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神の庭園〜箱庭管理人〜 テンプレ破壊の復讐神、異世界へ降臨す。  作者: coz
第五章【南国】〜紫水姉弟強化の旅〜
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100話 西の深層第2区

深層第2区にやって来た4人、目の前には底が見えないほどの高さの崖、大地に大きな亀裂が走っているのだ、その目の前に聖堂は建てられていた。



「やっぱりこの亀裂は2区だったか…」

「レンちゃん知ってたの?」

「まぁな、初めてこの西の深層に来た時、上空に行ったろ?その時に見えていたんだよ」

「どんだけ高く上がったのさ…」

「こここ、怖いでござる〜、なんなのでござるかこの穴は…」

「ふふふ…」



レイカがレンの腕にしがみついて怖がっている姿を見て、ニヤつくカリンであった。



「何をニヤついているでござるかカリン殿…もしや崖女?」

「いや崖女とは?違う、そんなにしがみついて、レイカも女の子だなって思ってな」

「あっ…あぁ!すみませぬレン殿!」

「ん?別にいいぞ、抱きつかれて気持ちよかったしな、約得だ、はははっ♪」

「レンちゃん、対応が大人だね〜」

「俺は正直に生きることにしたんだよ」

「や、約得?恥ずかしい…」

「恥ずかしがるなよ、お前は見た目だけは可愛いんだから、見た目だけはな、約得だろ」

「な、なんか、腑に落ちないでござる…」

「レン、少しは言い方を考えろ」

「善処するよ、なんせ正直さんだからな」

「はぁ、まぁいい、それで、この崖はどうするんだ?」



そう、相当大きい亀裂なのだ、左右を見ても端が見えない、そして崖の反対側も見えないほど大きいのだ、上から見てなかったらここが世界の端と言われても信じてしまうほどに。



「普通に飛んでいけばいいだろ」

「本当に亀裂なんだよな?」

「ああ間違いない、向こう岸はある」

「本当でござるか?信じられないでござる…」

「とりあえずレンちゃん号で飛んでいこうよ」

「また気持ち悪い事を言い出して、なんだよそのレンちゃん号って」

「石の箱〜♪」

「まぁ、それが無難だよな、あとレンちゃん号はやめろ」

「箱とは、シロの仕事みたいなものでござるか?」

「そうだ、じゃあ…ふん!」



ズモモモ…



地面から石で出来た箱が生えてきた、今回は4人なので少し大きめ、およそ5㎡ほどの広さで、椅子と手すり付きだ。



「おお、魔法の発動がスムーズでござる、この世界に来たばかりとは思えない速さでござるな、さすが拙者の黒竜を倒すだけはあるでござる」

「そうなのか?こんなもんじゃないか?あと、その黒竜とやらを倒したの俺じゃないから」

「え?ではお二方が?」

「うむ!」

「そうだよ〜」

「レベルはいくつでござる?」

「あたしは10だ」

「僕は8だね〜」

「…」



まぁそうなるよな…



「俺の技能で能力を貸し与えてたんだよ」

「なるほど、納得でござる」

「さすがに生みの親であるレイカは、黒竜を倒せるんだろ?」

「いや、そんな簡単に倒せないでござる、良くて互角、元勇者の拙者であるが、少なくとも今のレン殿の足元にも及ばないでござるよ」

「そうなのか…まぁ少しだけ自覚はあったが、実際に聞くと自信に確信が持てるからいいな、まぁだからといって慢心はしないけど、まだまだ鍛えるぞ」

「もうレン殿がこの世界の王でいいのではないでござろうか…」

「うむ、それはあたしも少し思ったことがある」

「僕も〜、早く鼻くそやっつけないとね〜」

「とりあえず行ってみよう、乗ってくれ」

「「「了解」」」



スーッと音も反動もなく静かに浮き上がり、空中を進む石の箱。



「ひょえ〜、こわぁ〜」

「さすがにこれは鳥肌が立つな」

「し、下が全然見えないでござるよ〜」

「本当にどうなってんだこの下は…少し行ってみるか?」

「「「え!?」」」

「なんだよみんなして…気にならないのか?」

「そりゃあ気になるけど…」

「と、とりあえずレベルを上げてからにしないか?」

「それもそうか…」

「「「…」」」



ホッとするレン以外の3人であった。



―――



「あ!向こう岸が見えてきた!」

「セイトは本当に目がいいな」

「忍邪だからね、いちおう斥候の上位互換って感じじゃない?そういう技能は無いけど、少し補正がかかってるみたいなんだよね〜」

「そうなのか…俺も視力を補正したいな、魔力でどうにかなるかな?」



まぁ、後で試してみよう…ん?



