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138話 まさかの来客

あぁ、強い敵でも来ないかなぁ…



「はぁ…」

「レン様…ごめんなさい、私といてもつまらない、ですよね…」

「いやそんな事ないぞ、すまんな、俺は考え込むのが癖なんだよ、そうだ、少し聞きたいんだが」



来客も只者では無いが、あくまでもこの世界基準、どうせ自分ほどの実力者ではないのだろうと、少し退屈気味のレン、自然とため息が出てしまい、ナナに気を使わせてしまった。


そもそもレンほどの実力者がそんなホイホイいるわけも無いのだが…



「は、はい…」

「ナナとセフィールと、あとフィリアーナだったか?他の残り7人の呪い子達はみんな元気なのか?」

「分かりません…」

「そうか、そうだよな…」



簡単に連絡を取れる世界じゃない、分かるわけないよな…



「はい、フィリアーナ以外の呪い子達は基本的にみんな技能の制御ができないんですが、私ほど周りに迷惑をかける技能ではないので、魔王様直々に鍛えられたあとは、きちんと能力を把握し、制御しきれずとも活かす手段を見つけ、それなりに生活に溶け込めるようになりました、私以外は…」

「そうか…」



めっちゃ落ち込んでるよ、気まずい…余計な事聞かなきゃ良かった…



「私は魔王様の下に残り、みんなとは離ればなれになってしまいました、その後は魔王様にも色々と解決策を考えて頂いたのですが…」

「結果は?」

「目を瞑って生活する、と…」



きついな、いや無理だろ…たまに物語の中では見かけるけどな、目を瞑ったり目隠しをしているキャラとか、だいたい敵キャラで強敵、何を考えているのか分からない、それでいて重要なキャラだったりする、実際にやるのは現実的じゃないよ、俺だって全察知を使っても無理なんだから…だが、それ専用の技能を創れたとしたらどうだ?


視界補助…なんか違う、心眼とか?意味が違うか…魔力心眼とか?物事の真実を見抜くという意味では、見えない景色を真実に置き換えればもしくは…視力に頼らず景色を見れるから、死角無しの強者になれる、目隠しをペロッとめくれば必殺の麻痺ビーム、ニヤリと笑いながらめくれば尚よろし、ムフフ…


敢えて制御できない技能を殺さず活かす、セフィールの時と一緒だな、まぁセフィールの時は偶然の代物なんだけど…ナナの麻痺眼はA級開拓者をも梅干し顔にするほど強力、活かせたらとんでもない強者になるぞ…魔眼のナナか…



「ふふふ…」

「レン、様?」

「その線を攻めてみるか…」

「え?なんですか?」

「ああすまん、目を瞑っても周りが見られる技能があれば良くないか?普段はちょっとおしゃれな目隠しをしていて、いざとなったら目隠しをめくって敵を麻痺させる、せっかく強力な技能なんだ、封印しないで敢えて活かす、どうだ?」

「か、かっこいい、かも?…でも私は、技能以外の強さはありませんが…」

「ふふふ、大丈夫だ、俺が鍛えてやろう、魔王様には悪いが、鍛えると言う点において俺の右に出るものはいない、ふふ、ふふふふ、魔眼のナナ、誕生だな…」

「お手柔らかにお願いします…」



どうせ逆らえないし、もうどうにでもなれと思うナナであった。



「ところでセフィールとは仲いいのか?」

「はい、子供同士で喧嘩になると、いつも庇ってくれました、小さなお姉ちゃんです、ふふっ♪」

「今は普通の姉ちゃんだけどな、なるほどな〜、あいつ、弱いものイジメとか大っきらいだからな」

「そうなんです、まぁ他のみんなもだいたい同じようなものでしたが、特にセフィールは敏感でしたね、口は悪かったですけど、優しい人です」

「優しいなんて言ったらうるせぇって言われそうだよな、でも間違いなく優しいやつだよ、初めて会ったときは殺されそうになったけど」

「えっ、セフィールにですか?」

「ははは、かなり怒っていたからな、イジメられていた知り合いと一悶着あったあとに、俺がわざと喧嘩を売ったんだよ」

「なんでそんな事を?」

「この西国の人間の実力を知らなかったからな、あと単純に面白そうだったから」

「ははは…レン様は変わったお人なのですね」

「否定はしないさ、正しくは変わった演技をしているってところだがな、相手の素を見るのにちょうどいいんだよ」

「ニャルも心を開くの早かったですもんね」

「そうなのか?」

「ええ、ニャルはああ見えても…」



バタン!



