28話 リア友は集まりやすい
俺が噴水に着くと既に俺の妹であるシルクと3人の女子が待っていた。
「あ、お兄ちゃん!遅い!」
「すまんすまん。ちょっと装備作りをしていた」
まだ集合時間ではないが一応全員来ていたらしいので誤っておく。
「あなたがシルクのリアルお兄さん?」
「どっかで見たような••••••」
「あれ?ネットだっけ?」
言動的にどうやらこの3人は俺の事を見た事があるらしい。まぁ、ローゼの披露を派手にやったからな。それにシルク曰く俺のファンクラブとかもあるらしいし知られているかもしれないな。まぁ、誰も俺の名前を知らないだろうから一応自己紹介しとくか。
「はじめまして。月下の万屋の店主をしているサトキだ。よろしく」
「あ、シルクのリア友のユウです。よろしく〜」
「私はマオです。ユウと同じくシルクのリア友です」
「私はリアです。以下同文です。よろしく」
ユウちゃんとマオちゃんとリアちゃんね。まさか全員リア友とは思わなかった。多分、4人でローテーションしながらIPOを買ったんだろうな。
「ねぇ、シルク。もう1人来るんじゃないの?」
「もう1人来るのか?ハイドラか?」
「違うよ。お兄ちゃんの職業」
最後の言葉から多分俺の召喚モンスターのローゼの事を言ってるんだな。しかしな••••••。ここでローゼを呼ぶとなんか色々な人から視線が集まるから嫌だな。
「ローゼじゃなくて良いか?」
「良いよ。でも後でローゼちゃん触らせてね♪」
シルクの指の動きが卑猥だ。他の3人が軽蔑の目で見ているぞ!
「仕方ないな。サモン:アレク、サモン:グレア」
「グァ?」
『(≧▽≦)』
俺はアレクとグレアを召喚する。アレクは外見がほとんど他のプレイヤーやNPCと変わらないから目立たない。グレアはダンジョンに大量に居るポルターガイストなのでそこまで驚かれないと思ったから。
「こいつらはまだシルクに会った事がないだろ?」
「お〜。グールにポルターガイストかぁ。グールって遭遇率結構低くなかった?」
「あの〜」
俺がシルク達に紹介しているとユウから質問が来た。
「もしかしてサモナーですか?」
俺的には特に隠すつもりはないので肯定する。そもそも、ネットで俺の話題を出している掲示板結構あるし。
「あ、思い出した!掲示板で見た!」
「確か相手を首チョンパにした!」
「そうなると今回は楽勝だね!頼りにしているよ」
なんだか期待されているらしいがそこまで俺は強くないぞ。ローゼやハイドラの方が普通に強いし。
「あ、皆にはこれを配っておくよ」
俺は品質3のヒールポーションとマナポーション、スタミナポーションを1人にそれぞれ10個ずつ配った。
「あ、ポーションですか。ありが••••••」
「えっと、これは••••••」
「••••••」
3人共何故か不安そうな顔をする。何か気に食わなかったかな?それとも、お金関係かな?
「あ、タダであげるよ。うちの店に置いてある商品だし、ほぼタダだし気にしないで」
「「「分かりました。ありがたく頂きます」」」
何故ハモる?そこまで貴重な物では無いだろ?確かに高いが買えない程ではないはずだ。まぁ、お礼の言葉は受け取っておく。
「お兄ちゃん。そろそろ行こう」
俺達は街を出て第2エリアに向かうのであった。