ヒュッ



スッ



「おっ?」



大きな白い何かが飛んできて、自動でドッジングが発動し、箱が横に移動した。



「なに今の!?」

「大きな氷塊が飛んできたでござる!」

「セイト!何か見えないか!」

「姉ちゃちょっと待ってて、むむ〜…あ、なんか氷が動いてる!巨人だよ!氷の巨人だ!」

「巨人ね…」



危ねえ、全察知とドッジングが無かったらぶつかってたぞ、さすがは第2区の魔物だな。



ヒュッヒュッヒュッ…



サッサッサッ…



「酔いそうだよ〜」

「凄い、目で追うのも難しい速度なのによく避けられるな」

「うぷ…吐きそうでござる…」

「回復、レイカもう少しだ、踏ん張れ」

「おお、楽になったでござる」



氷塊を避けながら進んでいくと…



「確かに巨人だな」

「巨人って言うよりゴーレムかな?」

「アイスゴーレムでござるな」

「2体いるな」

「ああ、あれは…小さいほうの1体が氷を作って、大きいやつが投げてるのか」

「効率がいいのか悪いのか分からんな」

「魔法として飛ばすより、ぶん投げたほうが威力があるって事なんじゃないか?」

「よし、あたしが迎撃してみよう」

「分かった、魔体を貸与だ」

「了解、ではカインド村で教わったあの魔法を試そう…」



カリンはそう言うと、手の平をゴーレムのほうへ向ける。



レンはカリンが態勢を崩さないように、足と腰を石で固定し、氷塊を避けながら石の箱をその場で待機させる。



「レン、ありがとう」

「いいよ、ぶっ放せ」

「ああ、行くぞ!」



手の平の前に火球が出現、腕から炎が噴出し、火球に燃料を加えていく。



ゴォォー…



「なんなのでござるかそのファイアーボールは…」

「皆熱くは無いか?」

「大丈夫だぞ、上手く制御出来てる、少し眩しいけど」

「うん、僕も大丈夫〜」



十数秒の会話の間に火球は黄色く光り出す。



「こんなものか…少し崖が崩れるかもな、では発射!」



ドッ!


…ドォーン!


ガラガラ…



超高速で飛び出した火球、一直線にゴーレムに向かっていき大爆発、崖を大きく削り、ゴーレムは跡形も無く消えていた。



「た〜まや〜♪」

「おお、派手に爆発したな、カリンは凄いよ、俺が初めて使った時より制御が上手いぞ」

「はぁ、はぁ…そう、なのか?まぁ、軽く練習はしたからな、でもこれだけ派手に放つのは初めでだが…これは癖になりそうだ、少しドキドキする」

「僕が実験台になったおかげだね!」

「2人も普通じゃなかったでござる…」

「カリン、レベル上がったんじゃないか?そのドキドキは体力が減ったせいだろ」

「確認してみよう…」





「…凄い」

「深層2区の魔物を2体倒したんだ、かなり上がったはずだ」

「うむ、倍以上になった、レベル27だ…」

「お前、よく倒れないでいられるな、体力は?」

「体力は約3000減っているな」

「無理はするな、少し休んでろ、回復」

「ありがとう、魔体は返しておく、次からは自分の力で倒してみよう」

「分かった、でも無理はするな、ここはレイカの作った迷宮じゃないからな」

「次は僕だね〜、出来れば1体ずつがいいけど〜」

「分かった、じゃあ探すぞ、リスクリワード…あれ?」

「どうしたの?」

「ソロのアイスゴーレムがヒットしないな、リスクリワード…あぁ、なるほど」

「いた?」

「いや、アイスゴーレムは2体がデフォらしい、ソロでいるやつはいない」

「そっかぁ、どうしよう、近接で勝てる自信無いな〜」

「大丈夫だ、地上だからって近接で戦う必要はない、このまま移動して、空から狙撃だな」

「そっか!その手があったね、よろしくレンちゃん!」

「任せろ、では行くぞ!」



ヒュー!



