8・穴に落ちちゃいました!?
私は家に帰ってきた。
ちなみに、あのでかい壁を超えるのは流石に無理があったので、気配を消したら入国門を通り抜けることができた。
「この猫どこに飾ろうかな」
と、悩んでいたが、放置されていた家だったのか、かなりホコリなどの汚れが溜まっている。
2階の生活部分はなんとか掃除できていたが、まだ1階部分は手を付けていない(面倒臭かった)
なんとこの家、2階への階段の下にスペースがあって、そこに掃除道具が置いてあったのだ。
とりあえず一通り全部拭きあげて、ほこりが目立たない程度にはした。
店を開くなら清潔感が大切だからね。
すると、私が掃除道具をしまおうとして、スペースの中に入っていると。
ガコンッ!
急に床が抜けて、下に落ちていった。
「えっちょ、なんでー!」
そして地面が見えてきたので、私は体勢を立て直し、スタッと静かに着地した。
「結構高いとこから落ちたなー」
そう言って私は上を見上げた。
20mくらいかな…
しかも、なんか怪しい階段があるし。
落ちた目の前には、下へと続く螺旋階段があった。
明かりはなく、まったく光が入っていない状態だった。
私は数秒目をつむって、開くと、ある程度は見えるようになった。
暗いところには結構慣れてるからね。
そして階段を降りて行った。
「結構長いな」
もう5分くらいたっただろうか、延々と階段が続いている。
そして、下に行けば行くほど、寒くなってくる。
すると、足音の響き方が変わった。
そしたら、一つの空間が見えてきた。
「何ここ」
そこの空間にあったのは―――牢屋だ。
中心にに空間があり、円を作るように牢屋の格子が並んでいる。
なんでこんなところに牢屋があるの…
しかし、ミクルは怖がりも怯えもしなかった。
「うわぁーすごい!」
初めて見る牢屋になぜか興奮していた。ワクワクしていた。まるで、初めて遊園地に来た子供のように。
そして、私はなぜか部屋の中心に行って、そこに寝転んだ。
すごい静か。風の音すら聞こえない。
石の地面のひんやりした感覚が、じんわりと背中に伝わってくる。
なんか、ものすごく落ち着ける。
そして私は、そっと目をつむった。