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Side=サヤ∥Beginning∥『Reload』
えぇー只今上空をバイクで滑走しているサヤです!!
現在南門付近では『ローデン王国』軍勢が門に攻撃をしております!!
気が抜けない状況です。
それでは、新しい情報が入りました直ぐさまお知らせします!!!
では、現場からサヤでした。
・・・何やっているのだ俺?
はぁ~・・・人がゴミの様だ。
4万って少ないらしいけど、こうして見たらやっぱり多いな。
良く俺これを相手にするとか言ったよ。
マジ・・・帰りたい。
「あぁ?どうした?」
後ろに乗っているフォーリが尋ねて来る。
「ん?いや・・・怠いなぁ~って」
俺は溜息を吐きながら答える。
「まぁ、直ぐ終わるでしょ」
カロが横でニコニコ微笑みながら言う。
「どうすれば簡単に終わる?」
俺はカロに尋ねる。
「そうですね。簡単に終わらせるには指揮官を殺すのが手っ取り早いですが・・・それでは印象が薄いかもしれませんね」
カロが腕を組みながら言う。
「あぁ~・・・そうだな。んじゃ、役割分担でもするか?」
「役割?」
フォーリが後ろで俺に尋ねる。
「そっ!まぁ、簡単に分けるならモート達は国の中に兵が侵攻するのを防いで、俺達で態と大技繰り出して力の差を見せ、最後に指揮官ぶっ飛ばす!的な感じで良いか?」
「それは役割なのですか?結局は大雑把なだけでは?」
カロが何か文句を言っているが、気にしない。
「それじゃぁ~・・・モート!!ぶっ放せ!!!!」
俺はモートに叫ぶ。
「ティハッハハ!!任せとけ!!俺の炎は全てを焼き尽くすぜ!!!!」
叫び、モートは手に炎を生み出し、南門に集まる軍勢をめがけて炎を飛ばす。
ドゴォォォォォォォオオオオオオオオオオォォォォォォォン!!!!!!!!!!
巨大な炎が軍勢に放たれ、そして燃えさかる。
「ワァオ♪凄まじいな・・・んじゃ、下りますかね?」
そう俺が言うと、皆頷き炎を背に降り立つ。
皆驚いているな。
後ろから人間の焼ける臭いがプンプンするな・・・嫌な臭いだ。
あの黒い馬に跨っているのが大将か?
・・・まだ他の兵士達が戸惑っているな・・・。
一発かますか?
「我等は『無道』!この戦争を潰す者達だ!殺されたくないのなら己で首を落とせ!!死にたくないのなら背を向けて逃げろ!!!その背中を・・・切り刻んでやるよ」
俺が叫ぶと、兵士達が一斉に俺を睨む。
怖い、怖い。
まぁ・・・それぐらいの殺気は必要だな。
すると、黒い馬に跨っていた少し小太りの男が叫ぶ。
「お、お、お前等は何者だ!!何が目的だ!!!!」
「今言った通りだ!!俺等は『無道』!!この戦争に勝手に介入して潰させてもらう!!」
そう俺が叫ぶと、小太りの男は更に叫ぶ。
「な、何だそれは!!!貴様等はたったそれだけの人数で我々に勝てると思っているのか!?我々の数は4万!!お前等だけで勝てると思っているのか?お前等には―――」
「黙ろうか?糞野郎」
俺は小太りの声を遮り言う。
「なっ!?貴様誰に―――」
「黙れよ。テメェー口臭は生ゴミ臭くてたまったもんじゃねぇー。何時も何食ってるんだ?」
俺は小太りの男を指さしながら挑発する。
「なっ!!!貴様ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
小太りは予想通り挑発に乗る。
やりやすいなぁ~。と、思っていると小太りの男の様に黒い馬に跨る細身の男が口を開く。
「コツザ・・・少し落ち着け」
細身の男が言うが、
「黙れ!!お前は黙ってろ!!!」
小太り男は完全に我を忘れている。
すると、
「あぁ~・・・お前等確か『無道』って名乗ったよな?それって何だ?」
無精髭を生やした男が顎を触りながら尋ねてくる。
・・・少し雰囲気違うなぁ。コイツが実質のこの部隊の指揮官か。
「組織名だ。覚えといて損は無いぞ?」
「んぁ?・・・そうか!そうか!!・・・だが、此所でその組織が消えたら・・・覚える必要は無いだろ?」
無精髭の男はそう言った瞬間、全方位から魔法弾が放たれる。
ドゴォォォオオオオオオォォォォオオオオォォォオオオオオンッ!!!!!!!!!
直撃。
炎が燃えさかる。
「ゲハッハハハハハ!!!!容易く死にやがって!!!つまらないなぁ!!ゲハッハハハハ!!!!!」
・・・。
「・・・ショータイムだ」
「なっ!?」
俺等は一斉に炎の中から飛び出し、各々動き始める。
殺戮ショータイムの―――始まりだ。
Side=サヤ∥Out
Side=第三者∥Beginning∥『Reload』
炎が燃えさかる中、始まる。
「ティハッハハ!!燃えさかる炎の凄まじさ・・・冥土の土産に刻め!!!!」
モートは両手に炎を生み出し、放つ。
その炎は兵士達を包み込み、燃え上がる。
「グガァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!」
「熱い!熱い!熱いィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!」
兵士達は必死に逃げ回るが、その炎は消えず燃やし続ける。
炎に焼かれ叫び声が響く。
だが、その断末魔の叫び以上に、
「ティハッハハ!!!!!!!!!」
モートの笑い声が響く。
Scene→Change
「ふふ・・・久しぶりに血が滾るわね」
カーリーは二本の剣を抜きながら、辺りを見渡す。
そして、
「おいで・・・遊戯をしましょうか?」
カーリーの眼の色が赤く染まる。
そして、唇を舌で舐める。
ブシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!!!!