―――



「いた…」

「やはり目がいいなセイトは、ゴーレムより先に目視出来るとは」

「かなり集中してるけどね、ここからやってみるよ」

「ここからでござるか!?」

「うん♪出来るか分からないけどね」

「お手並み拝見だな」

「まっかせてよ〜、レンちゃん、魔力いっぱい使うから魔力と魔体お願いします!」

「オーケー、貸与」

「きたきたぁ!」



手の平を斜め上に向けて集中するセイト。



バリバリッ



電気のような音を立て、腕の周りを黒い筋が走り出した。



「行くよっ!黒霧版、黒雷!」



ズドォーン…



遠くに巨大な黒い雷が落ちた。



でた、また黒霧版かよ。



「きゃ〜!」



きゃ〜ってレイカお前、しっかり女子じゃないか。



女らしい声を上げ、頭を抱えてしゃがみ込むレイカだった。



「う、うぅ…胸が苦しぃ」

「回復、レベルが上がると何故か体力を回復させるだけじゃ駄目だから、お前も休んでおけ」

「ふぅ…うん、分かったよ、ありがとうレンちゃん」

「さて、最後はお前だ、レイカ」

「拙者もでござるか?」

「ああ、さすがにお前はレベル高いんだろ?」

「うん、拙者のレベルは47でござる、でもそこまでステータスは高くないでござるよ」

「そうは言ってもレイやマリーよりは高いだろ」

「恐らくは…しかし2区の魔物を倒せるほど強くないでござる」

「一回見せてくれるか?」

「了解でござる、ステータス」



名前 造麗華(つくりれいか)[氷王レイス] 18歳 Lv47


職業 魔法技師 LvMAX


体力 10000

筋力 11923[+5000]

俊敏 10723[+5000]

精神 11280

魔力 16720[+5000]

魔体 10469[+5000]

知能 14233

技術 21907[+5000]


才能

魔法 剣術 魔道具使い 魔道具作製・製作 精神耐性


技能

片手剣技7 魔道具強化10 魔力強化8 製造10

ライト ソイル ファイアー ファントム 

オープンニート 部品倉庫 精神強化


称号

支配者

[南の大地]



オープンニートって本当だったのかよ、しかしバランスがいい…いや、魔力特化か?称号で能力上がってるから比率が変わっているが、魔力と技術が突出してるな、でもレイとは称号での上がり幅が違う、なんでだ?まぁいい、後で確かめよう。



「さすが勇者、想像より強い…鼻くそが放っておかないはずだ」

「でも深層第1区の魔物で精一杯でござるよ、この世界の魔物は強すぎでござる」

「そうだな、これだとカオスゴブリン2体を相手にトントンだろう、称号込みだが、俺の初期のステータスと互角だな」

「初期…レン殿は化け物でござるな」

「それほどでもないさ、いくらステータスは高くても、想像力1つでどうなるか分からない、さっきの2人がいい例じゃないか」

「確かに、魔法の使い方が拙者の想像の範囲外でござった」

「レイカはその性格から、ラノベとかはよく呼んでただろ?」

「うん!好きで良く呼んでたよ!」

「おお…急にグイグイくるじゃないか…」



好きなジャンルの話が出来ると思い、急に距離を詰めてくるオタク女子のレイカ。



「拙者、地球にいた頃、将来物造りをするときは、ラノベ小説から何かネタをパクろうと思っていたのでござる!」

「まぁバレなきゃいいんじゃないか?」

「そしてこの世界…まさに夢の世界でござる!半分は鼻くそに邪魔されたでござるが…」

「まぁとにかくだ、小説を読んでいたなら魔法の想像も出来るだろ」

「魔法の…想像?」

「えぇ、そこで詰まるのかよ、あぁそうか、俺よりも2年早くこっちに来ていたんだったな、2年も経てば小説の流行りも変わるし、高校生だった訳だしな、そこまで読みふけってはいなかったのか」

「そうでござる、拙者が好きだった小説の主人公が、この喋り方なのでござるよ」

「そうか…」



ラノベと言っても異世界や魔法の小説だけじゃなく恋愛物とか色々あるからな、なるほど納得だ、まぁこいつの場合は恋愛ではないだろうがな。



「素晴らしい恋愛小説だったのでござる!」



恋愛かよ!その喋り方って…どんな主人公なんだよ!恋が成就しねぇよ!



「そ、そうか、だから魔法には詳しくないんだな、じゃあ、俺が今から教えてやる、カリンとセイトも何かあったら教えてやってくれ」

「うむ、分かった」

「了解だよ〜」

「ありがとうでござる」



深層第2区の上空で、突然魔法教室が開かれる運びとなった。

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