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神の庭園〜箱庭管理人〜 テンプレ破壊の復讐神、異世界へ降臨す。  作者: coz
第六章【武器作りと修行】〜そして年越しへ〜
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116話 ござる印の…

俺は異世界やファンタジー物のラノベ小説で、嫌いなテンプレがいくつかある!その中でも中位くらいに入るものが、とにかく人型にしておけ問題だ!


テイムしたモンスター、ドラゴンなんかはほぼデフォルトと言ってもいいほど人型になる、それも女性率がかなり高い…どうなってんだと俺は言いたい!


分かってる、分かってるんだ、どうせ今日仲間にしたフェンとライトもそのうち人型になるんだろ?しかもないすばでーな女型に、ま、まあ?本人たちがなりたいと言うのなら?許可してやらんでもないがなっ!



素直になれないレン、実はこのテンプレは嫌いじゃなかった、しかし飽きが来ていたのも事実、なので中位なのだ。



―――――



東国へ戻り、キルミへオークションの事を頼んで、ラルファの元へ、赤黒い大きな魔核を渡して大興奮だった。


サリーに挨拶をしてレクステッドに戻ったレンだったが、予定より早かったため、3人ともダンジョンで鍛えているのか、レイカの部屋には人影がなく、自室に戻って自分の手に話し掛けていた。



「フェン、ライト、聞こえるか?」

『聞こえるよ〜』

『主様、どうかしたのか?』

「お前達は、姿を変えたり出来るのか?」

『うむ、出来るな』

『基本は魔力だからね〜頑張ればできるよ〜』

「そうか…出来るのか…」

『どうしたの?変えてほしいの〜?』

『主様には従うぞ、どんな姿にもなってやろう』

「う〜ん、フェンは執事みたいなイケおじになって欲しいな、ライトはそのままスライムで、俺が抱けるくらいになって欲しい」



少しだけ女性の姿を想像したが、必死に煩悩を振り払い、どうせそのうち人型になるのならすぐにやってしまえと、本来の理想通りに要求した。



『いいだろう、執事だな?少し待っていてくれ』

『僕は小さくなるだけだから簡単だね〜、でも大丈夫かなぁ』

「なんでだ?」

『魔子…魔物だっけ〜、魔物の体は魔力の塊なんだよ〜?小さくしたら圧縮されて、それなりの存在感になっちゃうけど〜、大丈夫〜?』

「そうなのか…一度小さくなってみて、出てきてくれないか?」

『うんいいよ〜♪むぅ〜…』



ポンッ



『主様、やっほ〜♪』

「お、おおお…俺のライトちゃん!」



スリスリスリスリ…



『あはははは、くすぐったいよ〜、主様は大丈夫そうだね〜、さすが〜』

「そうですね、ご主人様なら大丈夫ですね、流石でございます」

「おお!フェンか!?すげぇイケおじだな!強者感が凄いぞ、口が人のものになったからか声も出せるのか」



白髮のオールバック、執事服をビシッと着こなし、背筋も真っ直ぐ、振る舞いから口調まで完璧に執事だった。



「ふふ、ご主人様の記憶から最善を選択いたしました故」

「そういえばその記憶ってなんなの?」

「私の技能でそういう能力がございまして、ご主人様の記憶にアクセスして、自分の脳内で共有することが出来るのです、ご主人様が忘れてしまった記憶を探す事もできますので、なんなりとご活用下さいませ」

「凄い能力だな、まさに神の使いにふさわしい能力だ」

「ふふふ、いずれは神になられるお方、私も初めてその記憶を見た時は、ヘスティア様に天罰を下されそうになりました…ニコニコはしてましたけど、目が笑ってませんでした、あれは怖かった…」

「触らぬ神に祟りなしだな、記憶を読むのは構わない、上位神ではないみたいだけど絶対に可愛がられてるぞ、本人もそれなりに位の高い神みたいだから、その辺には十分気をつけてくれ、俺以外には全く興味を示さない女神様だ、下手すればこの世界が無くなっても何も感じない存在だからな」