兵士達の首が一瞬で体から離れる。
そして、カーリーの持つ剣には血が滴っている。
全部が一瞬。逃げる暇。進む暇。全てを与えぬ速度。
命乞いの時間は一秒すらも無し。
首無しの兵士達は支えが無くなった様に崩れ落ちる。
血の雨が降り注ぐ中、カーリーは笑みを浮かべて叫ぶ。
「遊ぼうじゃないか!!!!死にもの狂いで・・・手足を動かしな!!!!!!!」
Scene→Change
「餓鬼がぁぁぁぁ!!!!!!」
一人の兵士が剣を翳しながらクロノスに向かって走り出す。
クロノスは頬を膨らませ、叫ぶ。
「餓鬼って言うな!!!!」
クロノスが指を鳴らした瞬間、走っていた兵士の動きが止まる。
「な・・な・・・?」
兵士は困惑する。
すると、クロノスは辺りを見渡し詠唱する。
「『人の時――即ち命――それは灯火――その時を――早めよ――』」
クロノスを中心に、空間が広がる。そして、その中に入っていた兵士達に異変が起こる。
「な・・・・何だこれ?」
兵士達の髪の毛の色が変わっていく。
色素が抜けたように白くなっていき、そして皺が浮き出してその場に崩れ落ちて行く。
「なっ・・・何だこれは?」
兵士達の声はヨボヨボに掠れている。
その様子を見ながら、クロノスは悪戯に微笑む。
「ハハハ!!老いのスピードが速まっているんだよ?」
そして、指を鳴らす。
その瞬間、兵士達が次々倒れて行く。
静かに・・・死んで行った。
クロノスは満面の笑みで言う。
「さようなら♪」
Scene→Change
テフヌトは空中に浮かびながら、両手を空に挙げて目を瞑っている。
そして、唱える。
「『天候は雷雲――降り注ぐは雹――命を貫く』!!!!!!」
空に黒い雲がかかり、稲光する。そして、巨大な雹が大量に降り注ぐ。
雹が、兵士達が纏う鎧ごと貫く。
「ぐがあああああああああああああああああああああ」
「ぎゃああああああああああああああああああああああああ」
響き渡る悲鳴。絶叫。断末魔。
全てを貫き地面に食い込む。
地面一体が雹によって氷で覆われている。
「簡単ねぇ~・・・カーリーやモートとは違うけれど、もう少し楽しませてくれないかしらねぇ?」
死に行く兵士を見下ろしながら、呟く。
空から雹が降り続け、死んだ兵士達を射貫き続ける。
虐殺。それ以外にこの惨状に合った言葉は無いだろう。
神々の力。4万もの兵力は、たった4人に1万まで減らされた。
Scene→Change
カロナス=ナイハ神々を見ながら身震いをしていた。
「・・・これが神の力ですか。凄まじいですね。これだけ見たら、私達の方が悪ですね。まぁ、悪人を名乗っている人がリーダーですから、仕方有りませんけど、ね?」
カロナスは辺りを見渡しながら微笑む。
辺りにはカロナスを囲む様に兵士が剣を構えている。
その姿を見ながら、溜息を吐く。
「はぁ~・・・私でもこれ程大量に相手をするのは初めてですね。死が目の前にある光景は凄まじいですね」
カロナスはそう言いながらも、腕の裾を捲る。
青い刺青が光り輝く。
「・・・さて、始めましょうか?」
その瞬間、青い刺青が弾ける様に消える。
そして、右腕が水に包まれる。
「行けぇぇ!!!!!!!!!」
1人の兵士が叫んだ瞬間、取り囲む兵士達が一斉に走り出す。
その様子を見ながら、カロナスは小さく呟く。
「・・・魔法使いに対してその戦い方は・・・駄目ですよ?」
カロナスを包むように、水が現れる。
そして、カロナスを包む水から銃弾の様に兵士達めがけて飛び出す。
「ぐがあああああああああああああああああああ」
「あぁあああああああああああああああああああああああ」
兵士達がその場に崩れて行く。
「なっ!何だよ!!!!コイツなんだよ!!!!!」
1人の兵士が叫びながら逃げ出す。
それが伝染し、他の兵士達も武器を捨て逃げ出す。
その姿を見ながら、カロナスは呆れた様に溜息を吐く。
「敵を前に逃げ出す。兵士としては駄目ですが、人間としては合格だと思いますよ?・・・人は誰しも、死にたくありませんからね」
カロナスは右腕を掲げる。そして、詠唱する。
「『呑み込む全ては源の水―――命は全てを包む―――『水界・絶』』」
カロナスを包んでいた水が膨張し、一気に破裂する。
その瞬間、水が渦巻きそして兵士達を呑み込む。
そして、その水が一気に圧縮される。
「ぐぽォ!!!ぐがあああああああああ」
水の中に包まれた兵士達が必死に叫ぶが、それでも水の圧縮は止まらない。
そして、一瞬にして水が1メートル程の大きさになる。
だが、それは水と言うよりも人の塊。
血やそんなものは見えず、ただただ人。
その塊が、力を無く地面に落ちる。
ドスンッ!!!!!!!!!!!!!!
水の塊が地面に食い込む。
それ程の質量。
それを眺めながら、カロナスは呟く。
「・・・嫌な技です。相変わらす」
そう呟きながら、カロナスは辺りを見渡す。
兵士の姿は疎らで、遠くの方で炎や稲光などの光景が見える。
「・・・凄まじいですね。・・・さて、サヤとフォーリはどうですかね?」
そう言いながら、サヤが戦っているであろう場所を見つめる。
静かに、風が吹き抜けた。
Side=第三者∥Out