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聖騎士とご主人様 その2

 ステラはこの道十年と、そこそこベテランのメイドである。元々はとある商家に齢十五の頃から務めていたが、結婚と出産のために一度は引退した。それから二十年、子供達が成人して一人立ちした頃から一種の燃え尽き症候群のような状態で、何もやる気が起きない日々が続いていた。それを見かねた旦那はメイドへ復帰したらどうかと彼女に提案する。旦那の勧めでメイドに復帰することを決めたステラだが、いざ復帰するとして勤め先をどうするかという課題が残っていた。古巣である商家で今も働く友人に相談したところ、とある一軒家でメイドを募集しているとの話とその募集チラシを見せてもらう。朝昼晩の炊事に掃除洗濯と至って普通のメイド募集である。

「住み込みか通いかは選べるのね。いいかもしれないわ」

 メイド募集のチラシには詳細な内容が記載されていた。自宅からさほど遠くない距離のため通いでも行けそうだと考える。

「住人は二人のみ。新婚さんかしら」などと呟きながら、ステラはこの募集に応募することを決める。相談相手の友人にお礼を言うとその足で応募先へ向かうのだった。


 それからはあれよあれよと話がまとまり、あっという間に初出勤当日となったが、実はステラはまだ家主に会ったことがない。これまでのやりとりは全て代理人を仲介して段取りを決めてきた。普通であれば疑いもするかもしれない状況だが、勧めてきた相手が三十年来の友人であることと、ステラ自身が楽天的な性分のため特に気にしてはいない。お昼過ぎに来るとの話だが「いったいどんな方たちかしら。優しい人たちだといいわね」とまだ見ぬ住人に思いを馳せるステラであった。

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