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罪人たちに夜明けを  作者: 紅月
第八章
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朝日

 カーテンから差し込む陽の光がベッドで眠るのアンリの顔を照らす。


「…ん、朝か」


 眩しさに顔をしかめさせながら起き上がると、グッと伸びをしてからため息を零す。


「今日もいい天気そうだ。絶好の渡航日和、だな」


 ベッドから降りてカーテンを開ければ窓からは朝日を受けてキラキラと輝く海が広がっている。

 アンリはそれを見て満足そうに微笑んだ。


 ティアの一件の後、泊まるところが無いのならお礼にとラインがアンリ達を魔導船に乗るまでの間、家に招き部屋を貸してくれた。

 おかげで宿探しをしなくて済み、余った時間を街の観光やティアとラインと一緒に過ごす事が出来てとても充実した日々を送れた。

 それも今日で終わりなのだが。


 アンリは剣を手に取ると部屋を後にした。

 ついに今日、魔導船に乗って王都であるグランファルーゼンに渡る。

 ライン達と別れるのは寂しいが、憧れの王都に行けると思うと胸が高鳴った。


「よしっ!」


 いつものように氷月華を鞘から引き抜き、朝の日差しを浴びながら見えない敵と戦う。


「おはよう、アンリ」


 しばらく敵と戦っていると、背後から声をかけられアンリは剣を振るう手を止めて振り返る。

 そこにいたのは、シャロンだった。


「おはよう、シャロン。今日は早いな」

「いつも寝坊してるみたいな言い方やめてよね」


 シャロンは肩を竦めてアンリに抗議した後、苦笑した。


「昨日はあんまり眠れなかったの。ドキドキしちゃって」

「王都に渡るから?」

「うん!アンリは?」

「俺は…まあ、そうだな。いつもよりは眠れなかったかも」

「私と一緒だね!…ああ、王都って魔法使いとかたくさんいるだろうし楽しみだな」

 

 シャロンは王都への想像を膨らませて楽しそうに笑う。


「楽しみにするのはいいけど、荷物はちゃんとまとめたか?」

「大丈夫、昨日のうちに済ませたから。…あ、そうだ。ラインがね、朝ごはんだから早く来いって言ってたんだった」

「わかった、早く行こう。ライン達を待たせちゃうし」


 アンリは氷月華を鞘にしまいシャロンと共にラインの屋敷の中に戻る。

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