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月の元で  作者: 仙幽
1/8

プロローグ

 あぁ、どうしたことかこの渇きは。


 どうしたことか、この砂漠のようなかさつきは。


 この枯渇さは。


 渇く。


 渇く。


 渇く。


 喉が渇く。


 体が渇いていく。


 渇きが体を劣化させていく。


 体が崩れていく。


 あぁ。


 どうすればいいのか、この渇きは。

 

 この呻きは。


 足りない。


 足りない。

 

 ――あなたの悲鳴が


  あなたの恐怖が


  あなたの絶望が


  あなたの心が――



 あなたが足りない。  



 私は目覚めない。



 あなたが、私を求めない限り私は目を開けない。


 

 だから求めてください。


 

 どうか、私を。

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