冒険者
あの街を出て6日と半日、クリスと別れて3日。無事、街にたどり着きました。街の名前はギャルンだそうです。
「登録を完了しました。冒険者ギルドの方針としては、依頼に関わること以外の不利益は自己責任です。また、ギルドが不利益を被った場合、賠償と報復を行います。」
「了解。ランクはやっぱFから?」
「いえ、サトーさんは鍛錬所でAランカーにお墨付きをもらってきましたしDランクから始めてもらいます」
「お、まじか。ちょっとラッキー」
「1週間以内に魔石の持込がない場合は取り消しになりますので」
「はいはーい」
俺は遂に念願の冒険者になったぜ!!
手始めに、オークからいってみよう。
◆◆◆
ギャルンを出てあの街へと若干、戻りつつオークを探す。
「くそぉ、1時間くらい歩いているのにゴブリン1匹見当たらない。あ、薬草みっけ」
これまでの成果、魔獣0、薬草38、食材26。
あれよあれよという間にもう夕方。日が落ち始めてきていた。
「あ、やばっ。門が閉まんの忘れてた」
こっちについてからも野宿とか無いわ―。
「仕方ねぇ『気配察知』」
気配察知で分かるのは何かがいるということだけ。
「見つけた。でも28の集団かぁ。ちょっと荷が重いかな?」
取り敢えず近づけるだけ近づいてみました。
あ、洞窟じゃん。いけそうだな。
「『空間把握』」
うわっ、この洞窟広!あ、やっぱり別の入り口があったか。
「ふむ、こっちに罠を張って反対側から追い立てるか。最初は麻痺らせるか」
こちら側の入り口には、いつもの糸を張り、急いで別の入り口に向かう。
「よし、やるか」
料理魔法で洞窟の入り口に空気の層を作りこちら側に来ないようにする。火をおこし強麻痺毒草を燻す。
1時間くらい続けた。
「もういいでしょ」
入り口の魔法を解除し今度は俺の口と鼻の周りに空気の層を作る。換気が出来ないから制限時間はもって1時間だ。
「『隠密』『気配察知』」
隠密には暗視の効果もあるので重宝している。
ぶっ倒れている魔物を発見し次第、糸で首を絞める要領で首を落としていく。そして『瞬間解体』でドロップ品を解体物保存空間に納めていく。
「おぉこれぞ見敵必殺。俺かっこよくない?」
結局、洞窟内で殺したのは18、罠で死んだのが5、連れ去られていた女が4。
「あれ?1匹足りなくね?ま、いいか。」
ちなみに連れ去られていた女は、全員が死を望んだので殺し、埋葬までしてきた。
◆◆◆
「オーク17、オーガ1ですね。最初の成果としてはすばらしい物ですね」
「ありがとうございます」
今朝、門が開いて一番にギルドに魔石を持って行ったらこのギルド支部一の美人受付嬢カリナさん(24歳)に対応して貰えた。
俺の好みの真ん中、直球、文句のつけようがないストライク!!あぁーなんかぁ、3年間の従者扱いでM度が増したって言うかぁ。このいかにも年上で男を振り回すような感じの女性がタイプです
「カリナさん、お昼にでもどこかに行きませんか?」
「こめんなさいねぇ、お昼は予定があって」
「くぅ残念です。またお誘いします」
がっついたらダメだぞ、俺。こういうのは引き際が大事なんだ。
とか言いつつギルド内にある休憩スポットに座り、聞き耳を立てる。カリナさんにセナーテとかいう受付嬢が話しかけていた
「せんぱぁい、今の彼、どうですかぁ」
おぉナイスだ。
「仕事中よ」
「いいじゃないですかぁ」
「まぁ今のところ興味はないわね」
くそぉーーー!!!
俺は荒ぶる感情を抑えつけながらギルドを後にした。
「でも、本気で来てるのは分かるから今後の対応次第ね」