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Side=サヤ∥Beginning∥『Reload』
ドゴォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!
「なっ!?」
うたた寝していたら、爆発音が響いた。
・・・あれ?この前もこんな感じの無かった?
「一体なんだい!?」
ママさんが叫びながら扉を開ける。
「どうしたのよ!?今の爆発?」
「いやだわぁ~」
「どうしたの?どうしたの?」
オカマ共も各々喚きながらやって来る。
すると、
「・・・南門の方から煙が立ってるわ・・」
ママさんが呟く。
「「「えっ?」」」
オカマ共が一瞬にして言葉を失う。
・・・予想より早くないか?
内通者が知らせたのか?それともフォーリが戦った刺客が?
どっちにしろ、動くか。
俺はゆっくりと立ち上がる。
「行くんですか?」
弟子一号が話しかける。
「あぁ。それが目的で捕まって、国王さん所に乗り込んだ。・・・お前はどうする?」
俺は弟子一号を見ながら尋ねる。
「ど、どうするって言うのは?」
弟子一号は困った顔をしながら尋ね返す。
敬語もちゃんと言っている。満点だな。
「此所に残るか?それとも俺と来るか?」
「えっ!?・・・でも、師匠と一緒に行っても俺、足手まといですよ?」
「それがどうした?俺に弟子入りしたって事は、少なくとも戦いに身を投じる。今から本物って奴を感じても遅くないだろ?」
俺はオカマ共を見ながら言う。
少年はまだ戸惑っている。
「戦えとは言っていない。ただ、俺等を見てろ。守ってはやる。逃げなければ、な」
そう言いながら、俺は弟子一号の頭を強めに掻く。
すると、奥の扉が開いてカロとフォーリがやって来る。
「思った以上に早い攻撃ですね」
カロが微笑みながらオカマ共を見て言う。
「あぁ~・・・リノどうするべ?」
フォーリがリノをおんぶしながら尋ねる。
「わたしもいくぞ!!」
リノが何か吠えているが、そこはスルー。
「ユースにも頼むか。ついでに今の内に全員召喚するか」
俺は目を瞑り、召喚する。
「『答えよ―――主の声に―――姿と癒しの愛を見せよ!!!』」
「『答えよ―――主の声に―――姿と掌握する天候を見せよ!!!』」
「『答えよ―――主の声に―――姿と獣の王の力を見せよ!!!』」
「『答えよ―――主の声に―――姿と永遠の時間を見せよ!!!』」
「『答えよ―――主の声に―――姿と燃える死の力を見せよ!!!』」
「『答えよ―――主の声に―――姿と狂乱する無双の強さを見せよ!!!』」
「『答えよ―――主の声に―――姿と正義の心を見せよ!!!』」
七つの白い魔方陣が出現し、光の中から神々が召喚される。
因みにクー爺は召喚しても何も出来ない(強大過ぎる力だから)お留守番。
てか、クー爺召喚すれば何事も上手く行くような気がする。
でもクー爺は力使わないからね。
「ティハッハハ!!さぁ、暴れるか!!!」
モートが背筋を伸ばしながら笑う。
「ワクワクするわね」
カーリーが日本酒をイッキ飲みしながら恍惚とした表情をする。
「・・・私・・・役に・・・立たない」
エルが小さく呟く。
「国王の護衛とはどの様な事をするのか?」
ケルヌが首を傾げながら尋ねる。
「やったね!やっと召喚だよ!?僕沢山仕留めるよ!!凄いよ!!」
クロノスが笑顔で物騒な事を叫ぶ。
「やっとの召喚だけど、他の皆も居るから結局私の存在感って無いのよね。これってどうすれば空気キャラを脱出出来るのかしら?もしか――――」
テフは何か一人でブツブツ呟いている。
「ふふ。私とリノちゃんはオカマさん達とお留守番ですよ?」
ユースがリノを抱きかかえながら微笑む。
「疲れた。初めてだ。こんな一気に召喚したの」
俺は戦争前に、最早疲れ椅子にヘタる。
「おぉ~始めて見る奴も居るな」
フォーリが神々を見ながら言う。
「私もですね」
カロがフォーリに同意し、神々を見る。
すると、
「・・・アンタ、何者よ?」
今まで外を見ていたオカマ共が此方を見ており、ママさんが尋ねてくる。
「ん?『無道』のリーダー的な事をやらせてもらっているサヤですが?」
俺は首だけ動かしママさんを見て、言う。
「そんな事じゃないわよ!!!人間を召喚って!!アンタ一体!?」
ママさんは興奮しながら言う。
此所での興奮とは性的意味では無いぞ?
