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神の庭園〜箱庭管理人〜 テンプレ破壊の復讐神、異世界へ降臨す。  作者: coz
第二章【ようこそツェファレンへ】〜生き抜け!危険区域〜
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20話 ゴブリン攻略

レンはトンネルを出た所で、立ち止まって考え事をしていた。



ガサガサッ!



むっ!?



ビュッ!



「うおっ!」



なんだコイツ!



バックステップで距離を空ける。



ダダダッ、ビュッ、ビュッ、フォンッ!


サッサッ!サッ!



くっそっ、動きが速ぇ!



様子も見ずに接近してきて、左右の爪で突き、右足で中段回し蹴りをしてきたが、なんとか躱す。


蹴りの反動で背中をこちらに向けていたので、全力で一歩踏み込んで前蹴りを、少し地面に叩きつける角度で思いっきり叩き込んだ。



ドゴッ、ダァン!ゴロゴロ…



リスクリワード!



咄嗟に使用する。



【0.8】



なっ!?1以下だとっ!?俺より強いのか!



「グォ、グオォォウ!」



魔物が起き上がろうとしている。



不味い!



今度はこちらから接近。


片膝をついている魔物の…



おらぁ!



バキッ!



「グァァゥ…」



側頭部に全力でローキックをかました。



……



良かったぁ、倒せた。



地面に膝をつき、思いっきり息を吐く。


そして、ここじゃまずいと思い、すぐに敵の足を掴み、トンネルの中に引きずり込む。



ふぅ、あぶねぇ、正直こいつが頭悪くなかったら負けてたかもしれんぞ、考え込む癖は治したほうがいいな。



正面の背の高い叢から飛び出してきたのだ、大きな音を立てながらだったので初撃を躱せた。


また、体ごと回転させるほどの、大ぶりな蹴りをしてきた時点で、レンの勝確だった。



さて、こいつは…ゴブリン、か?



ファンタジーゲーム、小説、漫画、物語の色々な所でよく見かける雑魚キャラの代表、ゴブリンだ。


ただ、その肌は暗い紫色、そしてかなり筋肉質だ、両耳は尖っていて、戦闘時に伸びていた爪は縮んでいた。


身長はレンより少し低い170センチほど、歯を剥き出しにしたまま絶命している、長めの牙が割れていて、血が滲んでいる。



顔こわぁ…ゴブリンって、目の前にするとこんなに怖いのか…


血も紫…まさか、鹿が咥えてたのって、これじゃないのか?


あれだけ俺と拮抗した魔物が捕食されてたんだ、やはり鹿とは戦わなくてよかった。


とりあえず、ステータス。



貯蓄 383 +80



80ポイント…うさぎはどうだった?【4】も【5】も両方5ポイントだったよな。


やはり数字が低いほどリスクが高く、ポイントも多く貯蓄されるとみて間違いないな。


たぶん俺が、自分の能力にポイントを割り振ると、敵との差が縮んで、リスクリワードの数字も大きくなっていって、獲得ポイントも減るのだろうな。


能力を上げて魔物を簡単に狩りたいけど、獲得ポイントが減るのか、ジレンマだな。


とりあえずこいつはこのままにして…いや、トンネルの中に置いておいたら、この死体をあさりに他の魔物が来るかもしれない、うさぎ達のところに行ったらまずいからな、外に放りだしておくか。



なんだかんだ、うさぎ達を気に入ってるレン、気休めではあるが、できるだけ他の魔物が向かわないようにするのであった。



そーれ、っとよし…う〜ん、結構飛んだな。



ゴブリンをポイっとして。



ゴブリンが来た方向へ行ってみるか、またいたら少し冷静に戦ってみたいしな。



ザザッザザッ…



叢をかき分け、進む。


だんだん叢の背が高くなってきて、レンの身長を超える程になる。



歩きずれぇ…毒虫とかいたらやだなぁ…



「グォ、グォウ」



…ゴブリンか?



物音をたてないよう、ゆっくり叢をかき分け慎重に進む。



いたっ!ゴブリンだ!



叢の密度が薄くなり、隙間からゴブリンが見える。


少し先は草は生えておらず、直径5mくらいの円状にひらけていて、奥に道が一本続いている、道の幅は2mほど、その道の両端も高い叢が奥に続いている。



こっちには気付いてないな、もしかして集落とかあるのか?だとしたらこのゲームは難易度クソ高だな、やはり序盤のイベントじゃないぞ。


どうするか、まだゴブリンは1匹だ、でも他にもいないとは限らんし、少し迂回して様子を見てからだな。



ゆっくり後退して、円を避けるように進み、ずっと続く道横の叢の中を、身を低くして進んでいく。


しばらく行くと…



あれは…櫓か?やはり集落だな、道の長さは大体100mくらいあったか?