「かしこまりました」



さすがはティアだな、その辺の有象無象では敵わないか、おお怖い怖い。



トレーニングの時の、有無を言わさぬ笑顔を思い出し、背筋に寒気を感じて身震いするレンであった。


その後しばらくライトをスリスリして堪能していると…



ん?帰ってきたな、武器を頼んだ報告と、こいつらの紹介をするか。



「次の友人達を紹介するから、そうだな…ライトはこのままの大きさで、フェンも狼の姿で俺くらいまで小さくなってくれ、次は普通に出てきてくれな、驚かせなくていいから」

『は〜い♪』

「承知しました」



―――



「レイカおかえり」

「あ、レン、早かったね♪」

「カリンとセイトはまだ鍛錬中か?」

「うん、熱心だよねぇ」

「お前もな、もう夕方だろう、俺なんか数時間前に帰ってきてたからな」

「そうなんだね、私は物作りもしたいし、夕食の準備もあるしね」

「そうだったな、ごめんな、大変だろうに」

「私の中ではごはんも物作りなんだよ、逆に疲れが取れるね」

「レイカもなかなかに変態だな」

「褒め言葉ととっておきましょう、ふふふ♪」



本当に変わったなこいつは、いや、出会った頃がおかしかったのか、2体を紹介するのは夕食の時にするか。



「ちょっとレイカに、深層第3区の事で相談があるんだが、あ、あとこれな、はい」

「ふぉぉぉ!!何なのでござるかこの大きさ!?以前の倍はあるのでござる〜!」

「ちょっと第3区で感情が暴走してな、貯蓄を能力に全部振っちゃったんだよ」

「そうなの?」

「それで魔力が6万になったから、まぁ単純に倍だな」

「凄いでござるぅ!凄いでござるぅ!金剛の〜♪レン鉱山はザックザク〜♪」

「おい、変な曲を作るな、あといくつか作ってあるのに、渡さんぞ?」

「レン様、何卒ご容赦を、少しはしゃいでしまっただけなので…ござる」



急に真剣な顔になり、床に片膝をつき許しを請うてきた。



「凄い切り替えの速さだな、ほら、残りだ」



ポイッポイッポイッ



3個の巨大金剛魔鉱石を投げて渡す、レイカは器用にキャッチ、そのまま部品倉庫にしまい込み…



「む、むっふふ、ふひひ…」



スタスタ…ガラララ、パタン…



レンに見つめられているのではしゃげないレイカ、それでも我慢できず、思わず気持ち悪い笑みをこぼしながら、製作部屋に入っていった。



怖いなぁ、もうどっちが本当のレイカなのか分からんくなってきたぞ、まぁどっちも嫌いじゃないけど。



自身が元々陰キャだったこともあり、相手が陰キャでも許容範囲のレン、実はこれ以上無いほど相性の良い、お似合いカップルだったのだ。



色々な事をこたつに入りながらぼーっと考えていると…



ガラララ…



「お?レン1人か?レイカは…夕食でも作ってるのか?」

「よう、カリンおかえり、レイカは…金剛を渡したら先祖返りしちまってな、キモい笑いをこぼしながらそっちの部屋に入っていったよ」

「そ、そうか、それはなんとも言えんな」

「セイトはどうしたんだ?」

「ああ、あいつは北国に行ってるよ、今日は帰ってこないかもな」

「そうか、まぁお互いのする事に干渉するほど子供じゃないしな、好きにさせとけばいいさ、時間はあるんだ、カリンも趣味でも見つけたらどうだ?」

「そのために少し早く帰ってきたんだよ、レイカと一緒に夕飯の支度をしようと思ったのに」

「俺と一緒に何か作ってみるか?一人暮らしだったからな、それなりに料理はできるぞ?レイカのあの調子じゃ、なかなか来ないと思うぞ」

「そうだな、一度キッチンに行ってみるか」

「おう、じゃあ共同作業といこうか」



レンもこたつから這い出して、カリンと共にキッチに向かう。



「おお、The日本のキッチン、だな!」

「うむ、さてどうしようか、まぁ私も実は料理は苦手じゃないからな、親父と弟を面倒見てたしな、ただ簡単な料理ばかりだったから少しレパートリーが少ないんだ」

「そういえばそうだったな、さてさて冷蔵庫の中身はどうかな?」

「凄いな、家電がほとんど揃っている、電子レンジやガスコンロっぽいのまで、見た感じ使い方もそのままだな」



バコッ…



「おお!充実してんなぁ、よく分からんが色んな食材がぎっしりだ」

「問題は調味料だが…これは?ちゃんと書いてあるぞ!?」

