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 Side=サヤ∥Beginning∥『Reload』



 何か叫び声聞こえなかった?

 気のせい?幻聴?・・・気のせいであって欲しいね。


 ストレスかなぁ~・・・マジヤバイなぁ~。

 幻聴聴こえてきたらアウトだよなぁ。その内幻覚とか見えるのかな?


 今の内にストレス発散方法を考えておいた方が良いな。

 例えば弟子一号を修行と言う名目で叩き潰すとか。

 例えば弟子一号を修行と言う名目で叩き潰すとか。


 叩き潰すとか・・・叩き潰すとか・・・叩き潰すとか・・・叩き潰すとか・・・。


 もう叩き潰すで良いんじゃね?

 それ以外に発散方法が見あたらないよね。


 俺は弟子一号の背中を凝視する。


 すると、弟子一号はビクッと震え、此方を見る。

「!?・・・師匠・・・今何か不穏な事考えていませんでした?」


 ・・・鋭い。

「いや、何も考えてないよ?俺今心を無にしているから」


 カロみたく読まれないけど、中々鋭い。

 矢張りツッコミなのか?でも何か最近フォーリがツッコミ役に回っているんだよなぁ~。


 ボケがリノとマドか・・・。


 カロもツッコミ役だったのに最近ボケ始めたし。

 俺はどっち付かずだし・・・。


 矢張り必要か?


「大道芸でも目指すのですか?」


 ・・・ホント嫌だ。

「もう読まないで・・・」


 涙溢れてくる。

 あぁ~・・・零れそう。


 !?


「ん?・・・違和感。何だこれ?」

 体が重い。


「もしかしたらですね」

 カロが笑みを消して呟く。


 すると、フォーリとマドも気付いている。


「魔法?」

 俺は尋ねる。


「違うわね。これは・・・悪魔?」

 マドが答える。


「悪魔の固有能力ってヤツか?」

 フォーリが眉を細めて尋ねる。


「可能性は大ですね。ですが、姿が見えませんしどんな固有能力もハッキリとしていませんしね」

 カロが言う。


「今皆共通しての違和感は体が重いか?」

 俺は確認を取る為に尋ねる。


「足が重く感じるわね」

 マドが足を動かしながら言う。


「肩が重ぇーわ」

 フォーリは肩を回しながら言う。


「動きを遅くする能力ですかね?」

 カロが呟く。


「えっ!?何かあるんですか!?」

 弟子一号はキョロキョロと俺等を見ながら叫ぶ。


 弟子一号の修行の最初の修行は感知とかかな?

 リノも気付いていない様だな。


 さて、何処に居る?

 遠い所から見ているんだろ?


 辺りを見渡すが、人の気配は無い。

 て、事は結構遠くから能力使っているのか?今は少し違和感を感じる程度だ。


 だが、これが目の前に悪魔が現れた時はどれぐらいになる?


 ・・・ヤバイかもな。

 俺は『仙牙龍刀』を取り出す。


 来るなら奇襲。


 神を召喚するか?・・・いや、あまり異存したくは無い。

 神がいないと何も出来ない何て、貫く事なんて出来ないだろうし。


 やるなら俺等の力か。

 だが、リノと弟子一号はどうする?戦う力は持っていない。


 ・・・守る。


 俺はカロ・フォーリ・マドの順で見る。

 3人共理解してくれたのか、小さく頷く。


 カロは右腕の袖を捲り、詠唱する。

「『悪魔と人が混同する―――それは異形か―――それは異様か―――導かれる事の無い―――我はそれでも望む―――背く事でも―――外れる事でも―――我はこの力を行使する―――我の血肉を喰い目覚めろ―――『悪魔を宿す水の腕』』」


 右腕の刺青が消える。


 フォーリも詠唱する。

「『道塞がる者を―――その強靭は矛先で貫け―――『剛力地槍』』」

 先端が三つに分かれた槍が現れる。


 マドはポケットから黒・緑・紫の絵の具か何か入った小瓶を取り出す。


 さてさて・・・此方は準備万端だぞ?何処から来る?


