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Side=サヤ∥Beginning∥『Reload』
人をお金に換えるって、何か犯罪チックだよな!
でもまぁ~これも全て宿代&飯代の為さ!!
「ん?アンタ等『中立国』に国籍持ってねぇーのか?じゃぁ~賞金は半分だ」
「は?」
武器屋の店主の一言で、俺の世界の何かが壊れた。
固まっている俺を横目に、カロが店主に尋ねる。
「国籍が無くては駄目なのですか?」
「国籍って言うか、この国に住んでねぇーと賞金は半分なんだよ。悪いね!!」
そう言って豪快に笑う店主。
「・・・・・・コロス」
俺は下を向きながら、呟く。
「へ?」
「テメェーふざけるなよ!!んぁ?」
俺は店主の首を掴みながら、叫ぶ。
「ちょっ!!ぐぁ!!やめっ!!!て!!!!」
店主は必死に叫ぶが、止める筈が無い。
「ぶっ殺す!!!!」
俺は凄まじい形相で店主の首を絞める。
犯罪?そんなの知らないね!!俺の金がぁ!!!
「ちょっ!サヤ!!本当に死んでしまいますよ!!!」
カロが俺を羽交い締めにして店主から引き離す。
「離せ!!!俺にはコイツを殺る権利がある!!!!!」
俺は羽交い締めにされながら、足をばたつかせる。
「少し落ち着けや」
「おちつけぇ~」
フォーリとリノが言うが、俺の怒りは沸点越えてるんだよ!!!
「おい!!」
水の紐でぐるぐる巻きにされている少年が叫ぶ。
「んぁ?」
俺は少年を睨むと、少年は一瞬体を震えさせたが、顔を引き締めて叫ぶ。
「頼む!!助けてくれ!!!!」
何言っているの?
「テメェ!!!何言ってるんだ!!!」
店主が怒鳴る。
「もう直ぐ治安部隊が来るからな!!!大人しくしてろ!!!!」
店主に怒鳴られている中、少年は俺を見ている。
俺は少年を見ながら尋ねる。
「お前を助けたら、俺に何か利益が有るのか?」
「り、利益!?」
少年は必死に考える。
俺は『仙牙龍刀』を取り出して少年の首筋に刃を当てる。
「俺等がどうしてお前を捕まえたか解る?」
「えっ・・・と・・・金が欲しいから?」
少年は刀に驚きながら、おどおどした様子で言う。
俺はニヤリと笑う。
「そう。俺等は無一文で宿代も飯代も無い訳よ。んでね、お前を捕まえれば少なくとも金が入る訳。つまりは、俺等は金が目的な訳よ。言っている意味解る?」
少年は考えて、そして真剣な表情になり叫ぶ。
「頼む!!宿と飯は俺が何とかするから、助けてくれ!!!」
俺はフォーリとカロを見る。カロが人差し指を下に向ける。
すると、少年を縛っていた水の紐が消える。
それを見ていた店主が、
「おいおい!!何やってるんだ!!コイツは犯罪者だぞ!!!!」
俺は少年の首筋に当てた『仙牙龍刀』を店主の首筋に移動させる。
「いやぁ~ごめんなさいね!!この餓鬼捕まえても全然金になりそうになからさ!!それに少年がタダで宿と飯用意してくれるって言うし!どっちが得か言わずも解るっしょ?」
俺がふざけた事を言っているからか、店主の顔がみるみる赤くなって行く。
俺はジェスチャーでカロに少年を担げと言うと、一瞬凄い嫌な顔をした後、少年を担ぐ。
少年はジタバタしていたが、カロの凄まじい顔を(俺からは角度的に見えない)したらしく、大人しく担がれている。
「お前等・・・・」
店主は下を向きながらぷるぷるしている。
俺等は音を立てずに後ろに下がる。
そして毎度おなじみアイコンタクト。
『兎に角逃げるぞ?』
俺が二人を見ながら、
『『了解』』
俺は店主と出口を交互に見ながら、
『1・2・3!!!!』
走り出す。
すると、後ろで、
「お前等!!!・・・・って居ないし!!何処行きやがったァァァァ!!!!!」
店主の叫び声が聞こえる。
「おい少年!!!一時的に隠れられる所は何処だ?」
俺は走りながら、カロに担がれている少年に尋ねる。
「裏路地に入れば・・・てか!下ろしてくれよ!自分で走れるって!!!!」
少年がジタバタするが、
「お前に俺等みたいに走る事が出来るのか?んぁ?」
