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 Side=サヤ∥Beginning∥『Reload』



 ママさんに案内された部屋は、三人では少し狭いベッドが二つ備えられた二人部屋だった。


 本当は別々が良かったのだが、空きが無いみたいなので、我慢する事にした。

 俺はベッドにドカッと座り、カロは椅子に腰を掛け、フォーリは俺の座るベッドの向かいのベッドに腰を掛け、リノはフォーリの座るベッドと俺の座るベッドを跳びはねていた。


「それで、どうするのですか?」

 カロが俺に尋ねる。


 どうするか?と、言うのは先程オカマバー・・・酒場で話した今後の事だろう。


「俺的には何か流れ的に国王さんに会えれば的な感じだったんだけどさ、これって思った以上にチャンスじゃね?」

 俺はニヤリと笑いながら言う。


「チャンス?」

 フォーリがベッドに横になりながら俺に尋ねる。

 リノが「じゃまだぁ~」と言いながらフォーリの腹にダイブした。


「考えてみろ?俺等は今多分・・・てか確実に追われる側の人間だろ?」


「手配されていたあの少年を逃がしましたしね」

 カロが付け足す様に言う。


「治安部隊って国の下部組織だよな?」

 俺が確かめる為に尋ねる。


「はい。ママさんに聞いた所だとそうですね」

 カロが答える。てか、いつの間にママさんとそんな話を?抜け目ないな・・・。


「それなら良かった。もし治安部隊が独立している部隊だったら無理矢理にも国王の住む城に乗り込む所だった」


「結局どうするんだ?」

 フォーリがリノを押さえながら尋ねる。


「簡単だ。捕まれば良いんだ」

 俺は不敵な笑みを浮かべる。


 一瞬カロとフォーリがきょとんとしたが、直ぐに言っている意味を理解する。


「成る程ですね。それなら簡単に潜り込めますし、潜り込めば何とかなりますね」

 カロが頷きながら言う。


「けどよぉ~誰がその役をやんだ?」

 フォーリが言う。


「それは俺がやる。一応『無道』のリーダーだぜ?」


「それではリーダーにその役を任せるとして、私達は何をすれば?」

 カロが態々俺の事をリーダーと言いながら尋ねる。


「俺思うんだけどさ。『ローデン』の連中は何が目的で侵攻して来てると思う?」


「そりゃぁ~・・・戦争だろ?」

 フォーリはそう言うが、

「けどよ、『中立国』に喧嘩売って何か得ある?」


「・・・戦争を起こしたいだけかもしれませんね」

 カロが顎を押さえながら言う。


「と、言うと?」


「憶測ですが、『中立国』って言うのは人間派世界派からしたら邪魔な存在だと思うのですよ。どっちに傾くかも解らない大国が、無傷のまま存在していたら、何時攻撃してくるかと思います。その為、自分達の国が有効打を貰う前に片付けておこう・・・と、言った考えがあるのでは?」


 飛び込んで来たリノの相手をしながら尋ねる。

「『中立国』・・・いや、国を潰すのに有効な手は?」


 その問いにはフォーリが答える。

「・・・・王の死か」


「侵攻している兵が囮と言う事ですか?」


「それも一つの手だって事。けども・・・『ローデン』がただただ正当な攻撃をしてくると思うか?俺は今までの『ローデン』の話を聞いても、そんな簡単な攻めはしてこないと思うんだよ。そん所どうよ?」


 カロとフォーリは考え、

「そうですね・・・暗殺なんてそれ程珍しい事でもないですし、確率は高いですね」


「「誘拐」をしていた国だ。それぐらいやるだろ?それなら、俺とカロのやる事は」


 俺はリノの頭を撫でながら、

「そっ♪・・・・この国に潜り込む暗殺者を捜し出す事だ。俺の予想だけどそれ程大人数じゃねぇーと思う。この国結構治安良いからそう簡単に潜り込める様にも思えない」


「解りました。で、サヤは捕まって何日ぐらいで行動を起こすのですか?」

 カロがニコニコと微笑みながら尋ねる。


「早くても3日。かかっても5日。合図は・・・空をヨーロで滑走するよ。ド派手な演出で俺等の存在をアピールだ」


「中々に面白くなってきたな!!!」

 戦闘狂が舌で唇を舐めながら言う。


「なってきた!!!」

 リノも俺の腹の上で叫ぶ。


 ・・・・教育方針をしっかりした方が良いか?

 思わずリノの将来を心配してしまう。


「まぁ~明日目立つ行動するから大丈夫だ。俺結構目立つ格好してるしな。適当にメイン通り歩いていれば向こうから来てくれるだろうよ。だから頼むぜ?」


 俺はカロとフォーリを見ながら微笑む。


 二人も微笑み、頷いた。


 そして、適当に談笑し眠りについた・・・・。


 うん。何でかな?