 体が重くなるのと同時に、感知も若干精度落ちているかもな。

 全然解らない。


 ・・・まぁ、元々感知とか得意な訳じゃないし。

 殺気とかには敏感なんだけどなぁ~。


 すると!!


「なっ!?」

 ナイフが投擲される。


 俺はそれを辛うじて躱す。


 数は・・・4本!?

 その内の一つは俺。そしてカロ、フォーリ。


 じゃぁ・・・後1本は?

「!?ジン!!!!!!!」


 振り返り叫ぶ。

 だが、ナイフがジンの喉元めがけ空気を切り裂く。


「『仙牙七刀―――閃光』!!!!!!!!!!!!」

 『仙牙龍刀』の刀身が伸び、投擲されたナイフを弾こうとするが!!


 間に合わない!?

「届けェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!!!!!!!!!」


 だが、


 数㎜。届かない。


「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!」

 ナイフがジンの喉元に突き刺さる瞬間、フォーリが思いっきり槍を突く。


ドゴォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!


 地面が抉れ、ジンも吹き飛ばす。


「ぐあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

 ジンは叫びながら吹き飛ぶ。


「はぁー・・・はぁー・・・手加減したか?」

 俺は息切れしながら尋ねる。

 少し体動かしただけでコレか。


 フォーリも同じらしく、肩で息をしている。

「ふぅー・・・どうだかな。手加減出来ほど余裕は無かった。まぁ、即死じゃねぇーなら治せるだろ?今回はこれが精一杯だ」


 ・・・確かに。

 普段ならアノ程度の投擲されたナイフは簡単に避け、ジンも確実に守れた。

 けれども、この体の重さがそれを邪魔する。


 見切れる筈のナイフを辛うじて躱し。

 守れる筈のヤツを救えなかった。


 ・・・やってくれる。

 奥歯を噛み締める。


 すると、カロが違和感を言う。

「・・・何故男だけ狙ったのでしょうか?」


「・・・確かに。筋肉無い女狙った方が確実だ」

 どうして俺等男だけにナイフを投擲した?


「もしかしたら、男に用があるのかもね」

 マドがクスっと笑う。


「男?・・・俺か」

 何となく解った。


「つまりはあれかぁ?サヤが誰だか解らないから取りあえず男に向かって投げたのか?」

 フォーリが眉を細めながら尋ねる。


「あぁ。悪魔の方では俺は確実に抹殺対象に格上げしているみたいだ」

 確実に狙って来てやがる。


 目的は俺だけか、もしくは『無道』か。

 どっちにしろ、どれも死だ。


「姿が見えない敵にはどうする事も出来ないですね。どうします?」

 カロが尋ねる。


 俺はチラッとリノを見る。

 どうやら体の方が違和感に気付いた用だ。息が荒い。


 それに、相手は悪魔。

 リノはフェニックスの血を引く娘。


 易々と目の前に晒して良いのか?


