旅道中
あの街を出てから早3日、ちょうどあの街とこれから行く街の中間地点にあたる所だ。
「日も落ちてきたし今日はここら辺で野宿かぁ」
街道を外れ罠を張るのに丁度良い感じの所を見つける。
「テントは張っても邪魔っぽいな」
木々が乱立しているので暗い上に視界が悪い。
「さっさと野営の準備をしますか」
勇者の従者のような生活3年間の集大成、野営の準備なんぞ5分あれば終わるぜ。
木々に糸を張り鳴子をつける。範囲は俺中心半径10メートル程。
「よし、飯食うか」
即席のキッチンを組み立てる。ちなみに火は薪の火を使用。
「今日は何にするかなぁ。あんま凝った物は時間がかかるから嫌だし・・・ピザっぽい物つくろう」
地球でよく売っているようなパンはこの世界にはない。基本黒パン。白いパンなんぞ高級品だ。
だが、俺がこの世界に来て黒パンをたべた回数は両手の指があれば事足りる。
黒パンは堅い・たまに砂利がある・まずいの3拍子そろっている。小麦に解体使って製粉された小麦粉が取得できた時は感涙にむせび泣いたわ!
解体物保存空間から小麦粉を取り出し、塩・砂糖・油を入れ、料理魔法で水をちょっとずついれてこねる。こねる。こねる。こねる。こねる。こねる。暫くこね続けるとちゃんとした生地ができた。
次にトマトっぽいやつを取り出しトマトソースを作る。
それをのばした生地に乗せ広げる。その上に野菜やら肉やらを適当にのっけていく。チーズがないのが残念で為らない。
「後は、焼くだけ」
料理魔法で空気の層を作ることが出来るので、疑似オーブンでピザを焼く。
焼き上がるまでの間、街を出てから恒例になっている卵見聞を始める。
この3日間で模様が文字であることは判明している。なんでも古代文字って奴らしい。
何より不思議なのが、火に翳して見るのと水中に沈めて見るのは模様が変わるのだ。しかも夜と昼でも違うらしい。
「わけがわかんねぇ」
唯一の手がかりとしては、卵を38度ぐらいに温めると光り、夜になると発光すること
「光ってるのが正しい孵化の方法だとして試行錯誤を繰り返すしかないのか」
光った時とそうでない時で変わる文字を手帳にリストアップしているが、文章になる気配は一向にない。
「単語はわかるんだよ。多分残る条件は1つか2つ。助詞にあたる部分がほしいんだよ!」
うんうん悩んでいたらピザが焼き上がったので一旦中止。
「いただきまぁーす」
やはりチーズがないのが残念だ。
「でも、うめぇ!我ながらすげぇ」
いつになくバクバクとピザを食べ10分足らずで完食してしまった。
カランカランカラン
「!?」
すぐさま周辺を片付け警戒態勢に入る。手元の糸をたぐり寄せ糸を通して敵の位置を把握する。
糸に引っかかったのは最初の1回だけ。でも、糸が震える感覚から糸を除けながらこっちに迫ってるな
敵の位置を把握しつつ罠師スキルで落とし穴を設置する。
「『罠創造:中型落とし穴』」
敵の進路上に設置し落ちるのを今か今かと待つ。
「ひっきゃあぁぁぁ」
「よし、かかった」
落とし穴に近づき落とし穴に閃光玉を投げる。念のためだ。
光が収まってから落とし穴を覗くと気絶した女の子がいた。