 何で・・・

「オカマ共ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」


 俺のベッドにオカマが潜り込んでいた。















 はい。朝です。

 勿論寝不足です。


 夜中にオカマが俺のベッドに潜り込み、オカマと戦っていました。

 カロとフォーリはどうして気付いたのか、オカマが来る前に酒場の方に移動し、ソファーで寝ていたみたい。

 どうして俺も誘ってくれない・・・。


 てな事をカロに言うと、

「その方が面白そうだったので」


 ・・・だそうです。


 思わずぶっ飛ばす所だった。

 寝不足&カロへの殺意で朝から最悪な気分な俺ですが、行動はしますよ?


「まぁ~適当に俺歩いてるわ」

 そう言いながら俺は酒場を後にした。


 んでも、歩くって言っても何もする事ないよな。金無いから何も買えないし。

 適当に歩いてるか・・・。


「へいへい!!彼女ぉ~俺と遊ばない?」

 俺の横を金髪を靡かせるブ男が付いて来る。はい。ナンパです。


 でもな・・・

 ・・・・今コイツ何と言った?

 彼女?俺は女じゃねぇーよ。


「おいおい!!無視かい?少しぐらい遊んでも大丈夫だろ?」

 しつこい。てか、テメェーちゃんと鏡見てからナンパしろや!!


 それよりも・・・ナンパの方法が古いんだよ!!お前は何時代の人間だこの野郎!!


 俺は平然を装いながらシカトする。

 けれども、

「良いだろぅ?お酒でも奢るからさぁ~」


 朝から酒かよ!!

 てか、朝っぱらからナンパって・・・コイツ本当に何時代の人?


 少しずつ怒りのボルテージが上がって行く。

 拳を握りながらも一応は押さえる。


「頼むよぉ~・・・んで、酒飲んだ後は・・・むふふ・・」


 はい!!それアウト!!!!!

 立ち止まる。


 そして、

「あっ!やっとその気に―――」

「鏡見てからナンパしろや!!それと俺は男だ!!!!!!!!!!」


 拳をブ男の右頬にクリーンヒット。


「ぶぎゃぶべっ!!!!!!!」

 男はゆっくり回転しながら壁に激突する。


「ハァー・・・ハァー・・・最悪な気分だ」

 俺が肩で息をしながら鬱になっていると、ふと視線を感じる。


 ・・・・あの少年・・・。

 ナンパの次はストーカーですよ。


 俺は気付かれない様にチラッと少年が居るであろう場所を見る。

 少年は看板に隠れている。


 今日は厄日か?思わず溜息を吐く。

 どうやら少年に昨日の話を聞かれたらしいな。


 まぁ~それもあると思うが、多分俺が『アース』の事を詳しく知っていたのが原因だろ。

 『リロード』の人間で『アース』の事知っている人間少ないからな。


 まぁ、尾行でもストーカーでも何でも良いけどさ。

 もっと上手くやろうぜ?


 バレバレだっちゅうねん。


 気にしない方が良いな。一々気にしてたら負けだ。

 俺は気付かないフリをしながら歩き出す。


 辺りを見渡しても、この国は治安が良いってのが解る。

 活気があると言うか。まぁ~戦争に参加していないって言うのが最大の理由だろう。


 戦争はその国に住む人間を苦しめるからな。

 『ローデン』の兵が侵攻しているのは、きっと知らされてないだろうな。余計な混乱を避ける為とか・・・か。


 もしもの時はどうするんだろうか?

 『中立国』って言うぐらいだ。戦力が無い訳でもないだろうが、それ程有るとも思えないな。


 並大抵の戦力って感じか。

 それにしても、結構広いなぁ~。

 一応目の前に見える城を目指しているんだが、近づかない。それ程にあの城が大きいのか。


 まぁ~豊かな事は良い事だからな。

 平和が・・・一番?


「お前!!昨日武器屋で手配人と一緒に逃走した男だな!!」


 目の前に、黄色をベースにした服を着た集団が居る。

 どうやらこれが治安部隊か。


 装備は剣と盾か・・・まぁ~ベターな所だな。

「そうだが?」


 俺は平然と答える。


「此所で捕まってもらう」

 他の治安部隊が俺を囲む様に広がる。


 すると、

「オイ馬鹿!!!!マジで捕まる気か!?」

 少年が俺の元に走って来た。


 おいおい・・・此所でバラす気か?

 俺は少年を睨む。


 すると、

「この餓鬼!?手配されている子供だ!!!」


 ん~少し計画が変わったが・・・しょうがないか。

「自首しに来ました。勿論この少年も」

 俺は両手を挙げながら言う。


「はぁ?」

 少年が俺を見ながら「お前何言ってるの?」的な顔をする。


 俺は少年を睨み付ける。伝わるか解らないがアイコンタクトで、「騒いだら殺す」。と、だけ言う。


 すると少年がもの凄い勢いで頭を縦に振るから、伝わったみたいだ。


「・・・解った。おい!この二人を連行しろ!!!」

 俺と少年は手を後ろで縛られ、剣を突き付けられながら連れてかれる。


 やっぱり読み通り城への連行らしい。

 少年と言う計画に無い事が起きたが、まぁ~この少年ぐらいは何とかなるだろう。


 足引っ張ったら見捨てるし。


 さてと、牢屋の中は快適かな?