「俺はサヤ。それ以下でもそれ以上でもねぇーよ。あっ・・・それと、コイツ等人間じゃないぜ?」
俺はニヤリと微笑みながら立ち上がり、オカマ共を押し退けて、扉の前に立つ。
そして、
「コイツ等は神だよ」
それだけ言って、俺はオカマバーを出た。
後ろで何かギャーギャー言っていたが、気にしない。
俺は一旦立ち止まり、神々に命令する。
「んじゃ、カーリー、モート、クロノス、テフは俺達と来てくれ。んで、ケルヌ、エル、ユースは・・・リノの面倒見ていて欲しいから二人で良いか?」
俺はケルヌ、エルを見ながら尋ねる。
「あぁ。大丈夫だ。我が居れば刺客の一人や二人」
そう言って微笑むケルヌ。
「それに・・・怪我・・しても・・・私が・・治す」
エルが少し自信ありげに言う。
「それじゃ、私はリノちゃんとオカマさん達と居るわ。・・・頑張ってね?サヤ君」
ユースが微笑みながら言う。
「おぅ。余裕だ」
俺は親指を立てて微笑む。
「それでは、行きますか?」
カロが言う。
「早く暴れたいぜぇ~」
流石戦闘狂的な事を言うフォーリ。
「んじゃ~・・・あぁ、どうやって行く?俺はヨーロ召喚すれば簡単だけどさ」
俺は皆を見ながら尋ねる。
「私達は飛べるわよ?カロとフォーリは飛べないの?」
カーリーが酒を飲みながら尋ねる。
「私は一応飛行魔法が使えますが?」
カロがそう言いながらフォーリを見る。
「んぁ?俺か?俺は無理だぜ」
何故か自信満々に言う戦闘狂・・・てか馬鹿。
「ティハッハハ!!それだったらヨーロの後ろに乗れば良いだろ?」
モートが笑いながら言う。
「うぇ?・・・無理!!」
俺は首を横に振りながら拒否する。
「何で?何で?」
クロノスがウザく尋ねてくる。
「もう男は後ろに乗せない!!!」
俺は断固拒否する。
「・・・あのぉ~俺はどうすれば良いでしょうか?」
控えめに手を挙げながら弟子一号が尋ねる。
わりぃ、お前の事忘れていた。
内心そんな事を思ったのだが、それは口にはしなかった。だが、
「すまん。忘れてた」
普通にフォーリが言った。
もうコイツに空気読めない男の称号渡しても良くね?
