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主君 井伊の赤鬼・直政伝

あなたに主君はいるか。

私にはいない。

いや、この現代日本で主君と仰ぐ人がいる、

そんな稀有な人は果たしているのだろうか。


多くの物語で題材にされる主従。

今の私たちは容易に手に入れることができない関係、魅力の一端は、そこにあるのかもしれない。


物語の主人公は守勝である。

俺は家康の小姓なのだ、俺の殿はあくまでも家康なのだと念じながら、

その家康の命で守勝は井伊直政に仕えている。

その直政は、

戦場では大将でありながら真っ先に物見に出ようとし、

婿である家康の息子が自分に憧れているのをいいことに、初陣を指導するのだと連れ出し、

トップである直政をこそ粛清するために、家康と守勝に軍規を打ち立てられたりする、破天荒な人物。

守勝は不幸にも、あの直政のストッパーはおまえしかいないと、

家康直々に見込まれたのである。


物語のはじめで家康は守勝に問う。

「主君はだれだ」と。

あんたが言ったから俺は直政に仕えているのではないか!

かつての守勝ならこう返しただろう。

だが直政に付き合った二十年の月日が、守勝からその言葉を消し去った。

「くそ! くそ!」

「わしは天下の不忠者だ! なのになぜ、たったひとことが言えなかったのだ!」


今、もし、わたしたちが主君を戴くとしたら、

それはどのようなめぐりあわせになるのだろうか。

家柄か。仕事か。

学校か。職業か。組織か。

会社の社長、上司、学校の先生、教授、父、母、目上となる仰ぐべき立場の者はいても、

戦国の世に一命を賭けて仕えた程の主君となる者を見いだせるだろうか。

恐らくその出会いはない。

だから憧れる。だからそれを読みたいと思う。

そこには、わたしの、あなたの、体験しうることのできない物語がある。


という訳で、高殿円の「主君」でした。

直政公のお話なので、「剣と紅」と微妙につながってます。あいかわは「剣と紅」の方が好きなんですが。主人公は女性の直虎だし共感しやすいので。

がっつり歴史ものでしたが、史実を調べて知識を得、その知識をこんな風に乗りこなして物語にするってすごいです。高殿円さんは歴史を専攻されていたようですし、得意なのかなあ。

久々に「かしこい」本を読んで、お馬鹿なあいかわは消耗しました。

が、読み応えのある物語でした!


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