「・・・マド。リノを頼む」


「えっ?頼むって―――」

 そこまで言って勘づく。


 リノをこの場から遠ざけたい理由に。

 子供は危ないとか、そんな当たり前の事じゃない。


 リノだから危険だと言う事に。


「頼めるか?」

 マドを見る。マドは此方を見つめている。まるで俺の表情から何かを探る様に。

 だが、俺は表情には出さない。


 ・・・お前も聞いたらキレるだろうしな。


「解ったわ。でも、死ぬんじゃないよ?聞きたい事が山程ある。死ぬなら私が許可した後だ」

 マドからふざけた雰囲気が消え、リノに近づく。


「大丈夫?」

 リノの肩に手を置きながら、優しい声で尋ねる。


「う、うん。・・・なんとか・・・」

 リノは笑顔を作ろうとするが、顔の筋肉が上手く動かないのか、引き攣っている。


「おいで」

 マドはリノの手を引き、この場から離れる。


 リノは躊躇った表情で此方を見る。


 ・・・お前はまだ、知らなくて良い。

 復讐を。


「あぁ~・・・ジンも拾っておくから。心配しないでね」

 後ろからマドの声が聞こえる。


 俺は軽く右手を挙げる。


 俺は一度息を大きく吐く。

「・・・気分は?」


「「最悪」」


「調子は?」


「「最悪」」


「準備は?」


「「十分」」


「デッド・オア・アライブだ。塵も残さず殺す。異論は?」


「「・・・無し!!!」」


 目の前に広がる森を見据える。

 敵は悪魔。数は不明。能力も不明。


 既に此方は相手の手の中。

 圧倒的に不利。


 だが、負ける気は更々無い。

「さっさと姿見せろやァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!」


 叫ぶ。空気が震える。


 すると、森から一斉に鳥達が飛ぶ。


 来る。


「お前等三人の内・・・誰がサヤだ!?」

 叫び声が森から響く。


 すると、森の闇から白い仮面が現れる。

 ・・・アレが今回の悪魔か。


「答えろ!!!お前等の内誰がサヤだ!?」


「・・・誰だと思う?」

 俺はニヤリと笑う。


「・・・フンッ!!まぁー良いだろう。どうせ、皆殺しなのだからな!!!」

 叫びながら、仮面の悪魔はナイフを取り出す。


 そして、そのナイフを俺等に向かって投擲する。


 これなら避けられる。


 すると、


「避けるのじゃ駄目です!!!!!」

 カロが叫ぶ。


 その声で、気付く。

 体が・・・動かない。


ブシュ!!!!ブシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!


 横っ腹にナイフが一本突き刺さる。


「ガハッ!!!」

 何だ・・・これ?


「辛うじて左腕か・・・痛い出費だぞ、おぃ」

 ふと、横を見るとフォーリの左腕にナイフが何本か突き刺さっていた。


「お前・・・」


「んぁ?完全に避けている暇無かったからな。左腕を捨てた」

 フォーリは簡単に言い切る。


「ふぅ~・・・私も足に数本掠っただけでした。あの悪魔は投擲のセンスが皆無ですね」

 後ろからカロの声が聞こえる。


 ・・・と、言う事はヤバイのは俺か。

 クソが。頭に血昇り過ぎた。


 だが、これでハッキリとした。

 アイツの固有能力は相手の動きを封じる。しかも距離よって変わるのか。


 それを知るのに腹に一本と、右腕を代償か。重すぎるだろ?


 俺の怪我の状況は?

 ・・・出血が少し多いな。エルを召喚するか?


 いや、何か違うな。

 変な意地だが、これは完全な俺のミス。


 それに、多少血が抜けた方がスッキリするだろうよ。


「あぁ・・・俺はノーコンだからな!!!仕方が無い!!だが、その傷で動けるか!?無理だろ!?無理だろ!!!だから死ね」

 仮面の悪魔は此方に駆けて来る。


「チッ!!これ以上近づかれた厄介だ!!カロ!!!」


「解ってます!!!!!!」

 カロは右腕を前に突き出す。


 そして、

「『破壊される事の無い源は水―――命は全てを包む―――『水界・鱗』』」

 カロが詠唱した瞬間、俺等の前に巨大な水の壁が現れる。


「足止め程度です!!!」

 カロが叫ぶ。


「フォーリ!!!!!」


「解ってる!!!!!!!」

 フォーリは持っていた先端が三つに分かれた槍を構える。


 そして、

「そこだァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!」


 水の壁に向かって投擲する。

 槍が水の壁を貫く瞬間に、水の壁に槍が通る程度の穴が出来、それを通り槍が水の壁の向こうに行く。


「ぐがあああああああああああああああああああああああああ」

 水の壁の向こうから叫び声。


「当たったか!?」

 フォーリが叫ぶ。


 見えない所からの攻撃だ。そう簡単に・・・・、

「!?フォーリ下がれ!!!!!!」

 俺はフォーリに向かって叫ぶ。


「んぁ?どう――――!!!!!!!!!!!!!!!」

 フォーリが最後まで言い切る前に、


ブシュゥ!!


