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神の庭園〜箱庭管理人〜 テンプレ破壊の復讐神、異世界へ降臨す。  作者: coz
第五章【南国】〜紫水姉弟強化の旅〜
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106話 謎の花

レン達4人は時計を渡しにカインド村へやってきていた。



「へぇ、これが偽装中のレンなんだね、なんか作り物みたい」

「本当だな、改めて自分で見ても違和感が半端じゃない」

「でもいい男だよねぇ、初めて見た時は少し嫉妬したもん」

「まぁその後ボコボコにされたけどな」



ちょくちょくその話題を出すよな、もしかしてカリン、根に持ってない?



「別に見ても楽しくないだろ、村長の所に行くぞ、この間も来たばかりだし、さっと挨拶してさっと次にいくぞ」

「うん♪楽しみだよ」



―――



「あっ!お兄さん!」

「ようティル、お手伝いか?」



村長宅に着くと、ティルが玄関先の花に水やりをしていた。



「ううん、この花はね、ティルが育ててるの!」

「そうか、綺麗な花だな、なんていう花なんだ?」

「うんとね〜、ダークパプリオって名前でね、今は白いけど綺麗な紫のお花になるの、もっともっと大きくなるんだって!昨日種を植えたんだ〜」

「へぇ〜…は?昨日?もう咲いてないか?」

「うん!凄いよね!スイムからもらったの!」

「う、うん、そうか…大切に育てるんだぞ」



おいスイム、ティルに何を渡した…そのうち動き出しそうだ。



「その人はだぁれ?」

「ん?あぁ、この人はレイカという、元勇者で今は南の王様だ」

「また王様連れてきた!お兄さんすごいね!さすが神様だ〜!」

「ふふふ、いろいろやらかしてるんだねレンは、こんにちは、私はレイカ、王様とかは気にしないで、ただのレイカだよ、よろしくね♪」

「うん♪よろしくお願いします!レイカお姉さん!」

「まぁ可愛い、すごいねこの子」

「だろ?いろいろと才能の塊なんだよ、知能が上がったおかげか、なんだか喋りが流暢になったな、将来が楽しだ」

「おじいちゃん呼んでくる?」

「頼めるか?」

「は〜い」



タッタッタッ…



『おじーちゃーん!お兄さん来たよー!』

『おいティル、お兄さんってレンの事か?』

『あ、お母さん、そうだよ!おじいちゃんは?』

『今は出かけてるぞ、母ちゃんと一緒にサンドラさんの所だ、わたしが出るよ、まだ数日しか経ってないのにどうしたんだ?』



村長は出かけてるのか、まぁいい、フローラに人数分渡しておけばいいだろ。



「ようレン…なんだなんだ?えらいべっぴんさんを連れてきたじゃねぇか、寂しくて戻ってきたと思ったぞ」

「フローラもべっぴん具合は変わらんだろうが、こいつはレイカという、新しい仲間だ、仲良くしてくれ」

「よろしく〜、レイカっていいます♪すごく綺麗な方ですね!」

「やめろやめろ、わたしにはそういうのは似合わん」

「いや、そんな事ないぞフローラさん、背も高くてあたしも憧れる」



フローラの程よい膨らみのある胸を見つめながらそんな事を言うカリン。


悲しくなるからやめろカリン、お前はまだ伸びしろがある…はずだ、いや…地球で30歳だったからな、すまんカリン、いくらチートの俺でもそれは対応不可能だ。



「カリンまで、はぁなんか用事があるんだろ?とりあえず入れ、昼飯でも食っていけ、今日はティルとわたししかいなくて暇なんだよ」

「おお!もうそんな時間か、結構組合に長くいたんだな」

「じゃあいただこう」

「フローラさんのご飯美味しいから楽しみだな〜」

「セイトはレンと違って素直で可愛いな」

「おい、俺だってフローラのご飯は美味しいといつも感謝の祈りを捧げてるだろうが」

「お前はやり過ぎなんだよ、普通でいいんだ普通で」

「この人の事だったんだね、ご飯が美味しいってレンが言ってたよ」

「はぁ〜、あんまり期待すんなよ?」



―――――



「「「「うまぁ!」」」」

「そりゃそうだろ、ダークネス・オークカオスだぞ?まずいわけないだろ、ただ焼くだけでも美味いんだ、料理人泣かせの食材だな」

「なんで料理人泣かせなんだ?」

「それは…」

「ティル!このお肉は焼いただけが1番好き〜!」

「こういう事だ…」

「は、はは…まぁそんな落ち込むなよ、他の肉以外の料理も十分負けてない美味しさだよ」

「ありがとな」

「本当に美味しい…後でレシピ教えてくれない?」

「お?レイカも料理するのか?」

「うん♪結構得意な方だよ〜」

「そうか、話が合いそうだ」



気をつけろフローラ、こいつはただの料理好きじゃないぞ、多分料理してる所を見ただけで完璧に同じ料理を作るだろうよ、ある意味料理人泣かせだな。



「ふう、食ったぁ、さて…本題なんだが、レイカ」

「はいなっ!はいこれ♪」

「これは?」

「時計だな」

「これが?なんか変わった見た目だな」