「にゃー!もうっ、ナナは油断するとすぐに私の恥ずかしい話をするにゃ!」

「恥ずかしいの?」

「恥ずかしいにゃ!」

「いいじゃないか、どうせそう見えても実は人見知りとか、そんな感じなんだろ?」

「そんな事にゃい…」

「そうなんです♪」

「ナナ〜、悪い子はこうにゃ!おりゃ〜!」

「はははっ♪許してくださーい♪」



ナナが楽しそうに笑ってる、うんうん、良い傾向だな、さて…



くすぐりあってじゃれ合っている2人を横目に…扉の前で苦笑いをしながら立ち尽くしている、イケオジに話し掛ける事にした。



「さて、ニャルに放置されたあんたは?まぁ流れ的に魔王様ってところか?」

「御名答、我は西国の王、皆には魔王などと言われている、名はデビライドと言う、貴殿がレンか?」

「そうだ、初めまして、よろしくな」

「うむ、よろしく頼む」



この世界では珍しい黒髪、長い髪をオールバックにした男前だ、瞳は赤、肌は色白で身長も体格もレンとほぼ同じくらいだ。



なんか、吸血鬼みたいだな、まさに魔王だ。



「凄いな、魔王そのまんまじゃないか、感動した」

「どういう事だ?」

「魔王は吸血鬼とか渡り人、とかじゃないよな?」

「うむ、違うぞ、こう見えてもしっかり人間だ」

「すまんな、色白だし黒髪だったもんだから、俺は渡り人だ」

「そう言えばそんな事を言っていたにゃ」

「だから不思議な力を持っていたのですね」

「やはりな…」



正体を聞き、納得顔の魔王。



「俺の生まれた世界じゃな、魔王ってのは物語に出てくる敵の親玉なんだよ、もちろん物語によって設定も様々、基本的には敵だが味方の場合もある、主人公だったりもするし、そしてまさにあんたのような魔王もいる、だから感動した」

「なるほどな、我はそんなに大それた者じゃない」

「そうなのか?魔法に精通していると聞いているぞ?」

「違う、研究に明け暮れているだけだ」

「なるほどな、しかし、只者でもないだろ、雰囲気でわかるよ」

「貴殿ほどではないな、とんでもない力を持っていると報告があった、それを聞いてからもしかしたらとは思っていたが」

「予測が当たったって訳だな、俺はレン、1年弱前にこの世界にやってきた勇者、に騙され、何もかもを奪われて、復讐の為に這い上がってきた者だ」

「レン、自己紹介が重いにゃ〜、それに情報量が多すぎるにゃ〜」

「復讐か、何をされた?」

「能力を奪われ、危険区域の深層に捨てられた、勇者を召喚した張本人、主にルードにな」

「深層、レン様可哀想…」

「それは本当にヤバいやつにゃ、よく生き残れたにゃ…」

「賢者か…我もあやつは好かん、良からぬ事を企んでいる事は分かっておる」

「おお、話が早いな、西国は他の国と雰囲気が違うからな、少し苦労すると思ってたんだよ、面倒なことにならなくて良かったぁ〜、まぁ戦闘系のトラブルなら歓迎なんだがな」

「ふふ、恐い御仁よの、我でも敵う気がせんわ」

「そんなに…ですか?」

「そんなにだ」

「私もそう思うにゃ、レンは確実にヤバいやつにゃ、でも悪人じゃない、私の嗅覚に間違いはないにゃ!」

「ニャルが言うなら間違いないな、それでレン、西には何用で?」

「まぁ話すと長いからな…どうするか、店が開店してからにするか?それとも魔王城に行ってもいいか?」

「良いぞ、歓迎しよう」

「行く前に一つだけ聞きたい」

「なんだ?」

「魔王的には他の国はどう思っている?」

「どうとは?」

「仲良くしたいとか、あの国は気に食わねぇとか、単純にどう思うかだな」

「東はこの西国と同じ雰囲気を感じる、力が全てといった所か、北は最近王が民の事を考え行動するようになったとか、南は良く分からん、出来れば全ての国で仲良く出来たらと思っている…しかし、我は不器用ゆえ」

