勇者(弓)
彼の名前は、九条翔太。俺達が召喚された国の隣国で召喚されたらしい。職業は聖弓の勇者らしい。
オーガキングは勇者が倒しちゃったからそれ以外の魔物を解体しようとしたら、従者の人が
「勇者様がお倒しになられたのにかすめ取ろうとは何事かぁ!」
といって200体全部持って行ってしまった。
◆◆◆
ギルドにステルスハンターの魔石2個を持って行くと既に勇者の話題で一杯だった。
今回の受付嬢はセナーテだった。
「サトーさぁん、勇者様に助けられたってほんとぉですかぁ」
「そんな事実はないよ」
「またまた、別に助けてもらったって恥じゃないですよぅ。なんでも魔物200匹を瞬殺ですからねぇ」
「・・・・・・そうだね」
「なんかすっごい不服そうですねぇ」
俺がギャルンに帰還したとき、勇者は魔物の大群200匹を倒したことになっていて、俺は危ないところを助けてもらったことになっていた。
「そんなことよりこの魔石、規格より大きいんだけど、買い取り額増やせない?」
「そうですねぇ。ちょっと交渉してきますねぇ」
セアーテは奥に消えた。カウンターで待つことにした。
「あら、サトー君じゃないの」
「カ、カリナさん。なんでこの時間帯に」
この時間帯はいつもいないのに
「もう誘ってくれないのかな?」
「え、ご迷惑になるかと思いまして」
「で、君が倒した魔物は何体かな?」
「え?」
「ギルドに持ち込まれた大半の死体は綺麗にバラバラにされていたわ。あれは勇者が倒したものではないわ。あの時あそこにいたのは貴方だけよ。あなたが倒したのでしょう?」
「・・・・・・」
やべっ、なんか涙出てきた。
「ちょ、なんで泣くのよ」
「すいません。やっぱりわかる人には分かるんですね」
「やっぱりあなただったのね。ちょっと来てくれない?」
「でも魔石の交渉中なんですけど」
「セアーテには言っておくわ」
なんだこれは、急展開過ぎる。まさか仕事中に逢い引き・・・・・・。いや、無いな。むしろ、面倒事の予感。
「さ、サトー君、ここよ」
案内されたのは応接室。あぁ、これはもしかするともしかするな。
「やぁ、またあったね」
扉の先には、微笑む勇者(弓)。
「で、ギルマス、いいですか?」
「あくまでも本人が希望した場合だけじゃ」
何の話をしているんだ。まさか・・・・・・
「サトー君といったね。君、僕と来ないかい?」