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2023年5月放送投稿作品 フラワーラジオ ポストメリディアン火曜日 八巻和行の七転び八巻 妄想【愛の劇場】#82〜#86

掲載日:2024/01/08


 サクソフォン奏者八巻和行(やまきかずゆき)さんのラジオ番組

 こうのすFM フラワーラジオ

 フラワーラジオ ポストメリディアン火曜日(午後4時~午後6時)

   八巻和行の七転び八巻

 

 というラジオ番組の投稿コーナー

  妄想【愛の劇場】

 毎週パーソナリティ八巻さんから出題される【作品のテーマ】を小説風に書いた作品を投稿するコーナー。


 小説の書き方を知らないシロウトが投稿コーナーに参加。

 そのコーナーに投稿した作品をこちらに投稿しています。


 妄想【愛の劇場】のコーナーで、絶賛!妄想仲間を募集中!! 

 こんな感じで大丈夫なので、コーナー投稿に興味がある人がいてくれると嬉しいです! 

 《番組への参加方法》

 ①フラワーラジオが聴けるように、ListenRadio(リスラジ)のアプリをダウンロード

 フラワーラジオを選局して、お気に入り登録

 ②パーソナリティ八巻さんのX(旧Twitter)をフォロー

 ③毎週日曜日の夜に、八巻さんのX(旧Twitter)から【作品のテーマ】が発表

 ④八巻さんのX(旧Twitter)のダイレクトメールから投稿

 ※番組放送当日の火曜日午後6時頃までに投稿できれば、コーナーの時間に間に合います。

 ※何故か八巻さんが初見で読むルールのようなので、漢字には「ふりがな」をふって下さい。



 サイト投稿回数 第40回目の今回は………

 2023年5月放送分の5作品

 妄想【愛の劇場】#82 シワ

         #83 我が家

         #84 火傷

         #85 ドーナツ

         #86 つまみ 


 2023年5月2日放送

 #82 【 シワ 】


 あれから一ヶ月が経ちました。

 会社では仕事になんとか付いて行くのが精一杯ですが、毎日楽しく過ごしています。

 ひとり暮らしにはまだ慣れません。

 冷蔵庫はあの時にいっぱいにしてもらったけど、気が付いたらいつの間にか空っぽです。

 家事も未だに慣れません。

 洗濯物は洗濯機に入れたら何とかなりますが、洗い終わりのワイシャツのシワをアイロンがけするまでが、洗濯の仕事。

 あの頃、あなたが毎日のようにやってくれていました。

 学校の制服は、キレイなワイシャツと、しっかりとシワが伸ばされたネクタイ。

 当たり前の事だと思っていた事が、当たり前の事ではないと気が付きました。

 口うるさいかった事にも、意味がありました。


 世の中は、大型連休に入りました。

 休みがとれたので、家に帰ります。

 久し振りにあなたの顔が見られる事を、楽しみにしています。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 2023年5月9日放送

 #83 【 我が家 】


 時代が変わる様に、目の前の景色は色鮮(いろあざ)やかに変わっていく。

 古い城は崩されて、代わりに新しい城が建つ。


 若い頃、子供が小学生になるのをキッカケに家を買った。

 小さいながらも私たち夫婦には、贅沢(ぜいたく)な城だった。

 ローンは三十年。

 ひたすら遮二無二(しゃにむに)働いた。


 ローンが払い終わる頃には、子供は立派に独立し、それを見届けると私の会社員生活も終止符(しゅうしふ)を打った。

 肩の荷(に)を下(お)ろし、始まる第二の人生。

 夫婦でのんびり過ごすには少し広すぎる住み慣れた城。

 いっそ、建(た)て替(か)えて子供に譲(ゆず)り、私達はこぢんまりとしたマンションにでも移(うつ)ろうか。

 広く感じるリビングで、私たち夫婦は静かに頷(うなづ)いた。


 ある日、子供から話があると連絡が来た。

 丁度いい機会だと、私たち夫婦は子供を招(まね)いた。

 子供は家族を連れてやって来た。

 あの頃の私たち夫婦を彷彿(ほうふつ)とさせるほど、子供は大人になっていた。


「この家を建(た)て替(か)える気持ちはないだろうか?」

「私たちもそれを考えていたんだ」

 ならば話は早いと言わんばかりに、子供夫婦はニコリと笑った。


 あれから幾(いく)つの月日(つきひ)が過ぎただろうか。

 私たち夫婦の城は、子供夫婦の城へと姿を変えた。

 バリアフリーの二世帯住宅(にせたいじゅうたく)。

 子供夫婦がローンを組み、自分たちの城を建てたのだ。

 そこに、私たち夫婦も一緒に居て欲しいと言う。

 キャイキャイと笑う孫は私たち夫婦の手を取り、新しい城の中を探検しようと楽しそうだ。


 新たに始まる我が家の歴史は、私たち夫婦から子供夫婦へと主(あるじ)を変えながら、これからも続いていく。


 目の前にそびえ立つ新しい城は、ふたつの家族を優しく見守るのだろう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 2023年5月16日放送

