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翼がなくても

翼がなくても飛んでいける。

どこまでも遠く高い空の果てまで翔けていける。


ありがとう。あなたのおかげです。


私を地上につなぎとめた枷。翼を折り天空から引きずり下ろした忌々しい鎖。

その因縁がめぐりめぐって、今血に錆びた鉄鎖は無垢な白い羽根に変転し(ほど)けていく。

新しい翼となって。


西端化成陸上部に所属する市之瀬沙良は、将来を嘱望されオリンピックも目指せるかというアスリートだった。

その沙良が事故に遭い、左膝から下を切り落とす。

その先にどんな展開があるのか。

それがこの物語の醍醐味だ。

折れた翼に苦しみ、地上を這いずる沙良は、

やがて一縷の希望を見出し、再び自らの手で翼を甦らせるため抗う。

その戦いの記録。これは沙良の戦記なのだ。


中山七里が多数の作品で描く、悪徳有能弁護士・御子柴も登場する。

隣人の不可解な死、沙良にかけられた嫌疑、御子柴に闘志を燃やし事件を取り調べる刑事犬養。

だがそれは枝葉だ。物語を彩る単なるスパイスに過ぎない。

ミステリとして上質ではあるけれども、この世に多くの推理小説は存在し、不朽の名作も数多くある。

そんな現代日本にごくありふれた死の謎よりも、

もっと圧倒的な質量を持って、奔流のように引き込み押し流す、

輝く魂の物語がそこにある。


「On your marks」

「Set」

パン!

破裂音と共に沙良は駆けだす。

再び翼をはためかせ飛び立つ。

その行く手に何があるのか。


…「もう立てますか」

 「少しだけ急ぎましょう。待たせていますから」…

何が。誰が。沙良の駆けだしたその先で待っているのか。


是非ご自身の目でその結末を確かめてください。



という訳で、あいかわは泣きました。

電車の座席に座っていたんですよ。

特急とかではない、壁際に沿って並ぶ形式の座席、

朝の人込みの中ですよ。

まったく、本は凶器ですう。


でもすごい良かった!!

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