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神の庭園〜箱庭管理人〜 テンプレ破壊の復讐神、異世界へ降臨す。  作者: coz
第五章【南国】〜紫水姉弟強化の旅〜
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99話 レイカのお出掛け

準備を済ませてレイカが戻って来た。



「おお、これは…」

「レイカちゃん可愛い!」

「これは驚いた、こんなに印象が変わるものなのか」

「恥ずかしいでござる〜」



白のミディ丈のワンピース、裾の部分にうすい水色のグラデーションが入っている、白に綺麗な黒髪が映えていて、なんとも清楚な雰囲気を醸し出している、眼鏡も外していて、まるで別人だった。



思ったよりスタイルいいな、胸もけっこう、またカリンが横にいると余計に…カリン、頑張れ。



レンの視線に気付いたカリンが、レンを一瞬だけキッと睨み、その後普通にレイカへ質問をする。



「お嬢様だな、視力は大丈夫なのか?」

「あのメガネは、物の魔力を見るための道具、みたいなものなのでござるよ」

「そうなのか、それにしても…その喋りはどうにもならないのか?」

「カリン殿…拙者もやめたいのでござるが、どうにも気恥ずかしくて…」

「分かった、まぁ別に困る訳じゃないからな、もう少し仲良くなってからだな、時の経過に期待しよう」

「すまぬ、今しばらく待っていて欲しい」

「まぁ焦るなよ、まずは外に出る事だ、1つ1つやっていこう、無理だと思ったらいつでも言え、遠慮はするなよ?心が壊れてからじゃ遅いからな」

「う、うん…ありがとで、ござる…」



俺が話しかけた瞬間これか、乙女かよ…



「「…」」



レイカは俯いて恥ずかしそうにしている、レンはカリンと目が合い、2人とも苦笑い。  



「じゃあ行こうか」

「行こ〜!しゅっぱ〜つ!」

「あ、その前に…」



チリ〜ン



誰かを呼び出すのか?



しばらくして…



『氷王様、お呼びで』



扉の奥からザルドの声が聞こえてきた。



「ああ…ザルド!」

『はっ』

「拙者は、今からレン殿達と外に行く!」

『はっ、は?…い、今なんと!?』

「もう引きこもりはやめだ!外に出て民の顔を見に行くでござる!」

『ひょ、氷王、様…う、うぅ…やっとですか…』



泣いてるのか?



『レン様、そちらにいらっしゃいますか?』

「ああいるぞ、入ってきたらどうだ?」

『氷王様、よろしいですか?』

「うむ、許可するでござる」



ガラガラガラ…



「氷王…様?そのお姿は!?」

「ザルド、新生氷王の姿だ、良く見ておけ」

「レン様、貴方はとんでもないお方ですね、今まで20年、誰一人として氷王様を表に連れ出した人はいなかったと言うのに…」

「ふふっ、まぁ俺だからな」

「さすがでございます、どうか氷王様をよろしくお願いします」

「分かった、ザルド、お前も少しは変われよ?俺に手を出さなかったとはいえ、最初のは駄目だ、人は見た目だけじゃ、性格も実力も分からないから、もし俺が悪い奴だったら、お前は今頃生きていないと自覚しろ」

「はっ、ご忠告ありがたく!神明を賭して精進していきたいと存じます!」

「いや、そんな生き死にまで賭けなくてもいいから、ゆっくりな」

「はっ、では私はこれで…」



タッタッタッ…



相変わらずいい姿勢だ、それにしても硬い性格だな〜、デイルみたいだ。



「さて行くか」

「拙者が先に行くでござる」

「任せるよ」



ガラガラガラ…



「「「…」」」



扉を開けると、ヴァルフの後ろ姿が見えた。



また転移門もどきか…後でもっと話そう、転移を覚えるいい機会かもしれない。



「ヴァルフ、お仕事ご苦労でござる」

「ん?…え!?レ、レイス様!?あとレン様も…えぇなんで!?自分、何か粗相を!?やっぱり最初のアレが…死刑?死刑ですか!?あぁ…終わった、俺、終わった…ごめんよ母ちゃん…」



