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ヤんでるクイナ?

今回、グロいです。お気を付けて!


※若干の修正を入れました。

ギルドのロビーは、一時静寂に包まれた。まさか、目の前で幹部誕生の瞬間が見られるとは思っていなかったからだ。


俺は大勢の前でBランクの記章を受け取って幹部の任命書を渡されて気恥ずかしかったせいでもあるし魔力察知が常時発動していないせいでもあると言える。


まぁ何が言いたいかというと、俺は油断していた。


カリナさんが俺に任命書を渡そうとした時、殺気が俺の体を真横に通り過ぎた。


「死ぃねぇぇぇぇぇ!!」


殺気のした方向を見ると20を超える火球が宙に浮いていた。1回の発動でこの数とは、中々に高レベルの魔法職だ。


多量の火球が俺とカリナさんに高速で接近する。


「『クァァ』」


ノゾミが俺の前に魔法防壁を張ってくれた。でもな、それじゃあカリナさんまでは守れないんだよ。


防壁の範囲外にいるカリナさんを抱き込み火球から守る。急に動いたせいノゾミは俺の頭から落ちてしまった。でも、ちょうどいい。


「くぅ」


歯を食いしばって衝撃と熱を耐える。何発食らったかは知らないけど、無防備の俺の意識を奪うのには十分だった。


「ひゃはっ!殺した。殺したぞぉ。俺はやった。俺の地位は守られた!」


その時、ロビーを黒い波動が襲った。


◆◆◆


それは突然やってきた。慶明に火球の大群が殺到した瞬間、“理性”という名の鎖が生まれ、本能を縛り付けた。だが、その鎖はすぐに弾け飛んだ。


生まれてからの色のない無機質な記憶に、感情という絵の具で色鮮やかに彩られていく。


初めてパパの敵を殺した時、パパは我が子のように褒めてくれた。“嬉しく”なった。


ゴブリンに犯されてなお生きる決断をした女の子達の健気な笑顔には胸が締め付けられた。“哀しく”なった。


パパと一緒にいっぱい遊んだ。私が何かをする度に笑顔の量が増えていった。“楽しく”なった。


パパに沢山の火球が当たった時、“怒り”が沸いた。敵に、そして自分に


視界が真っ赤に染まった。


許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。


万死など生温い、死より恐ろしい地獄を与えてやろうぞ!『絞首』発動!


「う、ぐ、あ」


敵は喉元から何かを外そうともがきながら重力を無視して浮き上がる。


まだまだ序の口ぞ!『はりつけ』発動!


「かはっ、うぐっ」


敵をロビーの壁に大の字にたたきつけ、両の掌・両肩・腹部・両足のすねの7カ所に見えない杭を打ち込む。


これからが本当の地獄ぞ!『呪殺:幻覚』


「ひっ、く、来るな。来るなぁー!あぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


周りから見れば、突然喚きだしたように見えるだろう。でも、本人は身体中を虫が這い回り、その身を食われる光景を見ていることだろう。


「ぎゃぁぁぁ、あ、がっ」


意識を失ったのか力なくダランとしている。


まだ眠るには早い時間ぞ!『回復術式』


気付けを行い無理矢理に起こす。


精神の次は現実で苦しんでもらおうぞ!『呪殺:腐れ病』


腐れ病とは、その名の通り骨の一片まで体が腐ってしまう病だ。罹る確率はかなり低いが、一度罹ったら治らない。


みるみる肌の色が変わっていく。たった5本の杭で腐りかけた60キロの男を支えられるはずもなく、少しずつ体が重力に引かれて落ちてゆく。


「あ、あ、あ、あ」


もう叫ぶ気力もないか。そうだ、苦しめ。もっと苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。苦しめ。ほぅら、もうすぐ地面ぞ。『反転術式』


重力の向きを変え敵の体を浮かす。そして、


落とす!


「あぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」


いいぞいいぞ。もう1か―――


不意に体が温かい物で包まれ、視界が真っ暗になった。


「ノゾミ!ごめん。ありがとう。でも、もういいよ」


パパが何のことを言っているのかちゃんと分かる。


防壁の範囲から出て“ごめんね”。


俺のことで怒ってくれて“ありがとう”。


何でパパが謝るの?悪いのは私なのに!手を抜いて、動かせもしない魔法防壁一枚しか出さなくて。私が最初から反転術式を使っていれば、怪我を負うこともなくて。


「もう、いいんだよ。ありがとう、ノゾミ」


理性の鎖が本能を優しく包み込み、視界が元に戻った。


ノゾミは体全体で慶明の温もりを感じながら意識を失った。

霊獣は理性が生まれた段階である程度の教養を瞬時に習得する、という設定です。

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