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金属バットが怖い

作者: 黒楓

今日も黒いです!!







愛菜(あいな)には絶対言っちゃダメよ!!」


「じゃあお父さんにはいいの?」


「何を言ってるのこの子は!」


 “子ども扱い”に鼻を摘ままれ、むくれたオレにねっとりとしたキスをくれたお義母さんは全身に()()()()()()を纏ってもう一度オレの布団に潜り込んだ。


。。。。。。。。


 独りで“励む”時のオレの()()()はいつもこの頃の映像だ。


 ほんの2年前、同じベッドの上から見上げた義母の胸があるはずも無く、今は虚しく天井を仰ぐだけ……

 オトコのニオイだけが充満するこの部屋で、オレは引きこもりと言う名の檻に閉じ込められている。


ああ、下で物音がする。


義妹(あいな)が帰って来たようだ。


オレは零れ落ちている“白い花々”を押しのけて、裸のままカーペットに寝そべり聞き耳を立てる。


クソ加賀谷の話か?!!


オレの後釜としてまんまと生徒会長に納まったコイツこそ元凶!!


あの時、コイツが差し入れたジュースのお陰でオレは……


オレの中に忌むべき記憶が蘇る。



。。。。。。。。


 文化祭の大トリ……


 生徒会長としてだけではなく、あちこちから袖を引かれて……立ち寄ったクラスすべてで接待攻めに遭っていたオレは、あの時すでに“我慢の限界”だった。

にもかかわらず文化祭ライブが大幅な時間超過で、オレは折りたたみイスの上で冷や汗をかき、じりじりしながら待機していた。


 このタイミングで「会長!お疲れ様です!ご挨拶の前にこれで喉を潤して下さい」と加賀谷から差し出されたジュースをオレは笑顔を作りながら受け取り、飲んだ。


もう限界だ!!なるだけ手短に済ませよう!!


 必死の思いで壇上に向かうオレの臀部を、散々下手な演奏をやらかし、オレを“危機”に追い込んでいたベースギターが突いて……


オレは観衆の前で失禁した。


ファンクラブまであったオレの人気と立場はこの瞬間、潰えた。


。。。。。。。。


 昔はオレに♡だったのに……今ではオレの事を害虫としか見ない愛菜は、加賀谷にご執心の様だ。


こんな事なら

さっさと“親子丼”をいただくべきだった。

愛菜は母親譲りの美人なのに……勿体無い事をした。



オレは家庭内でネグレクトを受けている子供について調べてみた。


その多くがオレに当てはまることが分かった。


けれども愛する家族ゆえにオレは今日までこの仕打ちに甘んじ耐え忍んできた。


しかし、このままではオレは社会的に抹殺されてしまう。


『アイツなんて、文字通りクソじゃん!』


愛菜の声がカーペットにくっ付けているオレの耳を突き刺した。


その時、天の啓示が降りた!


 玄関の傘立てが倒れて、何年もそこに差し込まれたままだった金属バットがカラン!と音を立て、無意識のうちに抱いていた“背徳への恐怖感”が消し飛んだ。


オレの脳裏に『素敵なスイカ割り』のシーンが浮かぶ。


さっそく今夜決行だ!!


 頭の中で、金属バットを振り下ろした瞬間の感触と音と生暖かい飛沫を感じ、ガキの頃、クリスマスイヴや大晦日の夜に味わったのと同じ高揚感で……無上のエクスタシーの予感にオレは心踊らせた。


しろかえでを押しのけて出張った黒楓です!!(本来、今日は彼女のターン(^^;))


何故かと言いますと……


 昨日発表されたネット小説大賞の一次選考結果で、“私の大切なお友達”の作品が全滅だったと聞き、思わず怒りを覚えました。

『何で??!!』って!!


彼女の作品は私の書くものとは違ってどれもとても素晴らしいのに!!!


その怒りを毒にしてお昼休みに書いてみました。


書いてみて改めて思う事は、私を含め!! 人は皆、自分の価値観に沿って判断し、所詮は独善なのだと!!

この物語でそれを醜く表現できたのなら成功なのですが……


今日の黒楓に“小綺麗”は無用なのです!!(*^^)v



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― 新着の感想 ―
[良い点]  不運な事故なのか、飲み物に細工をしてあったのかわかりませんが、彼にとっては気の毒であり、起きてしまった状況は生理的に仕方ないとしてもかなり厳しい状況ですね。  それでも考え直してほしいで…
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