四つん這いになり、絶望に染まるヴァルフ、それを見たレンは少しだけからかいたくなった。



「ヴァルフ、いきなりで悪いな、じゃあ死んでもらおうか」

「どうかひと思いに〜!痛いのは嫌ですぅ…」

「…ぶっ、ふふふ」

「「「「ははははっ」」」」

「へっ?」



何処かで見た光景だな、カインド村でマリーとフキノにドッキリを仕掛けた時と同じ顔してるよ。



「嘘だよ、立てヴァルフ、殺すわけ無いだろ、少し氷王を借りてくぞ、王のいない間留守をしっかりな」

「え、えぇ…もう何がなんだか…」

「じゃあ行って来るでござる」

「は、はい!行ってらっしゃいませ!どうか、お気をつけて!」



―――



「レンさん、またお出掛けかい?」

「グレイスお疲れさん、ああ、ちょっと出掛けてくるよ」

「お?メンバーが増えてるな?またべっぴんさんじゃないか、羨ましいぜ〜」

「拙者はレイカと申す、門番のお仕事ご苦労様でござる」

「レイカさんね、分かった、気を付けてな、いい旅を!」

「じゃあ待たね〜!」

「行って来る」



10mほど進んだ所で、レンがニヤッと笑う。



「おいレン、本当にやるのか?」

「当たり前だ、生き甲斐みたいなもんだからな」

「まったく、とんだ生き甲斐だな」

「ははっ、この世界に来て俺が一番変わったかもな、まぁこれが本来の俺なんだが」



ぐるっと振り返り、グレイスのほうを見るレン。



「グレイス!」

「ん〜?なんだ〜っ?」

「こいつ、レイカなんだがな!氷王様だから!次来た時は言葉遣いに気を付けろよ!」

「あぁ、分かっ…はぁ!?えぇ!?」



そのまま向き直り、スタスタと歩いて行ってしまうレン達。



「お、おい!まっ、待ってくれ〜!」



ニヤニヤが止まらない4人、なんだかんだ言ってもカリンも楽しそうにしていた。



「ふふっ、ろくでもないが、確かに楽しいな、娯楽の少ない世界だから余計に」

「そうだろ?それに悪い事じゃ無いんだ、楽しく生きなきゃ損ってもんだ」

「拙者も、なんか楽しくなってきたでござる」

「レイカちゃんもノって来たね〜」



最後はあいつらだな、クフフ…



―――



「おぉ?氷王様じゃねぇですかい、珍しいなこんな所まで」

「うん…珍しい、どう、したの…?」



えぇ、どういう事?



「ぬふふ、今度はレン殿達が驚かされましたな?」

「やられたよ、どういう事なんだ?」

「シロは22年前に、拙者が亜人の村から助け出した、白虎の獣人なのでござる」

「「「えぇー!?」」」



本当にこっちが驚かされたよ!これは悔しいな、でも今はそれどころじゃない!獣人だよ獣人!なるほどなぁ、この前の頭撫でた時の違和感はそれかぁ。



「レイカ、お姉さん…それ、は言わない、約束…じゃ?」



今にも泣きそうなシロ。



「大丈夫でござるよ、この人達は拙者と同じ渡り人でござるからな」

「え…」

「なんだって!?」



今度はシロとタイラーが驚いていた。



「拙者の一人勝ちでござる!」

「レイカ、お前もなかなかやるな」

「ぬふふでござる〜♪」



くそっ、可愛いなこいつ…いやそれよりも今は虎さんだぜ!



「シロ!」

「レン…黙ってて、ごめ、んなさい…」

「いいよ!そんな事より!耳!見せて!」

「え…でも、気持ち、悪くない?」

「そんな訳あるか!頼む見せてくれ、そして触らせて欲しい!」



ゴキッ



「うっ…」



カリンにげんこつを食らった。



「馬鹿者、はしゃぎ過ぎだ、シロが怖がってるだろ」

「えぇ〜、だって獣人様だよ?そりゃはしゃぐだろ、なぁセイト!」

「え?いや別に僕はそうでもないかな〜?」

「なんで!?」



くそ、そういう系統のゲームはやってなかったって事か…こうなったら今知ってもらうしかないな…



「ふ〜ん、そうかそうか、じゃあお前らは見るだけな」

「ふん、構わん、さっさとしろ」

「そうだよ〜、シロちゃんを困らせちゃ駄目だからね」



ふん、そう言ってられるのも今のうちだけだぜ、このアホどもが。



「シロ、お願いだ、変なことはしないから、俺達の世界には獣人がいなかったんだ、一度お会いしたかったんです!」

「う、うん…レン、だったらいい、よ」

「ありがとう!」



シロは少し恥ずかしそうに、ゆっくりとフードを下ろす。



「お、おぉ…ケモ耳、ケモ耳様のお出ましだ…」



サワサワサワサワ…


モフモフモフモフ…



レイカも一緒にモフり出す。



「ふふ、くすぐったいよ、レン、レイカ」

「よいではないか、よいではないか〜」

「ふぅ、シロありがとう、満足したよ、しかしシロは何歳なんだ?」



ナデナデナデナデ…



「私は、まだ…子供、25歳…」

「25…俺達と変わらないじゃないか」



サワサワサワサワ…



「レン殿、この世界の獣人はとても長命なのでござるよ」

「なるほどね、だからこんなに小さいのか」



モフモフモフモフ…



「レン殿、あまり触り過ぎるとシロの頭がハゲるでござる、満足したならやめるでござるよ」

「いや、お前もモフモフ止まってないぞ」



モフモフモフモフ…



「この誘惑には勝てないでござるな…」

「禿同…」



サワサワモフモフ…



「ねぇ!レンちゃんとレイカちゃんだけずるい!」

「そ、そうだぞ!あたし達も…」

「あれぇ?セイト、お前は別にそんなでも無かったのでは?カリンもさっさとしろとかなんとか言ってなかったか?」



結局頭を下げた2人、その後はモフりタイムに突入した、シロは頬を赤らめ、目を細めて終始嬉しそうにしていた。



―――



「いやぁ、すまなかったなシロ」

「あたしもだ、こんなに獣人が可愛らしいとは思わなかった」

「心が疲れた時は触りに来るよ〜」



皆もすっかりモフリストだな。



「ありがとう、人間、にはいつも、気持ち、悪い言われる、でも、みんなは、違う」

「当たり前だ、俺達は味方だからな、嫌なことがあったら直ぐに言うんだぞ、そんな奴はとっちめてやるから!」

「分かった…」

「レン、ありがとうな、これでシロも少しは自身が付いただろう、この街にはシロを馬鹿にする奴なんかいないと言ってるのに、まだ人間が怖いみたいでな」

「タイラー、お前は本当にいいやつだな、見た目と違って…」

「おい、一言余計だ」

「じゃあそろそろ送ってくれるか?」

「あいよ!シロ、仕事だ!」

「うん!」



亜人の村で何があったのかは分からない、後でシロとレイカから話を聞いてみよう、亜人達の村にも行ってみたいしな。



運んでくれたシロにお礼を言って聖堂へ入っていき、今日の目的である深層第2区の転移門を潜っていく4人、本格的に紫水姉弟のレベル上げが始まる、そして、元勇者であるレイカの実力はいかに。

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