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神の庭園〜箱庭管理人〜 テンプレ破壊の復讐神、異世界へ降臨す。  作者: coz
第六章【武器作りと修行】〜そして年越しへ〜
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119話 年越し①【世界振動…!?】

武器を依頼してから約4ヶ月後…



ガヤガヤ…



「お兄さん!食べてる〜?」

「ティル、今日も元気そうだな、そういえばレベル上げの方はどうだ?」

「う〜ん、ティルね〜、あんまりレベル上がらない!」

「ティルは深層で一気に上げちゃったからなぁ、中層くらいじゃなかなか上がらないか」

「うん、だからあとでお手伝いしてほしい!」

「おう、いいぞ〜」

「やった〜♪」



相変わらず元気いっぱいで、こっちまで元気になるな、レベル上げであんな目にあったのに。



カインド村の広場、そこでは年末から年始を迎えるお祭りが開催されていて、村人達が楽しそうに食事をしていた、レンは1週間前からカインドへ来ており、村長宅とサンドラ宅を日替わりで交互に寝泊まりしながら、久々にゆっくりした日々を過ごしていた。



みんな強くなっててびっくりだよな、これなら鼻くそだって、そう簡単に手は出せないだろうな、影法師の副隊長にフキノが入ってて、相談役にセイトがなってた方がもっとびっくりだったけど、今はフキノ指導の下、影に潜む訓練をしているのだとか、頑張るねぇ。



もはや自分の手から離れ、他人事のように考えるレン。



「ようレン殿、飲んでるか?」

「セイスか、おうぼちぼちな、お前は飲みすぎて、またフローラに怒られてないか?」

「大丈夫だ、俺は学習できる男に生まれ変わったんだ」

「どうだか、飲みすぎていても俺は止めんからな」

「手を借りるような真似はせんよ」

「そうかよ、じゃあ乾杯だ」

「乾杯」



キーン



地球では乾杯の時は、コップを突き合わせると教えたレン、カインド村では当たり前の事になっていた。



「ぷはぁ、うまい!」

「もっとちびちび飲めよ、本当に怒られるぞ」

「おっと、この辺にしておかないとな、じゃあ俺は挨拶に回ってくるから…レン殿も一緒にどうだ?」 

「俺はいいよ、そういうのは苦手なんだ」

「嘘つけよ、めんどくさいだけだろ?」

「まぁそうとも言う」

「はははっ、じゃあまたな」

「おう」



レンは社会人だった頃不思議に感じていた、会社の飲み会で挨拶に回る奴らを、下っ端だからって、なんで気を使って酒をついで回ってるんだろうと、各個人が自分で酒をついだほうが圧倒的に効率がいいじゃないかと。


そういう感情が欠落していたのだ、異世界にやってきて性格が変わった…いや、本来の性格なのだろう、嫌いだったのだ。



無礼講だと言いながら、そういう所で部下を評価するんだよ、会社の偉いやつらっていうのはな、酒がつげるからってなんの評価になるんだよ、会社の利益となんも関係ねぇだろうが。


仕事は出来て当たり前、そういう仕事以外の所で差がつくんだ、夏はお中元、冬はお歳暮、これだけで出世する確率が…とかなんとか、うんこタレ課長に言われた事もあったなぁ、気持ちわりぃ風習だよなまったく。


おっと、前世のことで愚痴を言ってもどうにもならんからな、やめだやめだ、今は楽しもう。



お祭りと言う名の大きな飲み会は、今回過去一番の盛り上がりらしく、皆年が明けるまで一向に冷める気配もなく時間が過ぎてゆく。


年が明ける直前、噴水の前でパンツ一丁になった罪人セイスを、女神フローラが連れ去って行ったのが見えたが、レンは見ないふりを決め込んだ。



まったく、毎回何やってんだよあの学習する男は。



「レンちゃ〜ん、やっと見つけたよ〜」

「レン、気配を消しすぎだ、目視してても疑わしいほど気配を消すな」

「カリンとセイトか、よく見つけられたな、ティルとセイスのほうが見つけるの早かったがな」

「村人達に囲まれてしまってな、レンとの仲はどうなのかと、主婦の方々がそんな話を大好きなのは、世界共通なんだな」

「僕も〜、フキノちゃんと仲良くしてるのかって、少し説教みたいだったよ」

「性格が性格だからな、信用されにくいんだよお前は、いかにも女を泣かせそうな顔をしているしな」

「どんな顔だよ〜」

「あたしも昔は泣かされたものだ…」

「それは違う意味じゃん!でも、その節は苦労をかけてしまって申し訳ありませんでした!」



馬鹿話をしていると、いつの間にか年が明けていたらしく、セイスが連れて行かれたあと、入れ替わるように誰かが噴水の前へ、マイクのようなものを片手に持ってスタンバっていたのだ。



