壊れる日常
なぁ夕陽
俺たちのいるこの世界、本当にここに存在してると思うか?
え? そんなの、存在してるにきまってるじゃない。
いきなりの質問に私は、足を止めてそう答えた。
時刻は夕暮れ、うっすらと暗くなり始めていた。彼は振り返り、こう続けた。
俺思うんだ、もしかしたらこの世界は、誰かに作られたんじゃないか?ってね。
うつむき加減だった彼の目線は、そう言うと、私の目を捉えていた。
じゃあ何、私とあなたの関係も作り物だって言うの?
あ!ご・・・ごめん、何となく、そう思っただけなんだ。
だから今の言葉、気にしないでくれ。
ねぇ、聞くけど、なんでそんなこと、言い出したの?
あ・・・いや、えっと。自分でもよく、分からないんだよね。本当は。
『何であんなこと、言ったんだろ。俺。』
『突然降ってわいたように、言葉が出てきたんだよな。』
ねぇ、何ぼーっとつっ立ってるの?早く帰ろうよ、暗くなっちゃう。
なんだかんだ言っても、私は彼が好き。将来は、彼のお嫁さんになるんだから。
黙り込んでしまった彼の手を取り、私は、足早に歩き出す。
お、おい、分かったから、引っ張るなって。
その日から数日後のこと、彼から突然の電話が
なぁ、今日、・・時間ある?
え?あるけど、どうしたの?
うん、この前のことなんだ。じつはさぁ・・・まあいいや、取り敢えず、おまえんち行くわ。
そう言うと彼は、私の意見も聞かず、いきなり電話を切ってしまった。
また彼からの電話が
いま、下にいるんだけど、ちょっと出てきてくれないかな?悪いな。
ん、分かった。ちょっと待っててね。
下で待っているという、彼に会うため、取り敢えず外に出ることにした。
ところで、話って?この前、何か言ってたね?
お前、最近、何か感じないか?よく分からないんだけど、何かが違うって、そんな気がするんだよ。
何かが?違う?って、それって、勘違いとかじゃ?
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その時はまだ、その変化に気付かなかった。しかし、それは確実に忍び寄ってきていた。
短編ものを、中心に投稿してみたいと思ってます。
駄文、ですが、しばらくの間、お付き合いいただければと。
後、途中で終わったりするかもですが、話の前後は、ありません。
投稿したものが全てです。