「ござる印のマヨネーズ、ケチャップ、ソース…醤油とかは?」

「醤油は普通冷蔵庫にはしまわないだろ」

「あ、そうか、じゃあコンロの下の棚か?」



ガララ…



「あったよ…さしすせそ、全部揃ってる、全部ござる印かよ、こだわりの癖がすごいな」

「そうだな、でもほぼ問題ないレベルだ、だいたいの料理は作れるぞ」

「じゃあ適当な肉を照り焼きにでもするか、醤油とみりんしか使わないから楽なんだよな」

「レンは照り焼きに砂糖は使わないのか?」

「使わないぞ?普通は使うのか?」

「ああ、家では使ってたが」

「使わなくてもそれなりに甘みが出るからな、必要性は感じないな」

「そうなのか、色々試しておけば良かったな、今日はそれでいこうか」

「ごはんは…あった、炊飯器だ」



パカッ



「炊けてるな、よしっ、焼くか!」

「うむ!」



冷蔵庫から適当な肉を選び、一応レイカの分も焼いていく。



「ふふ、レンと料理をするなんて、変な感じだな」

「そうか?俺はもうカリンが隣にいるのが普通だからな、そんなに違和感ないぞ」

「おい、レンはそうやって…からかうな」

「からかってねぇよ」

「え、そうか、ありがとう」

「どういたしまして、よし!こんなもんだろう、あ、お皿…」

「あたしが探そう」

「よろしく〜」



フライパンをコンロからあげ、焦げないようにしながらお皿を待つ。



う〜ん、違和感ないなんて、つい照れくさくて嘘ついたが、違和感しかないに決まってんだろうが、全くなんなんだよ最近の幸せ時間は、世界が滅ぶ前兆か?



鼻歌を歌いながらお皿を探すカリンを見つめ、物騒な事を考えるレンであった。



―――



「ごめんなさい!」



目の前でレイカが土下座をしている、それを見つめるレンとカリン、手にはお肉の乗った皿とご飯。



「相変わらず見事な土下座だな、レイカ、顔を上げろ、夕飯の支度くらいでなに真剣になってんだよ」

「そうだぞ、ごめんね〜、くらいが丁度いいんだ」

「うん、ありがとう、少しハッスルし過ぎちゃって、ごめんね」

「いいさ、口に合うかは分からんが、簡単に照り焼きを作ったから食べてくれ、不味かったら残しても構わんからな」



3人で食事の準備をして食べ始める。



「「「いただきます!」」」



カチャカチャ…



「うん、いける、悪くない」



そうそう、こういうのでいいんだよ、異世界物といえば料理!みたいな流れは嫌いなんだ、手の込んだ料理の描写とか、いらね〜、って思う派の人間だからな、そもそもそんなに料理出来るわけないだろ、俺には無理だ、むしろ1週間これを食い続けて、読者を辟易とさせてみせる自信があるぜ。



「うむ、普通に旨い!」

「うんうん、優しい味、お砂糖を入れないタイプの照り焼きだね〜、私もこっちのほうが好きだな〜」

「さすがレイカだな、分かるのか」

「うん、わかるよ〜」

「私は砂糖入りしか食べたことなかったが、ほんとに少し甘みが出るものなのだな、勉強になった」

「ござる印の調味料が良かったんじゃないか?」

「やめて!私の黒歴史を掘り返さないで!」

「「はははは♪」」



楽しい夕食も終わり…



「では早速だが、カリンはダンジョン、どうだった?」

「職業が変わったからな、名称からして複数相手に有効だと思って、少し弱い敵複数を相手に試して、徐々に強さを上げていく予定だ、まだ少し体に違和感があるから、明日も強さは継続で頼む」

「オッケー、無理は禁物だからね」

「レイカは?」

「剣はそこそこ扱えるんだけどね、体術がからっきしだから、そのあたりを鍛えるために、背格好が同じくらいの敵を作って訓練中だね、私も違和感が凄いよ、魔力に関しては、特に違和感は感じないね〜」

「レンはどうだったんだ?」

「俺は、まぁ色々あった、ありすぎて疲れたから早く帰ってきたんだよ」

「へぇ、レンが疲れるくらいじゃ凄かったんだね」

「ああ、まず第2区には土属性の魔物はいなかった、北に関してはな、他は分からん」

「じゃあ3区に行ったのか?」

「ああ、まず景色がガラッと変わった、この南の深層を土と岩に変えたような荒れた大地だった、敵も全てデビル・ディアーより強い…お前達を連れて行かなくて本当に良かったと感じたよ」

