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lucid love  作者: 朱希
本編
21/25

19

少し遠回りをしようか






もっと空を見上げるために







一歩踏み出そうか







明日を紡ぐために









lucid love 19











「るー!!!!」

七海たちはライブ終了後楽屋を訪れた。

一樹は瑠唯の姿を見つけると一目散に駆け出す。

瑠唯がしゃがんで一樹を抱きしめてあげると一樹は泣きだした。

「どうしたの?一樹」

「ずっと待ってたんだよ。お前のこと。なー。」

美羽が一緒にしゃがみ一樹をなだめる。

「ほら一樹、良い子にしてたら瑠唯に会えただろ?」

美羽が一樹の頭を撫でながら言うとコクンと頷いた。

「いつき、いっぱいおてつだいしたっ!!いっぱいおともだちとあそんだよ?そしたらままとみー、るーがかえってきてくれるってやくそくしたの」

上ずりながら一生懸命説明してくれる。

「そうだね。るーも寂しかった。るーは帰っていい?」

瑠唯は一樹の顔を見つめる。

すると一樹は嬉しそうに笑った。

「うんっ!!るーかえってきてっ!!」








後ろの方では七海が他のメンバーに挨拶をしていた。

「はじめまして、瑠唯の姉の七海と申します。瑠唯がお世話になっています。」

「はっはじめまして、瑠唯と一緒のクラスの立花翔です」

「たっ高橋龍之介っす」

「はじめまして。佐野明と言います。」

突然現れた女の人に思わず緊張してしまう3人。

翔が緊張しながらも七海に話しかける。

「瑠唯、兄弟多いんすね。うちの学校には美羽しかいないからわからなかったっす。」

「あー、えっと…多いとは思うんだけど…」

苦笑しながら七海が説明し始めようとする。

しかしばたばたと一樹が七海に向かってきて途中で龍之介にぶつかってしまい一樹が尻もちをついた。

「ガキ、あぶねえだろうが」

睨みつけると一樹も負けじと龍之介を睨みつける。

「いーだっ!!そっちがじゃまでしょっ!」

「んだとこのガキ!!!」

「龍、落ち着いて」

思わず喧嘩腰になる龍之介をすかさず明が宥める。

一樹もにらみ続けていたが後ろに回ってきた大人に抱っこされてしまった。

「おい、一樹お前いい加減にしろ。お前だけ追い出すぞ。」

「香南さん、落ち着いてください。一樹!駄目でしょっ!!ごめんなさいは?」

七海がコツンと一樹の頭をたたくと一樹がまたもや涙目になる。

「ごめ、なさい」

その言葉に七海は一樹の頭を撫でる。

「さっすが七海ちゃん!ママって感じがする~!」

夏流が後ろからちゃちゃを入れてくる。

すかさず香南が夏流を睨む。

そんな会話に驚いたのはlugnerメンバーだった。

「えっと、七海さん、ママ、なんすか?」

「七海は俺の奥さんだ。」

香南が機嫌悪そうに答える。

その顔に恐怖を感じるlugnerメンバー。

「って、ことはその、子供って…」

「俺と七海の子供だ。」








「ええええええええ!!!!!!」










「まあ、この兄弟関係は複雑だよね。」

「ふふっやっぱ隠してるとこんな驚きがあって面白いよね。」

「俺もなんか一つや二つ隠し事しとけばよかったなー」

呆然としているlugnerメンバーにanfangメンバーはしてやったりと言うような顔をしていた。

「噂では聞いたことあったけど、まじだったのか…」

「やっぱり謎なバンドすぎる…」

ぶつくさlugnerメンバーが呟いていたが雅が苦笑しながら話の中に割って入った。

「それで?anfangの皆さんはどう思ったか感想言わなくて良いの?」

「あっそうそう!!忘れてた!」

夏流が笑いながら舌を出す。

途端に空気は緊張する。

「香南くん、どうぞ。」

周の言葉に香南が頷く。

「俺らじゃない。お前らの音が出ていた。とても、良かったと思う。」

瑠唯の目が見開かれる。

「じゃ、じゃあ…」

「ああ。お前らを認める。」

「よっしゃああああ!」

「やったな瑠唯!!!」

lugnerメンバー一同はそれぞれ喜んでいるが明だけうかない顔をしていた。

「カナンさん、あの質問の続きをください。」







『もし、そこで認められたら、俺たちはどうなるんですか?』








明はこの答えを香南からもらっていなかった。

仮に認められたとしてもそれ以降何もしてもらえないのでは意味がない。

それで食べていこうとするならなおさら。

その言葉に答えをくれたのは雅だった。

「それを今事務所で検討中だ。けれど十中八九大丈夫だと思うよ。なんて言ったってanfangの推薦があるからね。」

「え、ってことは…」

「lugnerの皆さん、ネクストへ入ってくれませんか?」

雅がにこやかに笑う。

七海も一緒に驚く。

「雅さん本当ですか!?」

「うん。」

lugnerのメンバーはもう何も言えないと言った顔をしていた。

「夢を見てるみてえだ…」

「ホントに、ネクストに…?」

美羽も後ろの方で頷きながら喜んでいた。

「ただ、瑠唯はまだ高校一年だし、曲数があまりに少なすぎる。じっくり曲を作ってからでも遅くはねえ。だから二年後だ。二年後にお前らを雇う。それまではできるだけライブハウスで顔を広げておくんだ。いいな。」

香南の忠告にlugnerメンバーは頷いた。

「まあ、二年後にはもう一つ特典が付いてくる予定だから待っててよ」

夏流の言葉に首をかしげる。

「特典…っすか?」

「なつにーちゃん、なに?」

「それは可愛い瑠唯にも言えねえな」

「そうだねえ。一つヒントを言うなら、嬉しいことと悲しいことが一緒に来るかな?僕等のファンでいてくれるならなおさら、ね」

周がとても楽しそうに話す。




「嬉しいことと、悲しいこと?」





瑠唯も頭にはてなマークを浮かべる。

それを見て嬉しそうなanfangメンバーを見るとやはり勝てない相手だなと瑠唯は心の中で思った。

たくさんの拍手ありがとうございます!

これからもよろしくお願いします!

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