102話 ステータス確認
レクステッド城に泊まって2日目の朝。
「ふわぁ、相変わらず寝心地最高だった、これなら本気でレイカとの将来を考えてもいいかもしれん、飯も美味いし」
着替えて部屋を出るとそこには…
「レイカ…」
顔を真っ赤にして硬直しているレイカがいた。
「あぁ〜…うん、さっきの聞こえちゃってた?」
「うん…」
「ははっ、もちろん本心だよ、俺も地球での仕事柄、物作りには精通してるし、そこそこ気が合うと思う、他にいい人がいなかったら考えておいてくれ」
「うん、分かった…でござる…」
「ご飯か?」
「う、うん、用意…出来てるよ」
「おお?ござるが消えたな」
「そろそろいいかなって、おかしくない?」
「おかしいわけないだろ、ござるのほうがおかしいだろ」
「それもそっか」
「あとはそのジャージだな、せめて新しい物に変えろ、あとTシャツのその文字、不法入国者って…面白いからけっこう好きだけど、俺にも不審者って文字で1枚作ってくれないか?」
「うん!いいよ♪ちょっと待ってて…はい!」
「早過ぎねぇ!?」
「ふふ、製造レベル10だからね」
「いや、あくまでも魔道具製造だろうが、それより、技能に付いてる数字はレベル、でいいのか?」
「う〜ん、分からない、けどなんでもいいんじゃない?レベルなんて付けずに、そのまま10だけでもいいしね」
「確かにそうだな、クラスとかレベルとか、無理に分ける必要なかったか」
「クラスだったら、むしろ職業の方だよね」
「確かに、全部レベルだもんな、セイトだけは違いそうだけど」
「ふふふ、忍者だから、段とか?」
「レイカ、あいつを普通の忍者だと思ってるな?」
「違うの?」
「あいつの職業は忍邪、よこしまと書いて邪と読む、忍邪なんだよ、よこしまな奴なんだ」
「へぇ〜、面白いね♪よこしまなんだぁ、へぇ〜、そっかぁ」
こいつ、セイトをいじる気だな?いいぞ、どんどんやれ。
「2人は起きてるのか?」
「カリンは起きてる、セイトはまだ寝てるよ」
「じゃあ、そのまま寝させとくか、昨日は少し無理させたからな」
「レンは優しいんだね」
「当たり前だ、俺は生まれつき優しいんだよ、これは冗談じゃなくマジ話で、遺伝みたいなもの、だから神候補に選ばれたんだ、実際に神様から言われたからな」
「鍛錬の時は少し鬼だけどね〜」
「それは俺の技能が悪さをしてるんだよ、朝飯の後にでも説明するよ」
「うん、楽しみにしておくよ♪」
なんかござるが無くなっただけで急に女子っぽさが増したな、これが本来のレイカなのか、喋りが少しティアっぽいな。
―――
「おはようカリン」
「おお、レンおはよう、今日は早かったな!」
「カリンも寝過ごさなかったんだな」
「弟はグッスリだがな」
「まぁいいさ、昨日は頑張ったんだ、疲れてるんだろ」
「はは、あたしも疲れてたが、あのベッドはヤバいな、疲れが吹き飛んだよ」
「俺もだ、思わずレイカに間接的プロポーズをしてしまったよ」
「レ、レン!そんないきなりバラすなんて!」
「おお!それはめでたいな!あたしと愛を誓ったのに酷い奴だ、はっはっはっ♪」
「え…レン、どういう事?」
「最初に説明しただろ、カリンも鼻くそに洗脳されてて〜、の下りで」
「そういえば言っていたかも…」
「まぁ、今のカリンだったら俺もやぶさかじゃないとは思ってるがな」
「ば、バカ!今言う事じゃ無いだろレン!レイカの気持ちを考えろ!」
「別に私は大丈夫だよ?好きならカリンもお嫁さんになっちゃえば?」
「え…」
「この世界は一夫多妻制か?」
「うん、その逆も有り、一妻多夫もOKだよ」
「お、おい、話を勝手に進めるな」
「え?だってカリンもレンの事絶対好きじゃん」
「そうなのか?」
「はぁ、なんなんだお前らは…そうだな、少し惹かれている、だが過去の事があって素直になれないんだ、あと、まだ洗脳が解けきってないのかもとか、考えたりもしてな」
「ははっ、考え過ぎだろ、洗脳は間違いなく解けてるよ」
「まぁ、分かった…その時が来たら娶ってくれ、あたしみたいなのは売れ残ると思うから」
「何を言ってるんだよ、そんな美人が言う言葉じゃ無いだろ、喜んて娶ってやるよ、俺は恋愛のドロドロが嫌いなんだ、悩むのも馬鹿らしい、どんな関係になろうとも、皆一緒に楽しく、いつも通り過ごせばいいだけの話だろ」
「は、はは、はははは♪凄いなレンは、まさに強者の特権だ、なんか吹っ切れたよ、ありがとうレイカ、レン」