 胸にナイフが突き刺さる。


「――――なっ!?」

 フォーリはそのまま後ろに倒れる。


「フォーリィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!!!!」


「ガハハハッハハハ!!!!!無様!無様!!」

 壁の向こうから笑い声が響く。


 あの野郎・・・上から投げやがった。

 だが、どうやって胸に刺した?


 ・・・魔力か!?


「カロ!!退け!!!アイツのナイフには魔力追尾の能力が付いている!!このままじゃ串刺しだ!!!!!!!!」

 俺は後ろを振り向き、叫ぶ。


「なっ・・・固有能力が二つですか!?」


「そんなの知るか!!!兎に角退け!!!クソっ!!神に頼らないとか言ってられないぞ!!」

 俺が目を瞑り、神を召喚しようとした瞬間、


「させるか」

 後ろから声。


「なっ!?」

 目を開き後ろを振り向いた瞬間に、


ブシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!


 さっきナイフで刺された横っ腹から大量に血が噴き出す。


「な・・・に・・・?」

 後ろに倒れそうになるのを、必死に踏み止まる。


「・・・テメェー・・・・」

 俺は血を吐き出しながら、目の前に居るモノを見据える。


 目の前には・・・仮面。あの悪魔の仮面。

 だが、あの悪魔が居る訳ではない。

 完全に仮面だけが宙に浮いている。


「何だ・・・テメェー・・・」

 血を流し過ぎて、頭がクラクラする。


 すると、仮面に書かれた口が吊り上がる。

「ククク・・・愚かだな。自分の力を過信したのか?愚かだ」


 仮面は舐めた事を言う。


「んぁ?・・・テメェーも・・・悪魔か?それとも・・・悪魔の能力か?」


「その質問はどちらも正解だ」


「・・・・舐めてんのか?」


「クク・・いや、真面目な話さ。さて、もうこのぐらいで良いだろう?そろそろ辛そうだしな。死ね」

 そう仮面が言った瞬間、仮面の周りに数十本のナイフが現れる。


「手品か?・・・残念ながら現代っ子は・・・・そう言うの肥えてるんだよ」

 俺は乾いた笑みを浮かべる。


「ククク・・・死ね」

 ナイフが俺めがけて放たれる。


 弾く?躱す?捌く?


 クソが!!体が動かない!!!!!!!


「『手を差し伸べ守れ―――水繭』」

 後ろから声がしたと思ったら、水が俺を包む。


「なっ!?」

 すると、ナイフは水に突き刺さるが、貫く事が出来ずに落ちる。


 俺は水の中で後ろを振り返ると、カロがニコリと微笑んだ。


 助かった。マジ死ぬかと思っ・・・・、

「カロ!!!!!!!!!!!!!!」


 カロの後ろにナイフを翳した悪魔が立っていた。

 あの悪魔・・・仮面していた奴か!?


 ヤバイ!!!!!!!!


「死ねェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!!!!!!!!」

 悪魔は叫び、カロめがけてナイフを振り下ろす。


 カロは完全に不意を突かれ、そして悪魔の能力で動きが取れない。


「『五体刺死―――天罰の槍』」

 小さく声が響く。


 その瞬間、宙から5本の槍が現れて悪魔の体に3本。喉に1本。そして額に1本突き刺さった。


 悪魔は言葉を発する事もなく、後ろに倒れる。


「フォーリ!!!!」


 フォーリは倒れながら手を軽く振っていた。

 すると、体の重さが一気に無くなる。


 それと同時に俺を包んでいた水が弾け飛ぶ。

「・・・・これなら」


 俺は仮面を見据える。


「クッ・・・ヴィネが・・・ヴィネが・・・・」

 狼狽えているのか?・・・好都合。真っ二つにしてやるよ。


 『仙牙龍刀』構える。

 そして、振ろうとした瞬間―――、


「お前はその剣を地面に捨てる!!何故なら・・・私が勝者だからだ。塵虫野郎」


 女の声が響く。


 それよりも・・・これは?


