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三章
一週間後――――。
最初に森でその姿をみつけたのは、村に住む木こりだった。木にもたれかかって、ただ寝ているのかと思ったが、呼びかけても反応が無かったため、すぐさま医師が呼ばれ、診断がなされた。
周囲には村民たちも集まり、事の成り行きを見守っていた。
「――どうですか? 先生」
「……残念だが、亡くなっているようだ。何かの薬物を飲んだことによる、意識障害を起こした可能性があるな」
そう言って、医師は傍に落ちていた小さなビンを拾い上げた。中には、禍々しい色をした液体が極少量だけ残っていた。
「全身の筋肉がかなり硬直しているが、鳥や獣に食べられていないところを見ると、ここ最近までは、一種の植物状態のようなかたちで生きていたのかもしれんね」
「自殺、だろうか?」
「そういえば、様子がおかしかったからなあ」
「それにしては、安らかな顔だな……」
「まったくだ」
村人たちの言うとおり、少年の表情は微笑んでいるように見え、目元から頬にかけては、涙の流れ落ちたような跡だけが、残っていた――。