「どういたしまして〜、私達お嫁さん仲間だね♪」
「おお、よろしくなっ!ところでその口調…」
「うん♪ござるは卒業でござるよ〜」
「出てる出てる、ござるが出ちゃってるよ」
「あ、しまった」
「感情が高ぶると出るんだな、それくらいならいいんじゃないか?それも個性だと思うぞ」
「あたしもいいと思う、可愛い個性じゃないか、ござるダンスもまた見たいしな」
「もう!あれは恥ずかしいからもうやらないよ!…多分」
ガラガラガラ…
「みんな〜、おはよ〜…ネムー…」
「起きたか、ご飯にしようか」
「うん、ごめんね待たせちゃって〜」
「いいよ、昨日一番成長したのはセイトだからな」
「ありがと〜、レンちゃ〜ん」
「おい、抱きつくな!涎が付くだろ!」
「レンちゃ〜ん」
「やめろ馬鹿!」
「セイト、落ち着いて座れ!」
「うん、分かったよ姉ちゃん」
「さすがは姉だな」
「命令が体に染み付いてるね」
「じゃあ食べて下さい」
「「「いただきます」」」
―――
「朝ごはんって感じで最高だったな、あの魚はなんなんだ?」
「あれはこの辺の川にいるトラウトだよ」
「マスなのか、油が乗ってて美味かったよ」
「一年中油乗りっぱなしの魚なんだぁ」
「ここには米もあるし最高だな」
「えへへ〜そうでしょ?」
「あれ?レイカちゃん、ござるは?」
「今日の朝ごはんに使ったよ」
「えぇ!そうなのでござるか!?」
「セイトのほうがござるが似合ってるぞ、なんせ忍邪なんだしな」
「だよね〜、少しよこしまだけど、ニンニン〜♪」
「うぅ、ずっとは無理だよぅ、なんだよ〜レイカちゃんまで〜」
「ははははっ、忍者コスプレなんかしてるからそうなるんだよ」
「反論できない…」
「さて、少し皆のステータスを確認して整理しようか」
「じゃあ1番弱い僕から〜、ステータス」
名前 紫水聖斗 21歳 Lv35
職業 忍邪 Lv5
体力 10000
筋力 7856
俊敏 11258
精神 9540
魔力 8482
魔体 6870
知能 2589
技術 7742
才能
闇 風 楽 土 避 察 精神耐性
技能
黒影 風操5 土操3 闇操7 楽観視8 感知2 身躱しの術3
精神強化
開拓者ランクS
「相変わらずの俊敏特化だなセイトは、このステータスで第2区の魔物を狩れるんだから大したもんだ、やっぱりステータスだけで強さは測れないな」
「避と察が増えたからね〜、攻撃が読みやすくなったよ♪あ、開拓者ランクがSになってる!やったね♪」
「お前、生えた才能は気配察知じゃなかったのかよ、まぁ同じか、表示がおかしいだけだよな、セイトだし…」
「またそうやってバカにし…」
「では、次はあたしだな、ステータス」
「姉ちゃん!?」
名前 紫水花梨 21歳 Lv41
職業 剣士 Lv7
体力 10000
筋力 10425
俊敏 8121
精神 10535
魔力 7563
魔体 9821
知能 5214
技術 9447
才能
魔法 剣術 体術 回避 精神耐性
技能
剣技6 拳技3 合気5 筋力強化7 気配察知8 ドッジング2
ファイアー ウォーター ウィンド
精神強化
開拓者ランクS
「おお?ドッジングが生えてるじゃないか、やったなカリン、あと拳技も生えたな」
「うむ、氷塊を避けに避けたからな、拳技は迷宮を攻略した時にな」
「へぇ、擬似魔物でも技能は生えるのか、ますますレイカの重要性が上がったな」
「そうなの?」
「だって魔物を狩りに行かなくても、技能を上げつつ生やしつつ、潜在能力を上げられるんだぞ?レベルも上がらないから効率よく鍛錬出来るぞ」
「そっかぁ、魔道具の新しい使い方だねっ♪」
「あの擬似魔物も魔道具枠なのかよ」
「実はそうなんだよ」
「さて、レイカは…特にステータス変わってないよな、俺もそんなに変わってないけどレイカには見せてないからな、一応見せとくよ、ステータス」
名前 神園蓮21歳
職業 ギャンブラー Lv3
貯蓄 160052
体力 10000
筋力 30000
俊敏 30000
精神 100000
魔力 30000
魔体 60000
知能 20000
技術 40000
所持金
K4,700,000(4百70万クリ)
S300,000,000(3億サリー)
B1,000,000,000(10億バレル)
貸与中[−B10,000,000]利息[+600,000]
才能
投資 努力 回避 武術 魔法 同化 直感
技能
貸与4 リスクリワード4 潜行5 ドッジング5 全察知5