 Side=サヤ∥Out















 Side=カロナス=ナイハ∥Beginning∥『Reload』



 外が騒がしくなってきている。

 どうやらサヤが捕まったらしいですね。


「それでは、私達も行動しますか?」

 フォーリを見ながら尋ねる。


「おう。了解だ」

 フォーリはニヤリと笑って言うが・・・。


「・・・リノは・・・預けて行かないのですか?」

 フォーリの背中には、リノが居る。


 フォーリが苦笑いしながら、

「付いて行くって駄々ごねるんだよ」


「かろとふぉーりはわたしをおいてどこにいく!?」

 リノがフォーリの背中で暴れながら叫ぶ。


 フォーリがリノを落ち着かせている。お父さんはフォーリですね。

 思わず微笑む。


 それを見たフォーリが、

「・・・お前何笑ってやがる?」


「いえいえ、何でもありませんよ?」


 さてと、もうそろそろ行動しますか。


 私が酒場の扉を開けようとした時、

「ねぇーアンタ達。ジン知らないかしら?」


 ママさんが私達に尋ねる。


「ジンって言うのはあの餓鬼だよな。いねぇーのか?」

 フォーリが辺りを見ながら尋ねる。


「えぇ、居ないのよ。何処に・・・まさか?」

 ママさんは表情を強張らせる。


「・・・捕まってはいないと思いますよ?」

 私が言うと、ママさんは、

「どうして解るのよ?」


「多分ですが、サヤを追いかけて行ったのでしょうね」

 私がそう言うと、フォーリが尋ねる。


「何であの餓鬼がサヤを追いかける?」


「多分ですが、『アース』の事を知っているサヤが気になったのでしょうね」

 それと、もしかしたら昨日の話を聞いた可能性も無くはないですね。


「じゃぁ~サヤちゃんは何処に?」

 ママさんが尋ねる。


「アイツは捕まりに行ったよ」

 フォーリが答えると、ママさんの表情が強張る。

「何で態々捕まりに!?」


「色々事情があるんですよ。サヤはちょっと国王様に用事がありましてね」


「国王様に用事?・・・まさかアンタ達国王様の命を狙って?」


「それは少し飛躍し過ぎですよ?ただただ、今後の活動に必要な事をしに行っただけですから」

 私がそう言うが、ママさんは眉を細める。


「・・・アンタ達何者?」

 ママさんが尋ねる。


 私は微笑みながら、

「それでは逆に尋ねます。アナタこそ何者ですか?」


 その問いに、ママさんが固まる。

「アンタ・・・いつ気付いて?」


「それも飛躍し過ぎですよ?ただカマを掛けただけす」

 そう私が言うと、ママさんは大きく息を吐く。


「アンタ中々に食えないわね」


「褒め言葉として受け取っておきますよ?」

 そう言って私はドアノブを掴む。


「じゃぁ~最後に聞かせもらえるかしら?」

 ママさんが言う。


「何をですか?」

 私は扉を少し開けながら尋ね返す。


「・・・アンタ達は何なの?」


 私とフォーリはニヤリと微笑み、

「『無道』ですよ」


「戦争をひっくり返す・・・悪人さ」


 そう言って、私とフォーリ、そしてリノは酒場を後にした。



 Side=カロナス=ナイハ∥Out



























 Side=ママさん∥Beginning∥『Reload』



「ママ、あの子達悪人って言ってたけど?」


「そうね・・・」

 私は短く返事をする。


「そうねって・・・良いの?」

 私に尋ねるのはキャサリー。勿論源氏名。


「『無道』・・・・」

 私は彼等が言ったその言葉を思い出す。


 無の道・・・。

「もしかしたら、本当に彼等は何かをするかもしれないわね」


「それなら!」

 キャサリーが叫ぶが、

「それが悪い事か良い事かは解らないわ。けれども・・・」

 そこで言葉を切る。


「・・・けれども、悪人にあんな真っ直ぐな目が出来るかしら?」

 そう。真っ直ぐに・・・前を見つめるその瞳は、どうしても悪人に思えなかった。


「ママ・・・」


 私は拳を作り、キャサリーを見る。

「何か・・・あるのかもしれないわ。私達も行動しましょうか」


 例え、彼等が悪だろうが善だろうが、何かが起こるのに変わりは無い。

 それならば、この国の私達が動かずにどうする?


「他の子達にも知らせなさい。もしかしたら・・・久しぶりに武器を持つかもしれないわ」

 私の言葉を聞いて、キャサリーは奥に駆けて行く。


 ・・・何が起ころうとも、何もさせない。

 此所は・・・私達の稼ぎ場よ?



 Side=ママさん∥Out








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