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罪人たちに夜明けを  作者: 紅月
第五章
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城壁

 太陽が後少しで頭上まで昇る頃、ようやく岩山の頂上に着いた。

 先に着いたアンリは、顎に滴る汗を拭うと目の前の光景に目を見開いた。


「すごいな…。シャロン!早く来いよ!!ここからジオーグが見えるぞ!!」


 アンリのテンションの高い声に、頂上から少し離れた場所で息を切らしながらシャロンがうんざりして見上げる。


「な…んで、そんなに元気なのよ…!」


 旅に慣れたと思っていたのに、身体がすぐに疲れてしまう。

 慣れない岩山のせいもあるのだろうが、それはアンリも同じ。


「条件はほとんど同じはずなのに…。ま、まあ、私より体力無かったらそれはそれで嫌だけど」


 シャロンは疲れた身体に鞭を打つと、ゆっくりとした足取りで頂上に向かう。

 そんなシャロンにアンリは手を差し出した。


「ありがとう…」


 手を掴んで引き上げて貰うとシャロンは呼吸を整える。


「ほら、シャロン」


 促されてシャロンは顔をあげてアンリが指差す方を見た。


「わ…」

「すごいだろ?」

「うん!」


 眼下に広がるは、巨大な岩で出来た城壁。

 しかし、驚くのはそこではない。

 巨大な城壁には細かい彫刻が施されていた。

 天使や女神、植物などが描かれているのが遠くからでもわかる。


「ジオーグの職人ってすごいんだね…」


 呆気に取られるシャロンに、アンリは同意する。


「あの城壁だけでも、技術力が凄いのかよくわかるな。中の街並みが余計に楽しみになるな」

「きっと素敵なんだろうね」

「…よし、少し休憩したら一気に下ろう。夕方までに入って明日は少し観光したいな。たまにはゆっくりしたいしな」


 それにリラースタン以来、十分な休息が取れていない。

 シャロンの体力的にもそろそろ限界だろう。


「観光楽しみだなー!」


 アンリの気遣いに気づいているのかいないのか、わからないがシャロンは飛び跳ねる勢いで喜ぶ。


「喜ぶのはそれくらいにして、少しは休めよ」

「はーい!」


 僅かな休息を取ると、目の前まで来たジオーグまで一気に向かう。

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