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幹部と幹部、兄妹と兄妹

ふぅ~……久々の投稿かな?

この部以降の部はこちらの都合上消しました。


理由

読み返したところこれでは自分の求めている結末へと至らないことが発覚したためです。

「今回はやけに静かな戦いでしたね」


「彼奴は剣の腕は立派だったが魔法の才能がこれと言って無かった。剣だけの強者などそこいらの雑魚と大差ない」


「彼は一応クラレント王国五剣将の一人なのですが……」


腕を組みながら木組みの拠点の壁に背を預けるガリアを横目にリファは安堵のため息をついた。

ガリアが来てくれなければこの戦争が負けていたかもしれない。

いくらリファが魔王の剣の一人だとしてもリファは一介の魔法士。剣の間合いに入ってしまえば死んだも同然だ。

魔法士は遠距離から敵を倒せ、それが魔法士の戦い方だ。


「剣士とは剣と魔法を同時に使いこなせて初めて真の強者になる。だが彼奴は剣技は十分な腕前だったが魔法は魔法学園に通っている者たちよりも劣っていた。それが彼奴の敗因だ」


「……ではノア様はあなたの目から見てどう思いますか?」


「愚問だな。あの娘程戦闘に特化した奴を我は過去二回程度しか見たことがない。魔法を磨けば賢者になるだろう。剣を磨けば剣聖になるだろう。剣と魔法を同時に磨けば現魔王様をも超える存在になるだろう。我の目にはそう映っているな」


「あの子が次の魔王候補と言っているように聞こえますが?」


「……それはどうだかな」


確かにあの子は規格外だ。

もしあの子が次の魔王になるのならば私達の魔国は安泰だろう。

だがほんとにそれでいいのだろうか?

マルクから聞かされた話を聞けば誰もがそう思うだろう。


「私はあの子を……あの子にこの世界を魅せたい……。あなたなら分かるでしょ?」


「……ああ」


「今からでも良いからあの子の結末を教えてくれないかしら?」


「何度言われようと我の気が変わることは無い。教えたとしても我は先に本人に告げてからお前たちに話す」


「それじゃダメなのよ……」


「何故お前はそこまであの娘を気にかける? 親でも何でもないだろう?」


「さぁ……何でかしらね……」


「お前は分からないやつだ。……もう一度言うが我が見る未来は百パーセントではない。つまり結末が良い方向に変わるかもしれないという事だ」


ガリアの未来を見る能力はユニークスキルに分類される。

ユニークスキルは唯一のスキルであり、所有者だけの固有スキルだ。

また、所有者が死ねばユニークスキルは消滅し、新たにそのユニークスキルの適性者が現れると発現する。

そして、ガリアのユニークスキルの名は『永視』と言い、見た対象の一生を見ることの出来るユニークスキルの中でも極めて上位に君臨するスキルだ。

だが未来を見る行為は神の持つ能力に極めて近しいものだ。

その為一日に一回程度しか使えないという制限がある。

何より未来は対象の行動や発言によって大きく変わり、良き未来から悪き未来に変わったりもする。

だが未来を変えることが出来るのは神の筋書きに背く者だけだ。

それは自身の未来を変えると同時に神への反逆行為にあたる。

つまりおいそれと神の定めた未来を変えてはいけないという事だ。


「あなたは過去に自身の未来を変えたことがあるの?」


「……変えたことはない……だが変えようとしたことはある」


「それは何故? 一体あなたは何を変えようとしたの?」


「そこまで語る筋合いはない。我はこれにて帰るとしよう」


「……そう、今回は助かったわ。ありがとう」


「礼を言われる筋合いもない」


ガリアはそう言い残し黒いモヤと共に何処かへと消えていった。

いつ見てもあの黒いモヤを見ると寒気が止まらなくなる。一体あれは何なのだろうか?


