪じゃあ夫婦仲良く光について考えようか」

「今から考えるのですか?」

「そうだ、魔法は想像次第だ、常識をぶち壊すぞ、2人とも光とは何かを良く考えろ」

「「は、はい!よろしくお願いします!」」

「2人の名前は?」

「私はミリーといいます!」

「僕はランドルです!」

「気合い十分だな、それじゃあミリー、ランドル、2人の現在の魔法を見せてくれ」

「はい!では私から…はあぁっ!」



両肘を曲げ、拳を握り、大声を出し、気合を入れるミリー。



ん?何も起こらな…いや、なんかミリーの輪郭がうっすら光っている、のか?んふっ…ヤバい…気合いとの差が…やめろ俺、笑うな、ミリーは真剣なんだぞ!



「ん…ぶふっ、ゴホッゴホッ、よし、ありがとうミリー、綺麗な光だったぞ」

「はい!ありがとうございます!」



いい笑顔だ、魔法より光り輝いてるぞ…またキャラの濃いのが出てきたな。



「では、次は僕が、はっ」



良かった、普通だ…ランドルも同じだったら、耐えられる自信が無かったぞ。



ランドルの手の平が光りだした、結構強めの光量だ、しばらく光らせた後、スゥーッと消えた。



「2人ともありがとう、共通点は体表を光らせているってとこだな、違いは、ミリーは体全体を光らせて全方位に光を、ランドルは一部を強めに光らせて指向性のある光をだすのが得意なのかもな、う〜ん、どうするか…」



やはり認識が偏ってるな、あまり科学的に考えるのはやめよう、光に関してはそんなに知識ないしな、単純に爆発的に光らせてもいいし、とにかく光子を集めてビームでも放たせるか?振動させれば熱も出るんだったか?くそ、もっと勉強しておくべきだった。



「や、やっぱり光らせるだけじゃ弱いですよね、村の役には立てそうもないですね、ははは…」

「ん?すまん、考え事してたんだよ、選択肢がありすぎてどうしようかと思ってな」

「そんなに選択肢が…信じられない…」

「お前らはどんな戦い方をしたい?光とかはおいといて、自由に言ってみろ」



たまには、相手に戦闘スタイルを聞いて、それに合わせて考える、こういうのも面白いだろう。



「私はビュッと行って、ズバンッ!ってやりたいです!」

「ぼ、僕は戦いは少し苦手なので遠くからドーン!ってやりたいです」

「擬音が多いなお前ら…ミリーはスピード重視の近接、ランドルは遠距離主体でいきたいって事でいいな?」

「「はい!」」

「じゃあまず、ランドルから、光は見えるか?」

「はい、先ほど自分の手が光っているのも見えました」

「はい不正解」

「えぇ…」

「今も光は見えている」

「え?でもどこにも光ってるものなんて…」

「俺の姿は見えるよな?」

「はぁ、見えますが…」

「それが光の力だ」

「???」

「目で物が見える状態、これは光があるおかげだ、つまり物が少しも見えない暗闇以外なら、どこにでもあるのが光だ」

「なるほど」

「光っていうのは小さな小さな粒なんだ、光子というのだが、それが物に当たって反射して目に飛び込んでくる、生き物はその飛び込んできた光子を、目の中で違うものに変えて、脳で解析、物の色なんかを認識することが出来る」

「「…」」



ここからは魔法の世界だ、ランドルに光はこんな事が出来る、と嘘を吹き込む、そうすれば…



「光子が大量に集まれば、光は強く見える、それがランドル、お前の手から出ていたものだ、たぶんお前は光子を集める才能があるんだろう」

「そうだったのですね!すごい!」

「ランドル、とにかく光子を集めろ、そこら中にあると分かった今なら簡単なはずだ、光子はエネルギーの塊だ、尋常じゃないほど集める事が出来れば、生き物の体なんて一瞬で分解させる事も可能だ、そして光というのは、遮るものがない限りどこまでも届く、その集めた光子を一直線に放つ事が出来たなら、お前は長距離の殺人兵器だ、技名は光の束で、光束だ」

「光束…すごい…やります!やってみせます!」



嘘を並べるレン、その言葉を信じ込み、鍛錬に入るランドル、果たしてどんな化学反応が起こるのか…



「さて、次はお前だミリー」

「待ってましたぁ!!」

「お前はもっと光れ」

「…へ?」

「自分の体を光らせるのではなくて、お前が光そのものになるんだ、お前なら出来るはずだ」



無茶振りである。



「光というのは速い、とにかく速いんだ」

「どのくらいの速さなのですか?」

「人が瞬きしている間に、この世界の地上の、人間が住める範囲を端から端まで、余裕を持って移動できるほどだ、まさに一瞬とはこの事だな」



光の速さはおよそ秒速300000km、瞬きは0.1秒、つまり瞬きしてる間に光は30000km進むと言うことだ、この世界の人が住める範囲は、地球の半分にも満たないと言っていたからな、だとすればおよそ20000kmだ、余裕だな。



「そんなに速いのですか!?」

「ああ、だから気をつけろ、もし本当に光になれたとして、何も考えないで移動すれば、気付けば深層にいた、って事にもなりかねんからな」

「怖い…」

「移動するときだけ光るんだ、移動の技だと思って鍛錬しろ、目視できる範囲でポイントを絞って、光になってそこへ移動する、そうだな…技名は瞬光だな」

「しゅんこう…瞬きの光ですか?」



今更だけど漢字が通用するのかよ!ランドルの光束も通じたし、本当にどうなってんだ、まったく…好都合だよ!



「そうだ、良く分かったな」

「かっこいい…でも攻撃はどうしましょう」

「そのまま突っ込んでも大雑把でカッコ悪いよなぁ、体術とか教えられるものはこの村にいないか?」

「わかりませんね、探してみます」

「俺は体術我流だからダメなんだよな…今はそうだなぁ、とりあえず敵の攻撃を、光になって避ける練習だな、そして敵に近づく、光子を手に集めて殴る、もしくは0距離で放つ、それで我慢してくれ、集め方のコツとかはランドルに聞いてくれ、お前は瞬光の練習で忙しくなるだろうから」

「分かりました!自分でも何か考えてみます!」

「よろしくな」

「「ありがとうございます!」」

「あ、そうそう、2人とも習得できたら、俺に披露してくれ」

「「はい!」」



俺も光魔法を試したいしな、地球の常識に縛られた俺は、逆に魔法的な想像が難しい、ビームはともかく、体そのものを光にするなんて想像は難しすぎるんだ、そのまま散って消えそうなんだよ、直接見る事が出来れば、常識が塗り替えられると思う“出来るのか?”から“出来るのか!”に変えられればこっちのもんだ。



さて、ひと段落だな、他の村人の強化は?



は?…なんだこれ、は…

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