「ありがとう、それが聞ければ十分だ、あんたはいつも通り王様をやってろ、その辺は俺がどうにかしてやる、もともとそのためにこの国に来たようなものなんだよ」

「なんだかついていけない話になりそうだにゃ、レン、魔王様、話の内容は後で簡潔に教えてほしいにゃ」

「「ニャルも来るんだよ」」

「まさかの2人が言葉被り!?」

「ニャル、頑張って!」

「いや、ナナも来い…お披露目会をするぞ」

「え…どういう?」

「魔王」

「なんだ?」

「出来る限り町長達も呼べるか?ああ、町長達の生い立ちは聞いているからな、気にしなくて大丈夫だ、トラブルが起きたらきちんと対応するよ」

「分かった、呼んてみよう、少し人間不信で難のあるやつもいるからな、気をつけてくれ」

「分かった、魔王が冷静沈着なやつで良かったよ、それだけは救いだ」

「逆にレンが落ち着き過ぎにゃ、最初っから王様に対して、そんな馴れ馴れしく出来る人間なんていないにゃ」

「ここにいるだろうが」

「それは…」

「分かってる、どうせお前は人間の枠に収まらない、とか言うんだろ?聞き飽きてんだよそんな事」

「なら自重するにゃ」

「ヤダ!」

「子供かにゃ!?」

「はっはっはっ!楽しいな♪こんなに普通に話してくれる人間なんて子供のとき以来だ、では明日のお昼くらいに城に来てくれるか?」

「いや、1週間後にしてくれないか?」

「何故だ?」

「俺の実力を見せてやる、ナナを借りてもいいか?魔王、ニャル」

「1週間で何を…いや、よし!分かった!期待していていいのだな?」

「当たり前だ、期待し過ぎても足りねぇよ」

「くくくくっ、本当に愉快なやつだ、久々に退屈しなくて済みそうだな」

「また笑ったにゃ」

「どうしよう…着ていく服とか…」

「まかせるにゃ〜!今から服を買いにいくにゃ!今日はお店はお休みにゃ〜!」

「ニャル、ナナのコーディネートよろしくな」

「おうにゃ!」

「そ、そんな…」

「さぁ行くにゃ!」

「買ってきたらナナを借りるからな〜、忘れんなよ〜」

「は〜いにゃ〜!」

「わ!わわわ〜!そんな引っ張らないでニャル〜!」



相変わらず落ち着きのないやつだな、1週間後はカリンとレイカも連れてくるか…なんなら、サリー、レイ、マリーも連れてくるか?



ニャルがナナの手を引っ張って駆け出していき、魔王は苦笑いで魔王城へ帰って行った。



―――



「おお…綺麗だ」

「そ、そうで、しょうか…」

「あたりまえにゃ!私のセンスが爆発したにゃ〜♪」



スタイルいいなぁ、スレンダーなモデル体型だ、嫌いじゃない、おっぱい星人には好かれないかもだが…カリンとは仲良くできそうだな。



身長は160ちょいほどで体格も標準、右肩を露出させたピチッとした黒いフォーマルドレス、左足の太ももの上まで大胆なスリットが入っている、とてもエレガントセクシーだ。


