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神の庭園〜箱庭管理人〜 テンプレ破壊の復讐神、異世界へ降臨す。  作者: coz
第六章【武器作りと修行】〜そして年越しへ〜
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115話 サリー、世界の秘密を知る

「ははは、なるほどなぁ、3区の魔物ともなると、そんなにアクティブには動かないのかぁ」

『うん♪3区?っていうのはよく分からないけどね〜、とにかく僕たちはただの魔力の塊だから、たまに2区?に行って魔力を補給してくるだけだよ〜』



すぐに打ち解け、仲良くおしゃべりをするサリーと2体の魔物。



「なんでレンに付いて行こうと思ったんだ?」

『う〜ん、飽きたから?』

「飽きた?」

『なんでだろ〜、フェン〜、分かる〜?』

『うむ、魔力を補給し、魔脈に魔力を流す毎日、それを、人間の言う所の数百年と続けているのだ、感情が芽生えた今、飽きるに決まっておる、主様と一緒なら付いていくだけで良質な魔力を集められるしな』

「神様曰く、感情や性格ってのは魔力から作られるらしいんだよな、もちろん人間も例外じゃない、しかし魔物と人間は生まれてきた理由、運命が違うんだ」

「どういう違いなんだ?」

「魔物はこの世界が魔力を集めるために生み出した生き物なんだよ」

「魔力を集めるためは初耳だが、世界が生み出してるのはなんとなく分かる」

「普通の世界は魔力を生み出し生き物に分け与える、そして消費した魔力は上、つまりは空のほうへ流れ、各神様の管理する世界へ行き着く、そこで新たな生命の核となって全世界にばら撒かれるんだ、この世界は逆、世界は魔力を生み出さず、我々生き物が生み出している、つまり人間やその他の動物は魔力製造機だな、そして魔物はそれを狩る世界の義体化した何かだ」

「頭が…パンクしそうだ、じゃあ何か?私達が魔物を狩るのは運命に逆らっているというのか?」

「そうでもない、世界にとってそれも想定内だ、魔物を狩れば人は強くなる、実はこれが魔力を集める上でもっとも効率がいい、魔物はそんなに町まで来ないだろ?」

「ああ、数年に一度だな」

「そうだ、感情がないから、目の前の敵しか襲わないんだよ、ここからは俺の推測だが、同じ種族は同じ魔力が分裂したもの、だから襲い合わないし、数体だろうが数百体だろうが、実は1体っていうカウントなんだと思ってる、溢れの時いっぱい魔物が迫ってくる時があるんだろ?実は1体、もしくは数体だったりすんじゃないか?」

「もう意味が分からなくなってきた…」

「俺はわざと感情を無くさせて、人を狩りすぎないようにしていると踏んでいる」

「その心は?」

「人間が強くなれば当然魔物は減る」

「そうだな」

「魔物が減れば人は強くなれない」

「うむ」

「人が死ねば魔力が魔脈に流され、世界と魔物が強化される、世界振動の事だな」

「あれか、あと4か月だな」

「強くなれない人間、強化された魔物、結果は?」

「次は人間が減り始めるな」

「そうだ、人間が減る、イコール世界の為に魔力を作り出す製造機の減少、次は魔物が弱体化する番、そして弱くなった魔物を倒して人間が強くなる」

「そういうサイクルになっていたのか」

「まぁ、もっと複雑だとは思うけど、それはさておき、魔力から感情が作られる、数百年も魔力から作られた生き物をやっているんだ、こいつらだって感情が芽生えてもおかしい話じゃないと思うんだよな」

「なるほどなぁ、世界にも自我みたいのがあるのかもな、思い通りにならなくて自棄にならなければいいが」

「さすがにそうなったら諦めようぜ」

「もちろん魔物を倒せば、魔力は世界に返還されるんだよな?」

「ああそうだな」 

「来年…ヤバくないか?」

「う、うん…それは俺も反省している所だ、振動の事を知ったのは最近なんだよ」

「はぁ、しょうがない、腹くくるか!」

「まぁ、出来るだけ自分で責任取るよ」

「バカ言え、こんなに世話になってるのに、協力くらいはさせろ」

『人間っていいね〜♪僕好き〜♪』

『我もだ、あの辺りの奴らのギスギスした感情といったら、大赤子なんて生き物殺したくてうずうずしてたからな、今日は初めて恐怖という感情を知ったみたいだがな、相手が悪かったな』