「それを腕につけて少し待ってろ」



そう言うとレンは村長宅から出ていってしまった。



「お兄さんどうしたの?」

「ふふふ、ティルちゃんもそれつけて待っててね♪」



しばらく待っていると…



『フローラ〜、聞こえるか〜?』

「は?今、レンの声が…」

「その時計の左側のボタンを押しながら喋ってみて」

「お、おう…れ、レン?なのか?」

『おお、成功だな♪さすがレイカだ』

「すごい…レンは今どこにいるんだ?」

『う〜ん、深層第1区の岩山の中かな』

「遠っ!」

『はははは、うさぎと戯れてるよ』

「いいな〜!ティルもうさぎさんと遊びたい!」

「いや、時計よりも、この短時間でそこまで行ってるレンに驚くぞ、すこし…キモいな」

『おい!聞こえてるぞ!』

「まぁ聖堂を通ればすぐか…」

『いや…聖堂は通ってない…』

「ほら、やっぱりキモいじゃないか」

『ぐうぅ…そういう魔道具を作ってもらったの!試したかったんだよ!』

「レンちゃん、例のピアス?」

『そうだ、よく分かったなセイト、岩山の中だからすこし不安だったけど通り抜けたな、光の概念がねじ曲ったよ』

「異世界だからね〜」

『まぁそういうわけで、結構離れてても通話ができる魔道具だ、これで何かあったらいつでも連絡してくれな』

「結構どころじゃねぇだろ、本当にすごいな、レイカが作ったのか?」

「作ったというか、改造だね♪既存の時計を改造したんだよ〜、通信と通話機能付きなんだ〜」

「通話は分かったが…つうしんとは?」

「まぁそれはこれからいろいろ考えるところなんだよ、今は文字を送れるってだけかな」

「文字?」

「うん、右側のボタンを押しながら、送りたい人を思い浮かべて、う〜んとりあえずレンに一言何かを言ってみて」

「分かった…草食いのレン、とりあえず帰ってこい」



ピロン



「ただいま、おい、草食いはやめろ」

「うわっ、本当に壁をすり抜けて来た!すごいね〜」

「ああ、もう転移でいいだろこれ、凄すぎて頭の中ぐっちゃぐちゃになってきたな…」

「レンの知能でもぐちゃぐちゃなんだね」

「でも実際は早く動いてるだけなんだろ?頭の中はぐちゃぐちゃでも、よく体がぐちゃぐちゃにならないな」

「確かに…光の速さで移動してるのによくピタッと止まれるよな、まぁ光と魔法の混合特性なんだろう、よくわからん、完全に神の領域だな」

「まぁ、その魔道具の核となるものはレンが作ってるんだけどね、」

「あ、そうだった…」

「さすが草神様だな」

「おいフローラ、今日はやけにからかってくるじゃないか」

「ははは♪たまにはいいじゃないか、いつもやられっぱなしだからな、天罰だと思え」

「へぇへぇ、わ分かりましたよ、あと、とりあえず村長とテラー、セイス、リル、サンドラ、あとは…光の夫婦は一つでいいか、あと6個渡しておくから、それぞれ配っておいてくれ」



サンドは…いらんだろw



「ティルもこれもらっていいの!?」

「いいぞ〜、いつでも連絡してきていいからな」

「うん!わかった!ありがと〜♪」

「ふふふ、さてと…今日はもう行くよ」

「お兄さん!また来てね!」

「こんないいものを、本当にいつになったら恩返しができるんだか」

「違うぞフローラ、俺がお前達に恩返しをしてるんだよ、それに村人全員家族なんだろ?あんまりごちゃごちゃ考えるな」

「ははっ、お前らしいな、ありがたく受け取ろう、すまないな」

「おう、何かピンチの時は遠慮するなよ?さっきの技ですぐ来るから」

「ああ、心強いな、期待してるよ、じゃあ気を付けて行ってこい」

「おう、村長達によろしくな」

「じゃあまったね〜」

「お邪魔した」

「後で連絡するからレシピの件、よろしくね♪」

「わかったよ、レイカも何か教えろよ?」

「分かった♪じゃまたね」



最低限の用事を済ませると、さっさと出ていくレン達、珍しくティルが駄々をこねなかった。



なんか、それはそれで寂しいな、子供の成長は早いもんだ、そのうち…『まぁた来たよ、このおっさん暇なん?』とか思われるようになっちゃうんだろうか…



「ふふっ、背中が寂しそうだぞレン、慰めてやろうか?」

「お?カリン、懐かしいフレーズだな、じゃあ慰めてもらおうかな」

「あ、私も慰めてあげる♪」

「レンちゃん、ハーレム野郎だね♪」

「うるせぇ、お前の楽観視がたまに羨ましく感じるよ」

「僕の持ち味だからね〜、これだけは譲れないなぁ」



ははははは♪



仲良く喋りながら4人が次に目指すは烈王治める脳筋の国、東国。



サリーの驚く顔が楽しみだな…あ、フローラにレイカの正体言うの忘れてた、普通にレイカと呼びつけしてたし、あとで怒られるの確定だな、ふふふ…



怒られると分かっていても何故か嬉しそうなレン、そんなからかい合える人間関係の友人達ができた事に、ちょっぴり幸せを感じていたのであった。

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