ナナは目鼻立ちがしっかりしているので、ドレスがこれでもかと言う程似合っている。


長い白銀のウェーブの掛かった髪、とても毛量が多く、猫背で目は虚ろ、幸の薄そうな感じがレンの強者像にピッタリであった。



目の下の隈が気になるが、どうせ目隠ししてしまうし、悩みが解決すれば自然と回復するだろ。



「ニャル…お前完璧だな!」

「でしょ〜、ふふふ♪私の溢れるセンスに脱帽かにゃ?」

「ああ、脱帽した、では1週間ほどナナを借りるぞ」

「レン…ニャルも鍛えてほしいにゃ!」

「魔王に怒られなければいいぞ」

「大丈夫にゃ!魔王様はそんな器の小さいお方じゃないにゃ!」

「分かった、ではニャルも連れて行こう」

「やったにゃ〜!」

「ちゃんと連絡はしておけよ」

「分かったにゃ!この時計は便利だにゃ〜♪」



因みにニャルも服装が魔女っ子ではなく、お出掛け仕様となっており、白のブーツ、赤いニーソックス、明るめの灰色のホットパンツ、トップスは小さめのシャツに赤茶色の革ジャケット、猫獣人らしくおヘソを大胆に出している、耳穴の空いたハンチングをかぶっていて、ピョコっと可愛い耳が飛び出ている、ちゃんと人間の耳もついていて、その両耳には猫を型取ったキャラの付いた大きめなピアス。



これでもかと言う程の猫っぽさだな…


「ニャルは、耳が4つあるけど、どこから音を拾ってるんだ?」

「どっちも拾うにゃ、頭の上の耳のほうが高性能にゃ」

「ほう、興味深いな」



脳は拾った音をどういうふうに処理してるんだろうか…まぁいいか、後でもっと良く話を聞こう、新しい技能のヒントになるかもしれんからな。



「仕事は大丈夫なのか?」

「店長がいれば大丈夫にゃ、そもそもラーメンニャルニャルのオーナーは仮の姿にゃ〜♪」



魔王側近の諜報員だってことは知ってるよ、っていうか、店の名前ニャルニャルなのかよ、看板なんかついていたか?



「まぁいいか、2人とも準備はいいか?」

「はい!宜しくお願いします」

「オッケーにゃ!」

「では、転移!」



―――



ガシャン!



拠点に帰ってきたレンと、初めて来たナナとニャル。


3人の姿を見たレイカは手に持っていた何かしらの部品を落として3人を凝視していた。



「レイカか、大丈夫か?」

「ね…」

「ん?」

「猫ちゃんでござるぅ〜!」

「にゃにゃぁ!?」



ダダダダ、ガシィ!



「にゃー!早いにゃ!この私が逃げ切れないにゃ!助けてにゃー!」



ワシワシワシワシ…



ニャル猫を捕獲し、好きに撫で回すレイカ、完全に目がイっていた。



「こら」



ペシッ



レイカの頭を軽く叩く。



「あいた!」

「落ち着けレイカ」

「にゃ〜、助かったにゃ…」

「あ、レン、おかえり〜♪」

「ただいま、もう大丈夫か?」

「え、えへへ、大丈夫、少し興奮しちゃったよ、あとそのメガネ…あなたが例の呪いの人だね?」

「は、はい!ナナと言います!よろしくお願いします!」

「ナナ、そんな緊張しなくても大丈夫だ、ここにお前の呪いが効くやつなんていない、と思う…まぁメガネも掛けてるんだ、尚更大丈夫だよ」

「は、はい、分かりました」

「それで?みんなで一緒にどうしたの?」

「少しこいつらを鍛えるって事になってな、まずは自己紹介だ」

「んにゃー!なら私からにゃ!私はニャル、見ての通り猫の亜人にゃ!前は虎系の魔物だったにゃ、因みに猫族とかはいないにゃ、亜人というのは様々な種類の獣人とかの集まりにゃ、決まった種族とかはないにゃ」

「虎系の系列なら語尾は“にゃ”じゃなくて“ガウ”とかじゃないのか?」

「“にゃ”のほうが可愛いにゃ」

「それは同意する」

「にゃはは♪それで、私は西の危険区域内にある亜人の村出身にゃ、10年前、魔物に村が滅ぼされそうになっていた所を魔王様に助けられたにゃ」

「親とかは?全滅したのか?」

「亜人に親はいないにゃ…」

「え…どうやって生まれてきたんだ?」

「魔物から進化したのは間違いないにゃ、私も感情無く森の中を彷徨っていた記憶があるにゃ、感情を持った時には人の姿になっていたにゃ、それで、最終的に村に行き着いたにゃ…」