「まぁ魔物にもいろんな奴がいるって事だな、人間と変わらんじゃないか」

「言えてるな」

『そうだ、我とて生き物、死ぬのは嫌だ』

『僕もヤダ〜』

「あの時はその辺りのドロドロした感情に巻き込まれたのかもな」

「何かあったのか?」

「大赤子、見ただろ?」

「確かに、レンらしさを感じない遺体だったな」

「急激に感情が高ぶったんだよ」

「お前の精神力でか?ヤバいなそれは」

「ああ、確実にヤバいぞ、少しレイカと相談して有効な魔導具を作れないか相談してみるよ」

「そうしろ、お前にこの世界を破壊されては敵わん」

「ははは、気を付けるよ」



そうこう話しているうちに解体も終わり…



「レンさん終わったぞ…」

「疲れてるな、ご苦労さん」

「構わん、仕事だからな、それで素材はどうする?」

「買い取れる余裕があるなら売るけど、魔核以外だな、それは全部使う予定なんだ」

「お前とレイカの小剣、カリンとレイカのガントレット、全部で4個じゃないのか?」

「サリー、お前も武器を作るんだろ?どうせ頑丈なやつを作るなら必要になるぞ?」

「いいのか?自分で探そうと思っていたが…」

「受け取れ、強くなってさっさとルードを倒せ、俺に楽をさせろ」

「分かった、すまんな、キルミ、買い取り余裕は?」

「あるぞ、ゴブリンのおかげで着々と資金が集まっている、新しい装備のおかげで各組合も開拓者の死亡率減、討伐数アップで潤ってきてるしな」

「レン効果が凄まじいな」

「これを俺が売ればさらに潤うかな?」

「どうだろうな、ゴブリンと違って桁が違うからな、なかなか手が出せないだろう、オークションにするか?」

「そうだな、今回はそんなに金には困ってないから急いでない、それも面白そうだ、その代わり中央へは絶対に回すな」

「おう、分かってら!」

「その前に一回素材を見せてくれ」

「好きに見てくれ」



足、皮、目玉、牙、内臓、糸袋、毒袋、魔核



「う〜ん、魔核と糸袋はもらおう、あとは全部オークションだ」

「そんなにいいのか?」

「多いのか?」

「ああ、もう少しは素材として持って帰ると思ってたんだよ、これは確実に大騒ぎになるな、烈王様に討伐者の名を名乗ってもらうか」

「ああいいぞ、今更だしな、これ系の噂はルードに効くだろうし」

「そうだな、いきなり頭下げてくるかも知れんぞ?」

「そん時は足置きにしてやるよ」

『誰〜?』

「髭もじゃの人間だよ」

『お髭…?』

『髭か…主様』

「ん?」

『何年前かは忘れたが、我は主様以外にも人間に会っておる、名前も忘れたが、髭は覚えておる、白い髭だ』

「なんだと?」

『僕も〜、遠くにいたのを見たことあるよ〜』



まさか、大赤子…デビル個体だったのでは?



「大赤子に何かしてなかったか?」

『そこまでは分からないな、他の魔物には興味ないのが我々の特徴でもあるからな、確かにあの辺で大赤子だけ異様に殺気が強かったがの』

「目がバッキバキだったもんな、そうか〜、鼻くそめ、3区にも足運んでんのか、まだまだ要注意だな」

『人間は食べたらダメなんだね〜、気をつけよ〜』

「ははは、そうだな、食べていいときだけは言うから、その時は遠慮しないで食べろ」

『うん♪分かった〜、でも主様の魔力でお腹いっぱいだから大丈夫だよ〜』

「おいレン、滅多なことを言うな」

『まぁ、我々はそんなに他者を襲ったりはせん、攻撃されなければだがな』

「そうだよな、俺も同じだ」

「お前は自分を攻撃するように仕向けるきらいがあるからな、信用ならん」

「ひどい言われようだ、まぁ合ってるけど、解体も終わったし、戻ろうか」

「そうだな、シグ、キルミ、片付けは?」

「大丈夫だ、終わっている」

「おう、こっちも大丈夫だぜ!」

「じゃあ帰ろう」



魔物2体を指輪に戻し、餌になる魔力を補充、来たときと同じように瞬光で東国に戻っていった。

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