叢の隙間から見える景色は…



「グォウ」

「グォォ」

「グァ、グゥ」

「グゥゥゥ」

「ウゥゥ」

「ギッギガァ」



鳴き方は、ギャギャじゃないのね、最後のやつちょっと惜しかったけど。


しかしゴブリンだらけだなぁ、何匹いるんだこれ、100匹くらいいるのでは?8000ポイントか…なんとか倒したいが。


無理だよなぁ、だって俺よりでかいやつもいるし。



ゴブリンだからこの大きさ、という決まりはなく人間同様、体格は様々であった。



身長がバラバラなら肉付きも違えばいいのに、みんなムッキムキじゃねぇか、寄って集って食べられる運命しか想像できないぞ。

駄目だな、ここは回避1択だ、俺はピンチを嫌う男だからな。



またも迂回して回避、集落を背に進むレン、徐々に叢の背が低くなり歩きやすくなってくる。



えーっと、岩山のほうを便宜上南として、ゴブリン集落方向は北、それでいくと鹿がいたのは右、つまり東方向だから、西の方角に向かってみるか。真っ直ぐ進める自信ないけども。



岩山まで戻って、それに沿って西に進んでもよかったのだが、またループするのでは?という懸念があったのでそれはやめたのであった。



サッサッサッ…



できるだけ足音を立てず、気配を消すよう意識をしながら、歩く、歩く、歩く…これはうさぎ達との鍛錬時から続けていた。


もう一ヶ月以上である、そしてついにその時が来た。



サッサッ――――――。



急に足音が聞こえなくなったのである。



来たか!ステータス



才能

投資 努力 回避New


技能

貸与1 リスクリワード2 潜行1New


才能に[回避]技能に[潜行]か、パッシブだろうな、意識して解除できるか?



――――サッサッサッ



できる…よしよしっ、いい感じだ。


せっかくの異世界だし魔法も覚えたいなぁ、派手にぶっ放したいぜ、ティアに魔法のこと聞いておけばよかったな…ティア…会いたいな、元気にしてるかなぁ、いや、あいつは普通に寝てるなw、んっ?



遠くに、紫色がチラッと見えた、ゴブリンだ。



1匹だな、後をつけるか…



潜行で足音は消えているが、服の擦れる音は消えていないので、慎重に後をつけていく。



魔力ってやっぱり万能なんだな、音を包みこんでるのかな?でも、魔力減ってないんだよな、ステータス。



魔力 6122



やっぱり減ってない、コスト0か?回復が消費を上回ってる可能性もあるな…


…あぶないあぶない、また思考の海に沈むところだった、なかなか癖が治らんぞ。


まずはゴブリンだな、他に仲間もいないようだし、仕掛けてみるか。



数字は【0.8】前回と同じ。



そ〜っと真後ろまで接近して、敢えて潜行を解除する。



ザッ!



「グァッ!?」



こちらに振り向きビックリするゴブリン。


にゅっ、と爪を伸ばして戦闘態勢だ。



付き合ってもらうぞ!



ヒュッ!サッ!

ヒュン!サッ!

ヒュッ、バシ!

フォン!ドッ!





躱し、逸らし、受けとめ、またもうさぎの時のように鍛錬が始まる。


爪は服が破れるから躱す、または叩いて逸らせる、蹴りは受けてみる。



「ぐっ!」



重っ!だが耐えられる!



―――



しばらく攻撃を受けていたが、だんだんと慣れ、余裕をもって躱せるようになってくる。



今度はこっちからも手を出させてもらうぞ。



頭でシミュレーションした通りに攻撃を繰り出し始める。



左手の突きを、体を右に捻って躱し、相手が右手を出してこようとする前に、こめかみに右フックを叩き込んだ。



ドゴッ!



ふらつくゴブリン、回復を待つレン。


やはり知能が低いのだろう、性懲りもなく逃げずに攻撃をしてきた。


回し蹴りの動作に入ったので、スピード重視の前蹴りで、下腹部を蹴りつける。


腰をかががめ後退するゴブリン。


突きを放ってくる。



バチン!



強めの力ではたき落とす。


ざっと周囲を確認。



仲間はいないな。



ゴブリンを見つめる。



「グ、グゥゥ…」



ジリジリ後退し始める。


突如後ろを振り向き、逃げ出すゴブリン。



ふんっ!



最初に会敵したゴブリン同様、またしても背中に前蹴りをかます。


そのまま吹っ飛んでいくゴブリンを追いかけ。



そーりゃ!



バキッ!



うつ伏せに倒れたゴブリンの頭にサッカーボールキックをぶちかまし、絶命させた。



ふぅ、いい勉強になった、やはり2足歩行同士の戦いは学ぶことが多いな。


おっと、また考え出す前に移動するか。

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