第一の挑戦②
「決意とは?」
「皆が集まってから話そう。急いで幹部連中を招集してくれ
緊急に議会を開く」
カワノの問いに領主はそう答えた。
「で、こいつは?」
「適当に転がしといたらよかろう。早急にご退場願おう」
「こんなことして……。どうなるかわかっておいでなのか」
領主の言葉にその場にいた旦那の付き人は憤るが領主はどうってことないさ、という雰囲気でその場を後にする。
「ケイ、君も来るんだ。元はと言えば君が手を出したからだ。責任をとってもらわないと」
「ですよね」
領主に促されカワノは領主とともに会議室へと向う。
「おい、どうするつもりだ」
付き人の声を全く無視して。
「どういうことだ。死んだはずではなかったのか」
「もともと死んでいなかったのでは? 」
急遽招集された幹部たちは死んだとされている領主の娘がいることに驚きを隠せなかったが、同時に今回の招集目的がそこにあるものだとある程度の予測をたてていた。
「急に呼び出して申し訳ない。皆もだいたい察しがついていると思うがその予想を裏切るようなことを話そうと思う」
領主は今回招集した議会の目的を話し始める。
「最初に言っておくが。ここにいるのは娘ではない。全く瓜二つではあるが全くの別人だ。今回の目的のために養子として迎えた」
幹部たちは黙り込んだ。そして考える。領主あなたはいったい何がしたいんだと。
「何がしたいのかと言うとな……」
幹部たちの思いが伝わったのか領主が語りだす。
「独立しようと思う」
「なんですと!!」
幹部たちは驚きの声をあげた。そして喜びの声をあげる。
「よくぞ決心してくれました。早速軍を結集させます」
軍事担当は直ちに動こうとしたが領主はそれを止める。
「まあ待て、すぐに事は動かさん。まずは根回しをせんとな。そのためにこいつを呼んだんだ。なあ、わかるだろうケイ。自分が何をすべきなのか」
カワノは理解した。自分が旦那を熨したことが独立運動に繋がったことを。
「根回しということですが…。交渉相手はどこでしょうか?」
「理解が早くて助かる。いや君はそのためにここに来たのだったな。詳しいことは後で話すとして。このことに反対するものはいないな」
「当然です。今までの恨みつらみを一気に晴らしてやりましょう。ところでお嬢様に瓜二つのその方は?」
「ああ、そうか。紹介するのをすっかり忘れていたな。今日からわたしたちの新しい家族になった。よろしく頼む。名をケイという。ケイ=オールトとして迎える」
「養女としてこの度受け入れていただきました。至らぬところも多々あるかと思いますが何卒よろしくお願いいたします」
幹部たちは黙っている。どまどっているようだ。だが領主は気にせず話を進める。
「それではケイ、交渉は任せた」