 俺が気付く前に、『仙牙龍刀』を地面に放り投げた。

「・・・あのカスの能力」


 地面に転がる『仙牙龍刀』を見つめながら呟く。


「ヴィネは死んだか。愚者野郎」

 後ろで女の声が響く。


 俺はゆっくり振り返る。

「・・・何でお前があのカスの能力を使える?」

 俺は女を睨む。


 女は顔に刺青を入れており、鋭い眼光が俺を見据える。

「んぁ?滓野郎で阿呆野郎の能力を知っているお前がサヤか?男女野郎」


「質問に答えろや・・・」

 殺気を放つ。


 だが、


「お前はそのまま這いつくばる。何故なら私が勝者だから」

 女がそう言い放った瞬間、上から何かに押しつけられる様に地面に倒れる。


「グハッ!!!!!!」

 傷口に響く・・・。


「その生意気な口を縫い付けようか?下種野郎」

 女は静かに暴言を吐く。


「・・・答える気はねぇーのか?」

 俺は必死に顔を上げて女を見上げる。


「義理も糞もねぇーだろ?馬鹿野郎」

 女は蔑む様な目で俺を見下す。


 ・・・嫌な女だ。

「・・・・舐めてんのは・・・どっちだ!!!んぁ!?」

 俺は一気に魔力を放出する。


「なっ!?」

 女は一歩後ろに退いた。


「その能力は攻略済みだ!!!ファンキー女!!!!!!!!!!」

 叫び立ち上がる。


「はぁー・・・はぁー・・・」

 ヤバイな。血の流し過ぎと魔力の放出でダブルパンチだ。


 俺は肩で息しながらも、女を睨み付ける。

「・・・俺の視界に入る敵は・・・残らず殺すぞ」


 魔力と一緒に殺気も放つ。

 女は汗を流している。


 これなら!!

 腰から『デザートイーグル.50AE』を抜こうとした瞬間、


「なら、俺にもそれが言えるか?」


 また後ろから声が。

 俺は後ろを振り返り、銃口を向けた。


 俺の後ろに立っていたのは天パの男。

 コイツも悪魔・・・・・か・・・?


「な・・・・?」

 視界が・・・。


 暗闇。先程まで見えていた全てが閉ざされる。


 何も・・・・見えない。

 何も・・・。


 声だけが響く。

「お前の視界に入る敵は殺すんだろ?なら、その視界が閉ざされたらお前は誰を殺す?」


 ・・・近づいて来る。

 目が見えなくとも、気配ぐらいで動ける。


 これぐらいなら――――、


ブシュゥッ!!!!!!!


「ぐがああああああああああああああああああああああああ」

 横っ腹に何かが突き刺さる。


 すると、耳元で声が囁かれる。

「過信するなよ?人間風情が」


 この・・・・声は・・・・。


「サヤァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!」


 この声・・・カロか?

 ガラにも無く叫びやがって。似合わないんだよ。


「さぁ、終わりの時間だ」

 声が響く。


「最初はお前。そして次に今叫んだ男。最後は死にかかっているあの男だ」

 そう囁かれ、歯を食い縛る。


 殺す?誰を?


 舐めるなよ・・・・。

 俺は傷口に突き刺さっているモノを掴む。そこで俺の横っ腹の傷口に突き刺さっているのが手だと解る。


 腕をがっしりと掴む。


「・・・何の真似だ?」


 見えないが、狼狽えているか?それなら傑作だ。

 俺はニヤリと笑う。

「舐めるなよ?」


 足に力を思いっきり入れる。

 そして、後ろに思いっきり跳ぶ。


「なっ!?」

 男は手を引き抜こうとするが、俺が目一杯力を入れているから外れない。

 今度は俺が男の耳元で囁く。

「俺は100メートル程度なら脚力だけで跳べるぜ?」


 後ろにもの凄い速さで跳び続ける。

 跳ぶと言うよりも吹き飛んでいると言った方があっているだろうか?


 俺は空いている右手で『S&W M500』を抜き、悪魔の腹に銃口を当てる。

「まずは痛み分けだ・・・糞野郎」


ドンッ!!



 Side=サヤ∥Out







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