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神の庭園〜箱庭管理人〜 テンプレ破壊の復讐神、異世界へ降臨す。  作者: coz
第三章【北国】〜ダスト村の攻防〜
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41話 地獄行きの開拓者

浅層第2区で狩りを終えたレン達一行、鍛錬の内容にも満足し、ホクホク顔で聖堂に帰ってきてみれば、そこにはいけ好かないニヤケ顔達の集団が待ち構えていた。



「あれあれぇ?ゴミ村の人達じゃないですかぁ」

「これはこれは開拓者様方、お疲れ様ですじゃ」



くすんだ金髪の鼻ピアス男が話しかけてきて、村長が対応する。



これが開拓者か、出来れば開拓者ギルドで絡まれたかったな、それはまた後に期待するか。



「はぁ、なぁセイス」

「あ、あぁ」

「なんでこいつらは俺たちがダストから来たって分かるんだ?」

「それは…俺が見知った顔だからだ…すまん、迷惑を掛ける」

「そういうことね、わかった、まずは様子見だ」



小声で聞こえないように話し、状況を見守るレン、ちなみに少しも危機は感じていない。



全員リスクリワード80以上とか…よく喧嘩ふっかけられるよな、今だったらティル1人でも殲滅できるぞ、あ、そうだ。



「すまんセイス、魔体を12000返してもらいたい、他の4人に3000ずつ貸与するから」

「そうだな、狩りと鍛錬で魔力使ったからな」



4人にも貸与の話はしている、一声掛ければ大丈夫だろう、問題は複数人に貸与できるかだが…うん、問題なさそうだ。



「ゴミのやつらがなんで開拓者の真似事してんだぁ?」

「そ、それは…」

「村長、テラー、フローラ、ティル、貸与するから同意しろ」

「はーい♪」

「わ、分かりましたのじゃ」

「ええ、頼むわねぇ」

「わかった、頼む」



敢えて魔体とは言わず、貸与するとだけ告げるレン



これなら能力云々の話だとは思うまい、さて、村長以外は緊張もしてないな、自身があるんだろう。



「ここからは俺が対応する」

「レイン様…よろしくお願いします」

「おうおう、なんだぁ?随分いい男がでてきたなぁ、セイスちゃん、お前がリーダーじゃねぇのか?」

「その方がリーダーだ」



煽られても無駄口は叩かないセイス。



「あはっ♪超イケメンじゃ〜ん、ねぇ私達の街にこなぁい?」

「断る」

「はぁ?なんなのこいつ?」

「お前〜、名前はなんつった?」

「レインだ」

「ふ〜ん、レインちゃん、イケメンだからってあんま調子乗んなよ?」

「は?調子に乗る?どういうことだ?」

「だから、その態度が調子に乗ってるって言ってるんだよ」

「調子に乗ってるように見えたならすまんな、俺は誰にでもこんな感じなんだ、先ほど村長にも同じ態度だったろう?」

「俺たち開拓者に対しては、態度変えろって言ってるんだわ、分かる?」

「分からないが?なんでだ?お前達は、お前達の街の開拓者だろう、俺達の村に何か貢献してくれてるのか?そうだったなら無知な俺に教えてくれないか?」

「こいつムカつくぅ〜、ねぇダイン、やっちゃおうよぉ」

「落ち着いてソフィーリア、こんな雑魚どもにかまってられないよ」



赤髪のイケメンが出てきたな、鼻ピアスは特攻隊長か?



