正体
※変更しました。
「でも、使命がある以上、別れは必至だな」
→「でも、使命がある以上、別れの日が来るかもしれないな」
※ノゾミに関する聖書の内容を修正しました。案をくれた方ありがとう!
次の日、といってももう昼頃。俺は街の図書館、といってもそんな大きくない、でノゾミの種族名を調べていた。
魔力が回復してから閲覧石を使ってノゾミのステータスを見た。とんでもなかった。
◆◆◆
ステータス
名前:ノゾミ 種族:ウォーズ・フルム 年齢:0歳
使命:戦神の守護 LV.1 佐藤慶明の守護 LV.1
MP:3,000,000
筋力:D
魔法力:S
体力:D
忍耐力:D
精神力:B
運:B
権能
守護<防壁展開・反転術式・支援術式・回復術式・武具化・身代わり>
慈愛<浄化術式・再生術式・沈静術式・呪殺・磔・絞首>
称号
魔力変質種
霊獣
連れ去られし守護者
慈愛の象徴
契約獣
◆◆◆
身体能力だけ見たら並以下だが、守護者やら霊獣やらヤバイ物が多すぎ。
“ウォーズ・フルム”なんて種族名も聞いたこと無い。ということで調べ物をすることにした。
一応、普通の動物からそこら辺の魔物まで調べてみたが、どれも違った。
「あ、あった」
見ていたのは聖書。それによると、
ウォーズ・フルム
戦神ウォーズの守護を使命としその名を冠する霊獣。フルムとは“満ちる者”を意味し穏和な気性を持つと伝えられている。その慈しみの心は山より高く海よりも深いと言われ、慈愛の象徴ともされている。しかし一度、激怒した時は戦神でも手を焼いたという伝承がある。
ウォーズフルムは、天寿の永い霊獣としては比較的短命で、自らの死期が近づくと次代の卵を残しこの世を去ると言われている。純白の羽毛を持ち(諸説有り)、体長は2メートル程(成体)と小柄。
また、神話―神魔大戦―において戦神が身に纏っている「アブソリュート=ガーディアン」という外套は、ウォーズ・フルムがその身を以て戦神を守護し共に在る為に武具化した、という説が有力である。
うぉう、こいつそんなすごいのか。当の本人は俺の頭の上でよく分からないという表情をしている。いや、本鳥か?
「取り敢えず隠す方向で」
ノゾミそのものが面倒ごとの塊と言っても良いかもしれないが、こいつは俺の契約獣。絶対、守ってみせるぜ。
「でも、使命がある以上、別れの日が来るかもしれないな」
たとえ別れが来るとしても戦神に感謝されるぐらいに大事に育ててやるよ!
「こいつ体毛、黒なんだけど」
やっぱ俺が魔力注ぎすぎたせいだろうか。魔力変質種ってなってるし。
ちなみに魔力変質種とは、体内に存在している魔力が最初から練られた状態で存在しており、魔法・魔術の規模が3分の2になる代わりに威力が2倍になるというぶっ壊れ性能を持つ種なのだ。
「まぁいいか。諸説有りってことだし。そうだ、ギルドに従魔申請しないと」
◆◆◆
もうお昼過ぎなので、カリナさんはいなかった(だいたい早朝と夕方のみ)。その代わりセナーテがいた。セナーテ働き過ぎじゃね?いつもみるんだけど・・・
「きゃー、その子、可愛いー」
お前は今時の女子高生か!まぁ可愛いのには同意してやろう。てか、超可愛い。
「だろ。俺の従魔なんだ。名前はノゾミ。従魔申請するから用紙頂戴」
「はいはぁーい」
む、種族名なんて書こう。ウォーズ・フルムなんて書けない。
「なぁ種族書かなくちゃダメか?」
「あ、分からなかったらいいですよぉ。分かったら書き込んで下さいねぇ。その場合ぃ、特徴欄にある程度の容姿を書き込んで下さぁい。」
「あいよ」
セナーテがカウンターの向こうからノゾミを触ろうとしているが、警戒されて触らせて貰えていない。
「はい、紙。ノゾミ、おりて」
こう言うと、頭から肩に移動する。なんとなく意思疎通は出来るようになった。
「はい、どうぞぉ。従魔の印ですぅ」
小型従魔用のネックレス式だった。銀色だから黒のノゾミにつけるとオシャレ度が一段と増すね!
「連携の練習に依頼に行ってくるよ。なんか良さ気なの無い?」
「ありますよぉ。こうゆうのどうですかぁ?」
提示されたのはゴブリンの巣の殲滅。最近出来たばかりで小規模らしいからちょうどいいな。
「分かった。これを受けるよ」
「はぁ~い。頑張って下さいねぇ」
「はいはい」
かっこよくギルドを出ようと思ったらノゾミのおかげでバランスがとれず変な歩きになってしまった。