「リファ様、リーブラです。中に入っても宜しいでしょうか?」


「ええ、構いませんよ」


「失礼します」と言う声と共に木で出来た扉がギィッと鈍い音をたてながら開いた。

そこには所々かすり傷があるもののニッコリと笑っているリーブラが入ってきた。


「その傷はどうしたのですか?」


「いやぁ~それがですね。前線に向かう途中で人間族側の偵察隊に運悪くでくわしてしまったんですよ。仕方ないので気絶する程度ですが懲らしめてやりましたよ!」


ガッツポーズをするリーブラは一見元気そうに見えるが目の下にはクマがあり、筋肉は疲労しているのか小刻みに震えていた。


それを見たリファはまたマルクの妹をこんなにさせてしまったと罪悪感を覚えた。

だがリーブラが居なければ今回の作戦だって作れてはいなかった。

リーブラ達は自分達の軍を影から支える存在である為その分負担も多いい。


リファはリーブラの上司としてしっかりとした休暇を取らせたいのだがリーブラは頑なに「自分まだやれます!」と言って聞かない。

もう少し素直になればこちらとしても楽になるんだがなぁ~とリファは額を抑えながら思った。


こうなれば最終手段を使う他ないか……。


「当分クラレント王国の連中は攻めてこないと思います。ですのであなたは一度魔王城に戻り休みなさい」


「で、でも私の役目は相手の動━━」


「これは上官命令です。それに近々あなたにはある大役が任されることになるでしょう。その為にもしっかりと身と心を休めておきなさい」


「た、大役……ですか?」


「そうです。その事については後日魔王様が直々に話すと思いますのでその時は身の振り方に気をつけてくださいね」


「は、はい」


「では本日よりあなたは魔王城に即帰還し、一ヶ月の休暇を与えます。ですがいくら休暇と言えども鍛錬は怠らないようにしてくださいね」


「は、はい! これにて失礼致します!」


リーブラが出ていった後、リファは疲れからか盛大に備え付けられていたベットへダイブした。

この事は機密事項だったのだがこうでもしない限りリーブラは休んでくれない。

根はいい子なのにどうも扱いずらい……。


そしてリファは今日の疲れが勝ったのかそのままぐっすりと倒れ込んだまま眠ってしまった。


その後リーブラはリファに言われた通り魔王城に帰るため、戦場でお世話になったん兵士や同じ部隊の人達に一言入れ、鼻歌混じりに魔王城へと帰っていった。

幸いにもネルセスの平原から魔王城までは魔人族ならば一日あれば行けるような距離だった為、元々足に自身のあったリーブラは半日で魔王城の足元に広がる広大な城下町に辿りついた。