想像魔法(創造・同化) リスクリターン 収納
剣術8 短剣術2 体術6 盾術2
称号
討伐者
[カオスゴブリン]
開拓者ランク SS+
SS+とか、どこまでSが続くんだよ…
「あ、貸与が上がってる、かなりこまめに貸与していたからな、利息の取得量とかは関係ないのか、これからもこまめに貸与したほうが良さそうだ」
「エグぅ…」
レイカが呆れた顔をして呟いた。
「だよね〜、僕も最初は魔王かと思ったよ」
「あたしは神かと思ったな」
「これが例の貯蓄なんだね、16万もある、まだこれだけ能力を上げられる余力があるってことなんでしょ?ヤバいわこれ」
「だよな、自分でもそう思うよ、そして才能の努力、これがついスパルタになってしまう原因なんだよ、どうやら他人を鍛える時も発動しているみたいでな」
「なるほどね〜、納得したよ」
「さて今日はどうする?もう行くか?」
「アクセサリーはどうするの?今作る?」
「あぁそれか、でもあの金剛魔鉱石、あれは魔力25000使うからなぁ、回復するのに1時間弱もかかるんだよなぁ」
「いやいやいや…考えが逆だよレン、1時間弱じゃなくて1時間弱でしょう、その時間で金剛魔鉱石を作れるって事でしょ?なら普通の魔鉱石はどれだけ出来るの?それってもう鉱山じゃん、レン鉱山じゃん、出来れば監禁したいんですけど?」
「監禁はやめてくれ、なら今日は魔道具作りに専念するか?どんな魔道具を作れるんだ?この際だ、1日中金剛魔鉱石作りしてやるよ」
「え!?ほんと!?やった〜♪どうするカリン、セイト、どんなのがいいでござるか?」
「落ち着け、ござるが出てるぞ、どんなのが作れるかを聞いて、話し合いながらだ」
「そ、そうだね、あ、あとはいこれ!」
コトッ…
透き通った紫色の液体が入っている瓶を、こたつの上に置くレイカ。
「なんだ?ぶどうジュースか?」
「違うよ〜、その名も魔水!私が作ったんだぁ♪」
「もしかして魔力回復か?」
「うん!ほぼ正解だねっ♪正しくは約1時間の間、魔力の回復力を高めてくれるよ、魔体強化だね♪」
「レイカ…凄すぎるぞお前、効果は?」
「色んな人で試したからね、一律1.5倍だよ」
「俺が使ったら魔体90000になるんだが?」
「そうなるね…ゴクリ」
「おい、研究者の顔になってるぞ、まぁ飲むけどさ」
「ホント!?じゃあさっそくいっちゃってちょうだい!」
「分かったよ、その前に」
コロン…
「本日1つ目の金剛魔鉱石だ、受け取れ」
「ふぉぉ…昨日のは夢じゃなかったでござる〜」
「当たり前だろ、昨日のもお前の部品倉庫に入ってるだろ」
「まぁそうなんだけどね、てへ♪」
「レイカは1日で本当に変わったな、あざと可愛いぞ」
「カリンこそ美人だよね、私は可愛いよりもっと美人になりたかったんだよ」
「そ、そんな事はない!あたしなんて男っぽくて…」
「性格と見た目は関係ないよ〜」
「そうだぞカリン、お前は美人さんだ、自覚しろ、セイトのようにナルシストになれ」
「えっ?僕!?飛び火したよ!僕はナルシストじゃないよレンちゃん!」
「そうだったか?すまん、お前もいい男だからな、毎晩寝る前に鏡でも眺めているのかと…」
「そう言えばこの街で時計を買った時、鏡も買っていたな…」
「姉ちゃん見てたの!?やめて、誤解しないで!鏡くらい買ってもいいじゃん!」
「ははははっ、まぁからかうのはこのくらいにして、早速飲むか………飲むぞ?」
「はよ飲めでござる」
レイカは物作りの事になると人が変わるなぁ、目が据わってるよ、あんまり見つめないでくれ…
ゴクッゴクッ…
「ぷはぁ…うまぁっ!」
「へっへぇ、私が作ったんだもん、美味しいに決まってるよ」
「そうかよ、ごちそうさん、これを1時間に1本飲んでいけばいいんだな?」
「うん!まだまだあるよ〜」
コトッコトッコトッコトッ…
「いやストップストップ!!どんだけ飲ませるつもりだよ!20本は出しただろ、1日中とは言っても夜は寝かせてくれ!」
「そう?本当に無理?でもこの20本はいけるよね?」
性格までティアっぽくなるのはやめて欲しいよ、はぁ、今日は飯抜きだな…
「分かったよ、飲むよ!飲めばいいんだろ氷王様!」
「やった〜♪」
今は…9時か、29時まで鉱石製造マンになればいいんだな…しょうがない強化の為だ、今日は1日筋トレだな、やるぞ!
余計な所で努力が発動してしまうレン、出来るだけ汗を流そうと、筋トレに励むことにしたのであった。