「そりゃ、酷いですよ」
項垂れる弟子一号。コイツは本物の苦労人だな。ご愁傷様。
「この子なら私が一緒に運ぶわ」
カーリーが言う。
「えっ?ならフォーリを運んでくれよ!」
俺は何が何でも後ろに野郎をもう乗せたくないので、お願いするが、
「この子軽いでしょ?フォーリは大の大人なんだし、体重有るから辛い」
その言葉でもう俺が運ぶの決定じゃん・・・・。
「僕が運ぶ!?運ぶ?」
クロノスが目をキラキラさせながら叫ぶ。ホントウザい。
「アンタは無理よ」
ブツブツ言っていたテフが一言でバッサリ斬った。
「えぇ~」
クロノスは口を尖らしながら不機嫌な顔をする。
もう・・・戦場で召喚すれば良かった。特にクロノス。
「もう良いや。兎に角ヨーロ召喚するぞ?」
俺は目を瞑り、
「『答えよ―――主の声に―――姿と誇る速さを見せよ!!!』」
空中に魔方陣が出現し、そこからヨーロが魔方陣を突き破って登場する。
多分一番格好いい召喚の仕方だ。
ヨーロは空中を滑走しながら俺の横に止まる。
「んじゃ、ケルヌ、エルは頼むな。成る可く、目立たない様に侵入して国王の事見ていてくれよ。もしばれたら、国王か王妃か騎士長にでも説明してくれ。その三人だったら多分ちゃんと聞いてくれる。でも、成る可くは内通者が動いたら行動してくれ」
「解ったぞ!」
「・・・う・・ん」
二人は頷き、そのまま跳び上がり城に向かって消えた。
「ユースも頼むな」
俺はユースを見て言う。
「任せてね」
ユースは微笑む。
「まかせて!!」
リノがユースの言葉を真似て叫ぶ。
「お前は黙って良い子にしてろや!」
フォーリがリノを睨みながら叫ぶ。
・・・良い子にしてろとか・・・お父さんだよね。
「うるせぇー!!ふぉーりに言われたくない!!」
リノもフォーリを睨みながら叫ぶ。
リノの口調がどんどん荒くなっていく。
駄目だよね。女の子なのに。
二人が睨み合っているのを無視して、俺はヨーロに跨る。
「派手にエンジン吹かせよ?初陣だ」
俺はハンドルを握りながら言う。
ブオンッ!ドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!
ヨーロが軽快にエンジンを吹かす。
「んじゃ、行きますか?おら!フォーリ乗れ!!!」
俺は皆を見ながら言う。
「健闘でも祈りますか」
そう言いながら、カロが宙に浮く。
「ティハッハハ!!暴れまくるぜ!!」
モートが叫ぶ。
「ほら、行くわよ少年」
カーリーが弟子一号を抱きかかえながら宙に浮く。
弟子一号は顔を赤くしている。
・・・胸に顔を・・・・コロス!!
俺は変な殺意を抱いていた。
「やったね!!やっとだね!!!」
クロノスが騒ぎながら宙に浮く。
「私も初の大仕事・・・暴れられる・・・ふふ・・・暴れられる」
テフが変にトリップしている。怖い。ドSが発動している。
「始めて乗るが、乗り心地結構良いな」
フォーリが後ろに跨りながら言う。
「掴まって・・・なくて良いや。振り落とされるなよ?」
そう俺が言うと、ヨーロが「待ってました!!!」ばりにエンジンを更に吹かして発進する。
徐々に宙に浮き、空中を滑走する。
「ヒュウ~♪中々だな!!!」
フォーリは下を見ながら叫ぶ。
「んじゃま!!!ぶっ潰しに行きますか!!!!」
俺は拳を掲げ、叫ぶ。
初陣。
成功率は100%。
成る可く目立った勝たせてもらうか。
俺は微笑みながら、煙が立ち上る南門を目指す。
Side=サヤ∥Out
Side=ユースティティア∥Beginning∥『Reload』
行きましたね。
私はサヤ君達を見上げながら、微笑む。
サヤ君・・・少し逞しくなったかしら?