「地獄だな」

「ああ、地獄だった、まぁ俺は余裕だったけど」

「魔力に振ったって言ってたけど、もしかしてほかの能力にも振っちゃった?」

「振った…それも全部」

「うへぇ、やっぱり地獄じゃん」

「それには訳があって、土属性の魔物を見つけて倒したのはいいんだが、倒した瞬間に死角から攻撃してきた魔物がいてな、苦労して作った黒霧の龍を破壊されたんだよ」

「うむ、かなり強い攻撃だったんだな」

「ああ、強かった…と、思う…」

「思う?」

「俺、キレちゃったんだよ、黒霧ごときを破壊されただけで」

「そう、か…恐ろしいな」

「レンがキレるとか、よく世界が壊れなかったね」

「そこまで馬鹿じゃねぇよ、でも、我を忘れてな、その時に無意識で能力を振っちゃったんだよ」

「怖いね〜、レンの精神は10万だよね?」

「いや、貸与で下がってるからな、それでも8万だが…」

「8万でも暴走するのか、あたし達は足も踏み入れられんぞ」

「いや、俺的には世界か、もしくは神が干渉してきてるような気がするんだよ、神だったらどうしようもないんだけど、世界からの干渉だったら、レイカならどうにかできないかなと相談したかったんだ」

「なるほどねぇ、精神に干渉かぁ、一応洗脳を妨害するような能力を付与することはできるんだよ、精神強化の技能を手に入れてから覚えたんだけどね、何かにマックスで付与してみようか?」

「単純に精神を強化する作戦か、単純だが有効かもな、それしかないか…」

「ごめんね、さすがにスケールが大きすぎて、予測もできないよ」

「いいよ、ありがとう、残り9日、出来るだけ金剛を作るから、有効に使ってくれ」

「ふ、ふひ…う、うん!分かったよ」



我慢したな、偉いぞレイカ。



「さて、これからが本題だ…」

「まだ何かあるのか?」

「聞くのが怖いね〜」

「実は…仲間が増えてしまった」

「仲間?」

「ああ、魔物だ…」

「…普通の魔物、ではないのだろうな…」

「どんなの!?どんな魔物なの!?」

「食いつきが凄い…ちょっと離れて、怖いから」

「うん!早く早く!見せて!」

「あいよ、お前達…いいぞ」



ポンッ!ポンッ!



「ワフッ!」

『初めまして〜♪』





どうかな?



「「か、可愛い!」」



ガシッ!ガシッ!



カリンはライトを抱え込み、レイカはフェンに飛び掛かった、そしてスリスリワシャワシャし始めた。



『はははは♪この2人の人間さんも凄いね〜、僕たちの魔力を浴びても大丈夫なんて〜』

『う、うむ、うお、お、お、お…人の子よ、耳の付け根辺りを頼む』

「よしきた!」

「スライムちゃんは?」

『僕は全身どこでもいいよ〜』

「可愛いでござる〜♪」



女の子は可愛いに弱いな、まぁ俺もスライムにだけは弱いけど。



気が済むまでしばらく堪能して…



『ワフッ、わ、我はフェン、このお方の戦う姿に感銘を受け、仕えさせてもらうことになった、宜しく頼む』

『僕はホワイトスライムのライトって言うの〜、よろしくね〜♪』

「仕えるとか言ってるけど、実はテイムもしていない、ただ付いてきただけだ、人間と同じだと思ってくれ」

「2人とも、宜しくな、あたしはカリンと言う」

「私はレイカだよ〜、よろしくね♪」

『カリンにレイカね〜、よろしく〜』

『宜しく頼む』

「ちなみに第3区の魔物だ、正式には魔子と言うらしい、魔力の子供で魔子だ」

「へぇ、新発見だね!存在理由を考えれば確かに理にかなってるね」

『魔物で構わん』

『うんうん♪なんでもいいよ〜』

「自己紹介も済んだし、取り敢えず今日はもう寝ようぜ」

「そうだね」

「うむ、また明日も鍛錬に励むとしよう」

『おやすみ〜』

『主様、皆様方、また明日なのじゃ、おやすみ』



2体は指輪の中へ、そして3人はそれぞれの部屋へ行き、お風呂で汗を流して眠りについた、セイトの事も忘れて。

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