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地平線

掲載日:2007/05/03

何も考えたくない・・・夜が恐い、眠れないよ。


私は気を紛らわせるために、深夜の散歩をする事にした。寂しいので歌いながら歩く。


「おい近所迷惑だぞ」


むぅ。知らない男の子に声をかけられた・・・あ、でも、結構いい男かも。

年下か? かわいい系かな。って何考えてるんだ私は・・・。


無視して歩く。もちろん歌い続ける。


男の子が後ろから付いてきた。邪魔だな〜。


あ、私の歌声に惚れたのかな? まず無いだろうけど・・・。


ん〜何か気になる、私は立ち止まると、男の子に話しかけてみた。


「何で付いてくんのよ」

「たまたま同じ方向歩いてるだけ」

「あっそ」

「・・・」

「私の歌に惚れたの?」

「かもしれない」

「じゃあいいや付いてきても」


まあ、そのうち居なくなるだろう。私はまた歌いながら歩き出した。


歩いていると歩道橋が見えてきた。渡ってみる事にする。


上まで行った後、手すりに身を乗り出して下を見つつ、ここから落ちたら死ぬかな?

そんな事を考えていたら、いきなり肩を掴まれ引きずり降ろされた。


見ると、さっきの男の子だった。


「まだ付いてきてたの?」

「・・・」

「飛び降りるとでも思った?」

「思ったよ」


別に死ぬ気はなかったのだけど、からかう感じで言ってみる。


「なんで止めんのよ」

「生きてて欲しいから」

「別にあんたに関係ないでしょ」

「もう関係あるよ。話をしたし」


う、嬉しいかも。何かくやしい。


「なら責任とってよ」

「は?」

「死ぬの止めたんだから生きてて良かったと思わせろ!」


自分でもむちゃくちゃ言ってるのがわかるけど止められなかった。


「わ!」


急に腕を掴まれた。


「こっちにこい」


私は引きずられるように付いていく。


「どこ行くのよ!」

「良いから黙ってろ」


恐い。もう自棄だ。どこでも連れて行け。


彼はどんどん歩く、道は上り坂、いい加減に疲れてきた。

もう限界だと思った時に彼が歩くのを止めた。着いたらしい。


「着いたの?」


彼は時計見て、ぶつぶつ言っている。ヤバイよこの子。彼はある方向を指差して言った。


「あっち見て、もう少しで時間だから」

「う、うん??」


私が何も起こらないじゃと彼を疑いだそうとした時、地平線が明るくなった。


「ここがこの辺で一番綺麗に見える所だと思う」


私は彼の言葉なんて聞いていなかった。凄く綺麗で無意識に泣いていた。


うわ、何感動してるんだろう私。泣くのなんていつ振りだろう。


「生きてると良い事あるだろ?」


彼がハンカチを差し出しながら得意そうに言った。

何かムカつくんですけど・・・私は乱暴にハンカチを受け取る。


「かもね」


彼が凄く嬉しそうに笑った。私もつられて笑顔になる。


生きていて良かったと少しだけ思った。







終わり。

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― 新着の感想 ―
[一言] 胸にくるものがありました。女性の”ツン”(デレ)具合が見事だなと。流行のケータイ小説でしょうか? この文字数で見事だとおもいます。
[一言] 感動しました。心が暖まるお話しですね。 文法やストーリ構成も上手だと思うので、読みやすかったです。
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