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それぞれのその後

※修正しました。

教えてくれた人ありがとう!

※社会的に使うのならば「上奏」ではなく「上申」が正しい、とご指摘を受けました。修正します。

気が付いた時、ロビーは異様な空気に包まれていた。


俺達に攻撃してきた奴は、壁に磔にされ、その身を腐らせていた。


今の現状を作り出しているのが、ノゾミだということはすぐに分かった。


いつもの蒼い目をくれないに変え、その目は憤怒に染まっていた。


俺は聖書の一節を思い出した。


“激怒した時は、戦神でも手もこまねいたという。”


もしかして俺のことで怒りに染まっているのだろうか。そう考えると、一抹の嬉しさと申し訳なさを抱く。


俺の代わりにやってくれているのなら、ノゾミにこれ以上させてはいけない。


カリナさんが回復魔法をかけてくれていたようだ。体は十全とは言い難いが、ノゾミを止めるのには十分だ。


安静を要求する体を無理矢理動かしノゾミの視界を塞ぐように抱く。


「ノゾミ!ごめん。ありがとう。でも、もういいよ」


短い言葉だけど、伝わっただろうか。ノゾミからは後悔の念が絶え間なく押し寄せてくる。


「もう、いいんだよ。ありがとう、ノゾミ」


ノゾミは意識を失ったようだ。止まってくれてよかった。


本当にありがとう、ノゾミ。


◆◆◆


犯人の正体は、俺の幹部に選ばれたため、辞めさせられた元幹部だった。


ギルド側はこの件について無関係であると主張し、俺に賠償金を払ってきた。口外しないようにと言う口止め料も含まれているに違いない。


こういうのは、もうご免なので幹部任命状とともに賠償金をギルマスに返還した。


ノゾミはあの日からまだ目覚めていない。もう5日目だ。


事件の次の日、回復魔法で怪我は治ったのでギルマスに会った後、すぐにギャルンをでた。


留まり続けると余りよくないことが起こりそうで怖くなった。


今は、森の洞窟の中で暮らしている。自然に囲まれた空間の方がノゾミも起きてやすいかも知れない。


ノゾミ、早く目を覚ましてくれ。お前のいない生活はもう考えられないんだ。


◆◆◆


少々はしたないが、勢いよく扉を開ける。


「失礼します、ギルマス」


「おぉカリナか。どうした」


「この一件、あなたの仕業ですね」


「証拠はないだろう。憶測で物を言ってはいかんぞ」


「証拠はありますよ。それによるとノゾミですか?あの黒い鳥の力が知りたかったようですけど」


凶行に及んだ元幹部の部屋には、念のためにと用意していたのであろう記録石にギルドマスターからの命令が一言一句漏らさずに残されていた。


「ちっ!使えん屑め。あぁそうだが?それがどうした」


「ど、あなた何やったか分かってるんですか!これはギルドの信用に傷をつける行為ですよ」


「問題ない。どうせ儂はもうすぐいなくなるからな」


「そういう問題ではありません。あぁそうだ、私は幹部を辞めますから」


「辞めてどうするのだ」


「冒険者に戻ります。彼を支えることにしたので」


早く鍛え直さなきゃ。目の前で倒れる姿はもう見たくない。


「ふんっ精々、その目を大事にするんじゃな」


「言われなくとも。この件は本部のギルドマスターに上申しておきましたので。では」


もう荷物整理はすんでいる。セナーテをつれてさっさとここを出よう。


裏口にはもう準備万端のセナーテがいた。


「あ、師匠。もう行きますか?」


「あのゆったり口調はもういいの?」


「まぁ演技ですし」


「さぁさっさとジェナス迷宮に行くわよ」


「え、追いかけるんじゃないんですか?」


「今のまんまじゃダメよ。鍛え直さなくちゃ」


「えぇ~」


「あんたもその目、さっさと使いこなせるようにならなきゃダメよ」


「分かってますよ」


ジェナスに向け進む彼女たちの目は、いつもの碧眼からカリナは水色、セナーテは青色に変わっていた。

なんと慶明の周りには魔眼持ち5人!

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