「皆元気そうにしてますねぇ~。これもみんな魔王様のおかげですね♪」


祭りのような賑やかさの大通りを抜け、リーブラは魔王城の正面門の目の前で立ち止まった。

魔王城の正面門には屈強な体つきの大男が二人左右に構えている。

この者達は鬼人族であり、体の頑丈さと、力の強さからよく傭兵として雇われることがある。


「やぁ久しぶりだね! ケセル! エセル!」


リーブラは右手を高く上げてとても楽しそうにそう言った。

対して鬼人族の無愛想に「久しいな」と声を合わせた。


「相変わらずの無愛想っぷりね。門番としての面構えは十分だけどもう少し愛想を持とうよ」


「俺達は魔王様に門番としてここに置かせてもらっている身だ。だから門番の仕事が出来ればそれでいい」


「ふぅ~ん……まぁ頑張りなよ。じゃあね~!」


「ではな」


門を抜けるとそこには巨大な城が建っている。そこは何人たりとも敵対種族を通さない魔国の中心部であり、勇者の最終目標である魔王の住む城だ。

そして魔王軍の幹部である魔王の剣の住処でもある。


久しぶりに魔王城に帰ったリーブラは真っ先に医務室へと向かった。


「お兄ちゃん! 帰ってきたよ!」


「おや? リーブラじゃないですか。久しぶりですねぇ」


「うん! 久しぶり!」


パタパタと洗い終わった包帯を壁から壁に掛けてある紐に掛けていたマルクは嬉しそうににっこりと笑った。


「リーブラの活躍は常々聞いていますよ。頑張ったね」


「当たり前だよ! これもお兄ちゃんに褒めてもらうためなんだから!」


マルクは「立ち話もなんです。少し黒薔薇の庭園に行きましょうか」とリーブラに問いかけるとリーブラは「やったー!」と子供のようにはしゃいだ。

黒薔薇の庭園は子供時代にマルクとリーブラがよく遊び場として使っていた庭園だ。そこには美しい黒薔薇が辺り一面に咲き誇っている。

本来魔王軍の幹部にならなくては魔王城に住めないのだが、マルクとリーブラは前魔王軍第五部隊隊長をしていた翡翠という女性と第四部隊隊長のカルナという男性の間に生まれた子供のため魔王城に住むことが許されていた。

そのため親である二人が仕事をしている時はよく黒薔薇の庭園に来て遊んでいた。


「ここに来るのは久しぶりね」


「そうだね。もう何年になるかな……」


「何年?」


黒薔薇の庭園に来たマルクとリーブラはゆっくりと黒薔薇に囲まれた道を歩いていた。


「私たちが魔王軍に入ってからの年月だよ」


「う~ん……もう10年になるんじゃないかな? ほら、私達って成人して直ぐに魔王軍に入ったじゃん」


「……もうそんなに経ちましたか」


「お兄ちゃんも私も結構出世したよねぇ。お兄ちゃんは第七部隊の隊長だし私は偵察部隊の隊長になったんだよ」


「私の部隊は緊急時以外動かないけどね」


「お兄ちゃんの部隊が活躍する所を早く見てみたいよ」


「……それは……いや、確かにそうだね」


マルクとリーブラは黒薔薇の庭園の中心にある茶会用の席に向かい合わせで座った。

ここの庭園に来るのは魔族でも上流階級にいる人達だけだ。

だが今は誰もいない静かな黒薔薇の庭園だ。

その中で二人は優しく吹いている風にあたりながら楽しく笑った。


「そう言えばリファさんが私になんか大役があるって言ってたけどなんの事なの?」


「そういう事か!……急に帰って来るなんておかしいと思いましたよ……」


「どういうこと?」


「遅かれ早かれセルから言われると思うけどこの際だから話すよ……。リーブラに任される大役は言ってしまえばお守りだ」


「え? お守り?」


何を言っているの?と目で訴えるリーブラに「最後まで聞きなさい」とマルクが苦笑いをしながら言った。


「セルの子供のお世話をして欲しいんだ」


「? 魔王様の子供ってもう成人してるじゃん。なのにお世話をするの?」


「それが……セルったら捨て子を拾って来たんだよね……。そしたらその子を自分の子供として迎え入れたんだよ」


「え!? 物凄く見てみたい! どんな子なの?」


机に身を乗り出してマルクに迫ったリーブラにびっくりしてマルクは椅子から落っこちそうになったが、ギリギリのところで踏ん張り、リーブラの問に答えることにした。


「とても愛らしい女の子だよ。髪は白で目は紅色、見た目は大人しいけど中身は活発的な子だ」


「お守りの相手が女の子なら大丈夫! 男の子はどうも扱いづらいからねぇ……」


「大丈夫……ねぇ」


「どうしたの? 何か不安な事があるの?」


「いや……あの子は少しズレてるんだよねぇ。なんというか常識が無い子供って感じ。だからリーブラには少し苦労をかけるかもしれないと思ってね」


「そんなの大丈夫だって! 今まで私は戦場にいたんだよ。だからそのくらい平気へっちゃら!」


「……そうだと良いんだけどねぇ」


マルクの心の中には不安の一文字が鮮明に浮かび上がっていた。

それはノアが何をしでかすか分からない不安、万が一の事が起こった時の不安、リーブラがしっかりとお守りを出来るのかという不安。特に心配なのは万が一の事が起こった時の不安だ。

もしノアの目の前に悪魔族や勇者、竜種などが現れたらリーブラだけでは対応出来ない。


ここは念の為に私の部隊の数人を監視として密かに同行させるか。


これからもよろしくお願いします。


次回 ノアの苦悩

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