『レディースエーンドジェントルメ〜ン!ア、ハッピーニューイヤー!!』

「うお!なんだ?」

「ねぇねぇあれ、レイカちゃんだよ」

「あいつは…何をする気だ?」

「レイとマリーもいるな」

「レイとマリーまぁ良いよ、ここは北国なんだし、レイカはこっちに来ていて大丈夫なのか?」

「我慢できなかったんじゃないか?」

「あいつの事だ、魔道具でどうにかしてるのかもな、案外南国にも擬似レイカとかがいるのかもしれんぞ

「あり得るな、レイカも少しレンっ気がするからな」

「その、ちょくちょく俺を概念扱いするのやめてくんない?」

『場も盛り上がってきましたので〜…』

「何が始まる?あ、チラッとこっち見た、嫌な予感しかしねぇ」



なんであんなに離れてるのに分かるんだよ…あ、カリンとセイトがいるからか。



『チキチキ!一番の強者は誰だ!もう俺たちはあんたの弟子じゃねぇ!レンに挑戦!下剋上バトル〜!!』

「聞いてねぇよ!」



思わず立ち上がって叫ぶレン。



『お〜っと!これはレン選手ぅ!やる気満々だぁ!』

「選手…あっちも話を全然聞いてねぇな…」



いや、敢えて無視してるのか…まぁいい、村人達の強さを確認するチャンスだと思えばいいか。



『さぁ!誰か最初の挑戦者は〜?』

「私達が!」

『誰?…うんうん、はい!手が上がりました!第一の刺客はぁ!光の夫婦、ミリーとランドルだぁ〜!』



なんであいつはあんなにノリノリなんだよ…4ヶ月前は引きこもりだったじゃんか…ござるござるって、どもりながら言ってたのが嘘みたいだ。



『健闘した方には〜、私オリジナル!動くレン人形をプレゼントしまぁすぅ!』



わぁぁぁぁ!!



めっちゃ盛り上がるやん、そんなに俺の人形が欲しいのかよ、意味分からんなぁ。



祭り一の盛り上がりを見せるイベント、レンも不本意ながら、少しワクワクしていた。



『私も!』

『俺も俺も!』

『勝利じゃないよね!?健闘だよね!?私もやるー!!』

『ティルもー!』

『あらぁ、私もやってみようかしら?』

『影法師全員で掛かるぞ!殺す気でやれ!』

『応!!』



ハンデを付けて、指導しながら追い込んでやる、今手を上げた奴ら全員、もう辞退は許さんぞ、ふふふふ…



不本意ではなかったらしい。



だがテラー、お前はダメだ、なにしれっと参加しようとしてんだよ、あんたとは絶対にやらんぞ、怖いから。



「今手ぇあげた奴ら!全員覚えたからな!後悔してももう遅い!今からの辞退は許さん!覚悟しろ!大丈夫だ、回復ならしてやる、あとテラー、あんたには人形を渡すから参戦しないで回復役になってくれないか?」

「あらぁ、それもそうねぇ、いいわよぉ〜」



あぶねぇ、取り敢えずラスボスとの戦闘は回避できたな。



レンの叫びを聞いて、手を上げたティル以外の全員の顔が青くなり始めた。



「い、いや私、やっぱり少しお腹が…」

『それでは!第1回戦です!』



無慈悲にも最初のゴングが鳴らされてしまう、その時…



ゴゴゴゴゴ…



突如、地面が微かに揺れだした。



「レンちゃん、なんか地面揺れてない?」

「地震か?」

「確かに揺れてるな、まさか…」



ざわざわ…



おいおい、確かにどんなタイミングかは聞いてなかったけど、ここで世界振動がくるのかよ…

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