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問題発生

※すみません。抜けていた文章を足しました。


優斗視点はあと1話(これを入れずに)なのでお付き合い下さい。

「僕はもう一度旅をやり直そうと思う」


その言葉を聞いた4人の反応は、4人とも違っていた。


驚いているのはユーリ。


安堵しているのがレティシア。


悔しげなのがリリス。


仕方ないね、という顔をしているのがキリア。


「どこにいく?私はまずマギク魔術学院に行きたい」


マギク魔術学院とは大陸中央部にアルツ武術学院と並んで設立され、この大陸の最先端の魔術研究されているところだ。ソフィーの卒業した所でもある。


そう提案したのはキリア。旅の最中何かしらソフィーと衝突することがあったが、なんだかんだ言って一番ソフィーと仲が良かったのは彼女だ。


「そうだね。行くのはそこにしよう。遺髪を渡したい」


「よかった」


キリアはソフィーの件でかなりダメージを負ったようで肩までの栗色の髪は艶を失い、少し日に焼けた肌も若干荒れていた。


「じゃあ今日準備をしてあし――」


「待って!」


「どうしたんだい、ユーリ」


「ダメよ、認めないわ。ここまで来て撤退なんて出来ないわ」


「ただの撤退じゃない。戦略的撤退だ。僕たちは将来、邪神を倒すために今は退くべきだ」


「とにかくダメよ。こんな。今更。」


ユーリはそれだけ言って部屋に戻っていった。


「・・・・・・続きはまた今度にしよう。僕はユーリを説得してくるよ」


「分かった」「分かったわ」「頑張ってくれ」


リリスのあの悔しげな顔はどういう意味だろう。リリスにも何か目的があるのだろうか。


◆◆◆


少々、時間を遡って昨夜


旅の思い出を回想しつつソフィーのことを考えていたユーリの部屋の扉が控えめにノックされた。


「誰かしら」


「私よ。リリス」


「あぁあなたね」


扉を開けると少し疲れたようなリリスが立っていた。ほのかな香りは香水だろうか。


2ヶ月とはいえリリスにもきついのね。


「あなたは大丈夫なの」


「キリアに比べたらあってないような物よ」


「そう」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


会話が止まった。正直に言って私はリリスのことをあまり知らない。


あの日の前日の夜、ユウトが襲われていたところを助けた、と言って連れてきたサキュバス。


歳は130(人間に換算すると26)で性別は女。まぁサキュバスだから当然女ね。


魔族の証である黒紫の髪を背中まで垂らし、褐色の肌は艶やかにリリスの妖艶さの一端を担っていた。


最初はユウトを誑かしに来たんじゃないかって思ったけど、話しているうちに親しみがわいてきた。


彼女が旅に加わりたいと言った時、邪魔者を排除するのに丁度良いと即了承してしまった。


今思えば、おかしな事だったが恋は盲目とも言うし私もどうかしてたのだろう。


リリスをパーティーに入れたことを後悔はしていない。でもサトーを抜かしたことは少し後悔している。


でもサトーに戻ってきてもらおうなんて考えていない。あいつがいかに便利だと言ってもやっぱり邪魔者は邪魔者だ。


ソフィーがいなくなってしまった分、後続を雇ってしまえばいい。


早くユウトに邪神を倒してもらわなくちゃ。


私のユウトがこの世界のどの勇者よりも最強だってことを証明しなくちゃ。


「あれ?」


気が付くとリリスは部屋からいなくなっていた。テーブルの上には“いい眠りを”と書かれた紙がおいてあり側で香炉が焚かれていた。


私、寝ちゃったの?人がいるのに?


リリスに謝らなくちゃ。失礼なことをしたわ。


◆◆◆


控えめに扉を叩く


「ねぇユーリ。話がしたい。開けてくれないか」


何の返答も来ず、ただ扉がすぅっと開いた。


「ありがとう、ユーリ」


なんかこの部屋ちょっと香水くさいな。


「ユーリ、窓開けるね」


「・・・・・・」


ユーリが頷くのを確認して窓を開ける。微風が頬をなでる。


「ユーリ、こっちにおいで」


「・・・・・・」


牛歩より遅いかも知れない歩みだ。じれったいのでこちらから迎えに行く。


「!?」


ぎゅっと抱きしめると俯いていた顔が驚きに彩られてこちらを向く。


「ゆーり、このまま聞いて」


「うん」


「僕は馬鹿だった。今も馬鹿かも知れない。慶明君をパーティーから外さなかったらソフィーも死ななかったかも知れない。とっくに50層に行っていたかもしれない。でもそんなこと言っていたらキリがないよ。ソフィーは僕を助けて死んだ。ソフィーの死を無駄には出来ない。このまま僕たちが迷宮攻略を続けてもおそらく道半ばで倒れてしまうはずだ。退くのは逃げるためじゃないよ。勝つためだ。僕たちが邪神を倒すために今は退くんだ。お願いだ。聞き入れてくれないか?」


「卑怯よ。そんな言い方。私に断れるわけ無いじゃない。私は貴方に大陸一の、いや世界一の勇者になって欲しいの。ヒュンテルの弓は62層、アッカルの鎌は48層、ユーファクトの鎧は53層、今は行方不明中だけどウォーリスの槍は68層まで到達しているわ。早くしないと別の勇者に邪神が倒されてしまうかもしれない。早くしないと」


「地球には、『急がば回れ』っていう諺がある。危険な近道より安全な遠回りの方が得策だよっていう意味だ。一度、戻ってみるのもいいじゃないか。撤退は恥じゃない勇気だよ」


「・・・・・・分かったわ。でも」


「でも、何?」


「必ず貴方が邪神を倒すのよ!」


「当然だろ。君の勇者が何度も負けるはずがないだろ?」


「それもそうね」


僕を見上げるユーリの顔は、すっきりとしていてそのほほえむ姿はいつも以上に魅力的だった。


「じゃあ街で転移門の申請をしてくるよ」


「いってらっしゃい」


「ああ」


よし、これからも忙しくなるぞ!僕がしっかりしなくちゃ!


「あ、リリス」


すれ違ったリリスの顔は決意に満ちていた。


◆◆◆


宿屋をチェックアウトしようとみんなを呼んだが、リリスとユーリが降りてくる気配がなかった。


「ねぇ、ちょっ、ユウト!」


「何?」


キリアがすごく焦った顔をして階段を駆け下りてきた。持っていた紙には、


“ユウトへ ゴメンね。こうするしかないのよ。ユーリと68層で待っているわ リリスより”

ヒュンテルは狩猟が有名な国で大陸の南に、そして勇者は九条

アッカルは農耕が有名な国で大陸の東

ユーファクトは生産が有名な国で大陸の西

ウォーリスは軍事が有名な国で大陸の北西、邪神迷宮から3ヶ月ほどの距離

主人公や優斗が召喚されたのはレリッジ、多神教で有名。ヒュンテルの左隣。

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