「だから前は虎系の魔物、という自己紹介だったのか、それにしてもそんな偶然が?人の住んでる所に行っていてもおかしくなかったんじゃないか?」

「それは知らないにゃ、そっちに行かないと駄目な感じがして、向かった先に村があったにゃ」



う〜ん、不思議だな、世界の意志が干渉しているとしか思えん、もしくは神様か?まぁいい、考えても無駄だな。



「10年前だと…呪い子達が各町に、長として旅立つ頃だな、その時にナナを任されたのか」

「そうにゃ、仲良くしてほしいと魔王様に頼まれたにゃ」

「私も…とある亜人の子と仲良くしてくれと、魔王様に言われて知り合いました」

「魔王、本当に見かけによらず、優しやつなんだな」

「はい、ニャルは初めて会ったときは、それはそれは大人しい…」

「にゃー!にゃー!ナナ!またにゃ!?やめてにゃ!」

「ははは♪仲良くていいね〜、それでナナちゃんは?」

「仲いいのは…否定しないにゃ…」

「私は…えっと…」



話し辛そうにもじもじしているナナ。



「俺が生い立ちを説明するよ」

「ありがとうございます」

「ナナはとある施設で育ったんだ…」



施設での幼少時代、何やら実験台にされそうになっていた事、魔王に助けられた事、その後の経緯を、ナナが時より補足を入れながら説明していく。



「ナナちゃん…大変だったね、でも大丈夫!だってレンに目をつけられたんだから♪」

「おい、目をつけたって、言い方を考えろ」

「本当のことじゃん」

「まぁそうだけど、お前だって目をつけただろ、どうせ呪いに興味でも持ったんだろ、目を輝かせすぎだ」

「えへへ〜ばれちゃったね、しょうがないじゃん、私なんだもん、じゃあ次は私の自己紹介ね♪私はレイカ、この南の国の王、氷王レイスなんて呼ばれてるよ」

「「え…」」



さすがにサプライズが過ぎたか?



「えぇ〜!?レイカ様がレイス様にゃ!?」

「ひ、氷王、様…ど、どうしよう、失礼じゃなかったかな…」

「大丈夫だ」



レイカの頭の上にベタッと手を置き。



「こいつこそ、元祖人見知りの代表格、引きこもりのござる王女だ」

「やめて!自己紹介くらい自分でできるよ〜!」

「こいつはな、20年間部屋に引きこもって…」



レイカのクレームはスルーし、同じ渡り人である事、物作りが友達で、20年間引きこもっていた事、仲間が北の王様だと言うこと、レンとの出会い、事細かく説明していく。



「もう!ひどいよ!」

「嘘は言ってないだろ、お前に自己紹介させたら絶対美化するに決まってるんだ、ボロを出さずに済んで良かったな」

「にゃはは…なんか、とんでもない人間と知り合ってしまったみたいだにゃ」

「そうだね…少し恐くなってきちゃった」

「とんでもないって、私は含まれてないよね?ね?」

「こら、威圧するな、目が笑ってないぞ、別にいいだろ、実際とんでもない人物には変わりないんだから」

「そうだけど〜、レンと一緒にされるのはちょっと違うじゃん?」

「いや一緒だろ」

「違うよ!私は人間!」

「俺も人間だ!」

「そうだけど!私は普通の人間!」

「俺だって普通…ではないか、ちくしょう!」

「なんか、緊張して損したにゃ」

「し、失礼だよニャル」

「まぁいい、この議題については後で話をつけようじゃないか、とにかくナナの呪いについて話したいんだが」

「そうだね、もう少しレンには、自身の異常性について自覚してもらおうじゃない、後で会議ね」

「「…」」



ナナとニャルはもうお腹いっぱいだった、レンに食いつき、互角に張り合っている時点で、2人の中ではとんでもない人の枠に入ってしまっていた、まだカリンという名の異常人がいることも知らずに…

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