講演会を依頼した
異世界恋愛小説をこよなく愛する皆さまへ
温かい目で見守って頂けると助かります。
48の国からなるこの大陸。
年に一度、「皇太子殿下」だけが集まる会がある。
それが大陸殿下会だ。
輪番制で毎年開催。
今年の不運の開催国はダイバン国で我が国だ。
俺は皇太子殿下と呼ばれ「殿下」業を生業にしている。名はアーロン。
毎年、伝説級の何かが起きるこの大陸殿下会。
個性的過ぎる面々の集い。
ほら、歴史上の重要人物って、みんな個性的だろう。
みんな、きっと闇であれを目指している。
歴史に名を残す野望があるんだね。
48年に一度しか回ってこないのになぜ、俺の代で回ってくるんだと毎日毎日呟いている。
気が重くて仕方がない。
今日まで、城を挙げて、お迎えの準備をしてきた。
その準備の話はいつかしよう。
今回の大変殿下会の出席者は半数に満たないから、まだ良かった。
例年、そんなものなので今回も数は及第点だ。
正直、出席者が多いと困る。
費用も気もめっちゃ使うしな。
出来るなら、全員欠席と言って欲しかった。
大陸殿下会のパターンは決まっている。
まずは講演会。その後に懇親会だ。
講演依頼は、とある令嬢にお願いをしている。
そのご令嬢は、今回の大陸殿下会にはある理由で欠席の国の公爵家ご令嬢だ。
講演のテーマは
「騙す女、騙される殿下〜婚約破棄をしない、されない賢い対策方法〜」
近年、大陸殿下会でも問題になっているこのテーマ。
今回は講演を快諾してくださったご令嬢の実体験をお話しいただく。
ご令嬢がもうすぐ到着されるらしい。
早速、お出迎えに行こう。
失礼だが、婚約破棄をされていまはフリーのご令嬢。
独身、婚約者なしで殿下業やっていると、自分はご令嬢にとってもいいカモだと自覚している。
相手にされないと思うが…いまはなにかが芽生えると面倒くさい。
「講演会で勉強する前に騙されるなよ。俺」
自分に言い聞かせるように独り言を呟いた。
読んでいただき、ありがとうございました。
クスッと笑って頂けることを目指して殿下業の皇太子殿下の悩みを不定期にサクッと投稿します。
★現在、死に戻り聖女…を真面目に執筆中。
そちらも何卒、よろしくお願いします。