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プロローグ
見渡す限り緑一面の大地、はるか彼方に見えるのは地平線のみ…
果てしなく続く草原と空の青さ…そのコントラストが美しい…
吐く息は白く、少し肌寒い…だが空気が澄んでいて少し気持ちいい…
草はほんのりと結露し、陽に照らされキラキラと輝いている…
俺達は思い切り息を吸い込み…
すぅ〜…
「なんじゃこりゃぁあああ!」
「何ここやだぁ!」
「どうなっているんだ!?」
「何なの?ここどこ?」
「かみぞのさぁん(泣)」
「ふむ…」
6人の人間が、周りに何も無い草原の上で騒いでいた。
ちなみに最後の「ふむ」が、俺だ。
完璧に冷静を装ったキメ顔だが…
えっ?えぇ?どう言うこと?さっきまでみんなでご飯食べようと思って、カフェの近くにいたよね!?
この物語の主人公、神園蓮、この男は基本、あまり動揺するタイプではない、しかし、さすがにこれは許容範囲外だった。
皆に焦りを悟られたくない為、キリッとした顔をしながら、実は心の中でギャンギャン騒いでいた、顔には出さないが実はこの中で一番のチキン野郎である。
少し頭の中を整理するか…