 #84 【 火傷 】


 ユラユラとワタシの心に静かに揺(ゆ)らめく、冷たい炎。

 赤々と燃(も)え上がる炎よりも、薄暗(うすぐら)い黒色を混ぜた、冷たい炎。


 街中で偶然アナタと出会えたことに、ワタシの心は桃色の炎に色めき立つ。

 誠実で実直な性格。優しい笑顔。優しい声。

 全てでワタシをトリコにするアナタ。

 声をかけようと一歩踏み出す。

 しかし、ワタシはソレを躊躇(ためら)った。

 優しい瞳(ひとみ)のその先には、アイツ。

 楽しそうにアイツはアナタと笑っている。


 ナゼ、アイツナノ?


 桃色に色めき立っていた炎は、薄暗(うすぐら)い黒色を混ぜた炎へと姿を変えた。


 ナゼ、ワタシデハナイノ?


 燃(も)え盛(さか)る嫉妬(しっと)の炎は、ワタシの心を冷たく燃(も)やす。


「あら。偶然ね!」

 アナタの代わりにアイツに声をかけた。

 好意があるフリをして、アイツの肩に手をかける。

 笑顔で応(こた)えるアイツの瞳(ひとみ)を見つめながら、ワタシの炎を押し付ける。


 ナンデ、コノヒトノトナリニイルノ?


 ナンデ、アンタガトナリニイルノヨ!


 ワタシノキモチヲシッテイルクセニ。


 ワタシノホノオヨ、モエウツレ!


 アイツノココロニ、モエウツレ!


 ワタシノホノオデ、ヤケドシナ!


 ワタシノキモチヲ、オモイシレ!


「会えて嬉しかったわ」

「また、今度ね!」

 偽(いつわ)りの笑顔で、偽(いつわ)りの約束。

 アナタにニコリと微笑(ほほえ)みかけて、会釈(えしゃく)をひとつ。

 アナタは、優しい瞳(ひとみ)でワタシに微笑(ほほえ)んだ。


 過ぎ去るふたりの背中を見ながら、ワタシの心の薄暗(うすぐら)い黒色を混ぜた炎は真っ赤な色に姿を変えて、熱く燃(も)え上がる。


アナタの隣は、ワタシだけの特等席。

そのためだったら、手段は選ばない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 2023年5月23日放送

 #85 【 ドーナツ 】


 ドーナツ!ドーナツ!

 真ん中空いてる、ドーナツ!

 真ん中いっぱい、夢詰まってる!


 ドーナツ!ドーナツ!

 ママとお出かけ!ドーナツ!

 バァバとジィジに会いに行く。

 おみやげ、おいしいドーナツ!


 ドーナツ!ドーナツ!

 ケーキにイースト、シューの生地(きじ)!

 バァバは、イースト!

 ジィジは、シュー!

 ぼくはふたりが大好き!


 ドーナツ!ドーナツ!

 パパが作るドーナツ!

 色んな形のドーナツ!

 カッコ悪いとママは笑うよ。

 とてもおいしいドーナツ!


 ドーナツ!ドーナツ!

 ドーナツ!ドーナツ!

 ドーナツ!ドーナツ!

 ぼくとみんなをつなげてくれる。

 おいしい!大好き!ドーナツ!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 2023年5月30日放送

 #86 【 つまみ 】


 フルボリュームで愛していると伝えてくるあなた。

 恥ずかしすぎて、あなたからの愛を遮(さえぎ)るように、わたしは心のつまみを右に回して、あなたからの愛のボリュームを下げた。

 一番下まで下げたはずなのに、ボソボソといまだに何かを伝えてくるあなた。

 耳を澄ます。

 気になってわたしは心のつまみを左に回してみる。

 少しづつ。

 少しづつ。

 再び少しづつ大きくなる、あなたからの愛してる。

 あなたの愛のつまみを回すたび、わたしの心のつまみも回りだす。


 わたしはあなたを愛してる?

 わたしの心のつまみは、右に左に不安定に回りだした。



 ありがとうございました。

 次回もラジオ番組の投稿コーナー

 妄想【愛の劇場】へ投稿した作品の投稿になります。


 妄想【愛の劇場】#87「味噌汁」

 ※作品投稿が月単位ではなく、1作品づつ(週単位)に戻ります。


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