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過去

完成しました。感想で寄せられた点を修正しました。後、キャッシュの事を教えてくれた人ありがとう!

これはまだ地球にいた頃の話だ。


僕の通っていた高校はそれなりの進学校だった。


その中で成績が1番なら僕はそれなりには優秀なのだろうと思っていた。


自分の容姿が優れているのも自覚していたし、この顔目当てで寄ってくる女子もいた。


最近の小説やマンガの主人公に女の子に囲まれて好意を向けられているのにまるで気がついていないのがいるが、実際にそんな人はいないだろう。


いるとしたら、それはもう鈍感を通り越して病気の域だ。


かく言う僕も女の子たちから向けられる好意にちゃんと気がついている。


財閥の令嬢に生徒会長、元気な後輩、保育園から一緒の幼なじみ。


皆、僕を内面まで見て好意を寄せてくれている。


事ある毎のアピールはドキッとするし二人っきりになったら期待する。


でも、たとえみんなから告白されても僕は誰か一人を選ぶことができないだろう。


誰か1人を選ぶということ他3人は振られて悲しむということ


僕は僕を好きになってくれた女の子たちには笑顔でいてほしい。


だから僕には誰か一人を選ぶことはできない。


そんなどっちつかずな状態のままズルズルと関係が続いていた。


◆◆◆


3年生になっても、この関係性は維持されていた。


高校3年生の昼休みの過ごし方は、


受験生の自覚が出来てセンター試験へ向かって必死に勉強する。


もう既に自分の勉強スタイルを確立していて昼休みを憩いの場とする。


未だ受験生という感覚が持てず特に意味もなく過ごす。


だいたいこの3通りではないだろうか。


僕たちは2つ目のグループに属していた。


僕のクラスメイトで2つ目のグループにいる人はそれほど多くない。


その数少ない人たちの中、一際目立っている男子生徒がいた。


彼の名前は、佐藤慶明。高校に入ってからのテストの成績は全て2位。


先生達の話では、毎テスト必ずどこかでミスするらしい。


容姿もある程度整っていて物静か。


昼休みはいつも実用書や専門書の類を読んでいる。


ガリ勉野郎かと思っているとそうでもなく、話しかけてくる人には気さくに応対し聞き上手でもあるようだった。


こんな人がもてないわけがない!


少し調べてみると、彼の事を好きだと公言している女生徒がいることが分かった。


その4人の女性達は


「身を呈して私の愛犬の命を救ってくれた」


「根暗だった私に気さくに話しかけてくれた」


「先輩がいじめを止めてくれた」


「彼が私の大失敗をフォローしてくれた」


そして「それを当然のように思っているところに惚れた」と言っていた。


「だけど、告白しても冗談だと思って相手にしてもらえない」とも、言っていた。


僕の周りには、彼よりも多くの女の子たちがいる


僕の近くで笑っている子もいれば、泣いている子もいる。


でも、彼の周りの女の子は全員が笑っていた。


主人公って彼のことを言うんだろうなと思った。


羨望が芽生えた。嫉妬も芽生えた。そして全てに諦念の花が咲いた。


僕は彼のようになることは出来ないだろう。


だけど近づくことは出来ると思った。


友達になるのが一番近道だと言うことは分かっていた。


でも僕の変なプライドが話しかけるのをためらっていた。


意味の分からない敗北感に包まれる日々を過ごしていたある日の放課後、


教室にいたのは忘れ物を取りに来た僕と本を読んでいた彼。


顔を見合わせた瞬間教室は光に包まれ僕と彼は異世界に召喚された。


◆◆◆


ステータスという物を見たとき、勇者の職業を持っていたのは僕だけだった。


しかも、彼には脇役Aというよく分からない職業だった。


何で僕なんだ?彼の方が勇者に相応しいんじゃないか?


という疑問がわく一方で


選ばれたのは僕なんだ!きっと僕の方が勇者に相応しいんだ!


という優越感が生まれた。


そして、この異世界ならば、僕は彼のようになれるんじゃないか?


主人公になれるんじゃないか?


周りの女の子達をみんな笑顔に出来るような、そんな主人公になれるんじゃないか?


僕の頭の中は、魔王や冒険なんかよりこっちに支配されていた。


彼になるなら彼を側に置いておかないと、と思ってパーティーに入れた。


周りの女の子みんなを悲しませない主人公になるぞ!と心に決めた




はずだった。


一クラス25人くらいの設定です。受験生のお昼休みの過ごし方は、作者の学校のクラスを参考にしました。


※慶明より優斗の方がイケメンです。

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