「君たちすまないね、ガイは血の気が多くてさ」

「いや、お前も大概だろ、雑魚ってわざわざ聞こえるように言って、手を出してくるのでも待ってるのか?雑魚の俺たちには構ってられないんだろ?」

「…いやすまない、聞こえると思ってなかったんだよ」

「いやいや、聞こえなければいいのかよ、言った事実に変わらんだろ、その時点でクズ確定なんだが?なんか知的を装ってるけど、お前、頭悪いだろ」

「てめぇ!リーダーを侮辱してんじゃねぇよ!」



なんか話し通じなさそうだし、会話の内容が幼稚すぎて…もういいや、これは俺が望んでるようなやりとりじゃない、とりあえず地獄に叩き落とすか。



「す、すみません、強気に出れば相手は下がってくれるって教わったものですから」



レンは突然頭を下げてそう言った。



「あ?なんだ急に、今更おせぇんだよ!」

「本当にすみません、俺、相手に能力を貸せる技能持ってるんで、それで許してもらえないでしょうか」

「ほお?じゃあガイ、お前なんか能力を貸してもらってみろ」

「はいリーダー、おい、なんの能力をどれだけ貸せるんだ?」

「はい、筋力〜技術までのどれか1つを、各1人1000までなら貸すことが可能です」

「よし、なら筋力1000だ!」

「かしこまりました、それでは…はい!」

「お?おお、おおお!すげぇ、わかる!本当に筋力増えてる!」

「じゃあ私も筋力1000で〜」



よしきた!



「え…あなた様も筋力ですか?」

「だめなの〜?」

「いえ、貸すときに俺の筋力にも少し影響がありますもので…ははは」

「そ〜なんだぁ〜、じゃあ筋力で♡」



クソ女だな…せいぜい地獄を味わうがいい



「は…はぃ…わかりました、ふっ!」

「おおお!すご〜い!ヤバいよこれ!」

「さて…俺だなぁ」

「はは、御手柔らかに…」

「筋力だ」

「え…」



馬鹿共が、本当に頭悪いやつらだ、ククククッ。



「駄目なのか?お前が言ったんだろう、各能力からどれかを1人1000までなら、と」

「いえ、でも…」

「早くしろ」

「…はい」



レンはダインに手をかざして、能力を貸与、そして…



バタッ



うつ伏せに倒れる。



「はは、凄いなこれは、想像以上だ」



レンは必死な顔をしながら頭をあげる。



「す…すみま、せん、やっぱり、3人とも筋力は…一度戻して、考え、直して、貰えま…せんか?」

「苦しそうだな、その技能、強制的には戻せないらしいな、俺達の同意が必要なのか?もしくは一定の期間か?」

「は、はは…」

「確定だな、このままでいい」

「私も〜」

「俺もだ!」

「…」



返還の拒否を確認しました。

罪科発生により、只今より処罰が開始されます。



やっぱりこの能力こわぁ…



「思いもしない拾い物だったな、セイス、お前らはこいつに免じて勘弁してやる、開拓者でもないお前らがあまり森の中をちょろちょろするなよ?」



タッタッタッ…



3人は笑いながら左壁の手前から3番目の扉に入っていった…



パンッパンッ…



スッと立ち上がり、服についた砂埃を払う。



「ふぅ、本当に馬鹿だったなあいつら」

「お兄さん、だいじょーぶ?」

「おいレン!大丈夫なのか?」

「なにが?見てただろ?」

「いやだって…能力は?」

「あれ?そうか、セイスにしか教えてなかったか」

「なんだ?何かあるのか?セイスに手を出すなって言われたから我慢してたが…」

「レン殿…あいつらは…」

「わからんな、いちおう返還の申請はした状態だから、途中で気付けば返還されるよ」

「あいつらが馬鹿だったら?」

「間違いなく2日後の今頃には死んでるな」

「え!?どういうことなんだ?」

「俺の技能、貸与は恐ろしい技能でな、俺からの返還申請を拒否した場合、各能力のうちのどれかが1時間に1割、俺に徴収されるんだ、まずは筋力からだな」

「え、でも筋力が減ったらさすがに気付くんじゃないのか?」

「俺が貸し与えた筋力があるだろ、借りてた筋力が返還されたかな?って思うかもしれんがな、そいつ本来の筋力を全部徴収したら、無作為に次の能力、次の能力って続いて、基礎能力を全部徴収したら、次は技能を徴収し始める、1時間に1個だ、最後に体力を一括で奪って終了だ」

「恐ろしすぎる…」

「よっぽどの馬鹿じゃなければ、筋力以外の能力が減り始めた時点で気付くだろ」

「じゃ、じゃあ、2つ目に奪う能力が、知能とかだったら…」

「あ、それは考えてなかった、1/6の確率だな、そうなるのを祈っておこうか」

「わたしには能力の返還申請出してないよな!?」

「大丈夫だよフローラ、味方には絶対手を出さないよ、裏切らなければな…」



ニヤァっと笑いながらそう言って、全員を恐怖で怯えさせ、微妙な気持ちでダストに帰っていく村長達だった。

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