思わずそう思ってしまう。
すると、リノちゃんが不安げな声を出して尋ねる。
「ねぇ~ゆーす。みんなだいじょうぶかな?」
「大丈夫よ?皆強いから」
私は微笑みながら答える。
「ほんと?」
「えぇ、本当よ?」
やっぱり、心配よね。でも、大丈夫。サヤ君もカロもフォーリも強いですし、モート達も付いて居ますしね。問題は・・・やり過ぎないか?と、言う事ですが。
すると、
「アンタ達は・・・本当に何者だい?」
ママさんが尋ねる。
私は微笑み答える。
「私達はサヤ君の従者の様な存在です。そして、サヤ君達は『無道』と言っていましたね」
「その『無道』ってのは?あの子達は全然詳しい事を話さないけど?」
ママさんが心配そうに尋ねる。
「貫く為の組織ですよ。自分達の信念を。その行動が正しくとも、間違っていても、それを貫く組織です」
「間違っていてもって、あの子らは犯罪でも犯そうってのかい!?」
ママさんが声を張り上げて言う。
「そうかもしれませんね。ですが、私はサヤ君がしたいようにすれば良いと思いますよ?私は彼の従者なので」
微笑みながら言うと、ママさんは大きく溜息を吐く。
「はぁ~・・私なんかが止められる筈も無いし・・・まぁ、そん時は拳骨一発で済ませれば良いか」
そう言って苦笑いをするママさん。
男らしいですね。・・・男でしたね。そう言えば。
「・・・アンタ、今失礼な事考えなかったかしら?」
鋭いですね。
「いいえ」
私は微笑みながら答える。
「・・・なら良いけど。・・・さて、私達はお店の中に入っておきますかね。もしもの時は・・・武器を持つ覚悟で」
最後の方は小さな声で言っていたが、聞き取れた。
「武器?ママさん達は戦えるのですか?」
そう私が尋ねると、苦笑しながら答える。
「一応は、ね。あの子達のようには無理だけれど、戦えるわよ。・・・敵が侵入して来ないとも言えないしね。自分の国は自分で守らないと」
そう言いながらママさんはお店の中に入って行く。
ホント、男らしいですね。
「失礼な事言わなかったかしら!?」
お店の中からママさんが叫ぶ。
「・・・有る意味一番凄いですね」
「ねぇ~」
私とリノちゃんは苦笑しながらお店の中に入った。
待っている間暇なので、リノちゃんに女とは何か教えようかしら?
Side=ユースティティア∥Out
Side=第三者∥Beginning∥『Reload』
南門。4万もの兵達が魔法を撃ち、砲台から砲弾が飛び出し、閉ざされた門を攻撃している。
門には多少の傷は入るが、中々に壊せないでいた。
「結界魔法で強化しているのか・・・もっと撃ち込め!!!!!」
ロスドン大佐は叫び、命令する。
すると、隣に同じく馬に跨っている細身の男が尋ねる。
「少し、抵抗が無さ過ぎるのでは?」
「あぁ。少し・・・な」
ロスドンは小さく頷く。
すると、
「ロスドン!!ノマノッテ!!そんな事はどうでも良いのだ!!!これは好機!!この隙に攻撃をして門を叩き破るぞ!!!!」
細身の男の隣に馬に跨っている男が叫ぶ。
「・・・コルザ、そんな簡単に言うな」
細身の男が溜息を吐きながら言うが、
「黙れ!!これ以上の好機は無い!!!」
コツザと呼ばれた男は更に声を張り上げる。
その様子を見ながら、ロスドンは考えていた。
・・・コレは、本当に隙なのか?
だが、ロスドンもあまり深くは考えていなかった。
『中立国』中々に攻撃は出来ない。それを解っているからこそ、攻撃を仕掛けた。
だが、それでも『中立国』のお出迎えが少な過ぎる気が。
そんな事を考えている時に、一人の兵士が叫ぶ。
「なっ!!!!大佐!!!誰かが此方に飛んで来ます!!!!!」
兵士が叫び、指さした方を見た。
「なんだ・・・ありゃ?」
ロスドンは目細めながら飛んで来るモノを見る。
・・・人?だが、その中に見た事の無いモノが・・・。
そう考えていた矢先、飛んで来る一人の人間から巨大な炎が放たれる。
「なっ!!!退け!!!!!!!!」
ロスドンは咄嗟に叫ぶが、それは虚しく掻き消される。
ドゴォォォォォォォオオオオオオオオオオォォォォォォォン!!!!!!!!!!
炎は南門付近に居た兵士達にぶつかり、燃えさかる。
炎に焼かれる兵士達は叫ぶが、今は気にしてられない。
空から飛んで来た、サヤ達は降り立ち炎をバックに叫ぶ。
「我等は『無道』!この戦争を潰す者達だ!殺されたくないのなら己で首を落とせ!!死にたくないのなら背を向けて逃げろ!!!その背中を・・・切り刻んでやるよ」
Side=第三者∥Out