俺が威圧すると、少年は畏縮する。
「兎に角どっかに隠れるかぁ?てか、こんな事ならゴロツキぶっ殺せば良かったんだ」
フォーリが文句を言う。
「ぶっころせばよかったぁ~」
リノが真似て言う。
「お前口悪いからリノが変な言葉覚えるだろ!!」
俺はフォーリを睨みながら叫ぶ。
「俺のせいかよ!!!お前も口悪いだろうが!!!」
「わるいだろうが!!!」
「ほら!今もお前の真似してるだろうが!!!」
「してるだろうが!!!!」
「今お前の真似もしただろう!!!!俺のせいにすんな馬鹿野郎!!!!」
「ばかやろう!!!」
俺とフォーリがリノの言葉使いに対しての言い合いをしているのだが、当の本人は満面の笑みで楽しんでいる。
「えぇ~と・・・次左です」
「解りました。二人とも!!次左ですよ!!」
「「了解!!!」」
『中立国』でその日、罵声と子供の笑い声が飛び交った。
Side=サヤ∥Out
Side=第三者∥Beginning∥『Reload』
賑やかなメイン通りを外れた裏路地。
酒に酔った男や、ゴロツキ、家の無い子供、水商売の女。
治安は良い方の『中立国』だが、それは表だった部分だけ。
裏では何処も変わらず荒んでいる。
その裏路地に佇むオンボロの一軒の家に招かれ客が居る。
「ラララ~ララララ~ララ~♪」
女は決して上手いとは言えない歌を口ずさむ。
綺麗な女性なのだが、パサパサの髪。ペンキか絵の具かで汚れた顔。そして白いつなぎを着ている。そのつなぎも汚れていて、一見すればどっかの絵描きに見えなくもない。
「ラララ~ララ~ララララ~♪」
女性が笑顔で歌を口ずさんで居ると、部屋に黒いローブに身を包む者が入って来る。
「首尾ハ?」
声からして、ローブを着ているのは男だ。だが、男の声は冷たく、機械の様だ。
「ん~?どうだろうね」
女性は笑顔で答える。
だが、質問の答えになっていない。
「仕事ヲシロ。上ニ報告スルゾ?」
機械の様な声で男は言う。
「それって脅し?私には効かないわよ?」
女は男を見ながら言う。
「仕事ガ出来ナイ人間ハ不要ダ」
男はソファーに座りながら言う。
その様子を見ながら、女は立ち上がり、扉に歩く。
「何処ニ行ク?」
女は背を向けたまま答える。
「外の空気を吸ってくるだけよ。一々アンタに報告しないと駄目かしら?」
「・・・下手ナ行動ハスルナヨ」
女は手をヒラヒラと振りながら、部屋を出る。
その様子を見ながら、男はボソリと呟く。
「コレダカラ・・・」
そして、テーブルに置かれた一枚の紙を手に取る。
『王暗殺計画』
不穏に静かに、闇が蠢く。
Side=第三者∥Out
Side=サヤ∥Beginning∥『Reload』
現在少年が案内したお店に居ます。
どうやら酒場の様だ。
うん。そこは良いよ、どうでも。
でもな・・・・でもな!!!
「いやぁ~ん可愛い顔してぇ~女の子みたいねぇ~」
「貴方も中々よぉ~その微笑みがたまらないわぁ~」
「イケメンよ!イケメン!!!!」
・・・・いやぁ~ね。うん。
俺等の周りにさ、居るんだよね。性別不明の・・・まぁ、男なんだろうけどさ。
オカマと言われる方々が・・・・。
俺は小声でカロに言う。
「なぁ・・・どうしてこうなった?」
カロも小声で、
「さぁ・・・あの少年のせいでは?」
その原因を作った少年はと言うと。
「アンタ何やってたの!!!てか、やっぱりあの手配書アンタだったのね!!嘘まで吐いて!!!」
一番ごついオカマに叱られています。
「ご、ごめんってば!!」
もう少年涙目だよね。
フォーリとリノはと言うと、
「久しぶりに米だぜぇ~」
「だぜぇ~」
飯をがっついています。
卑怯だよね。俺も米食べたいのに。てか、この世界に米あったんだね。
「それで、サヤちゃん。これからどうするの?」
先程まで少年を叱っていたごついオカマさんが俺に尋ねる。
一応自己紹介は終わっているが、サヤちゃんはないよね。
「いやぁ~どうしようかね。まぁ、飯も泊まる所も提供してもらってるから、少年をまた捕まえるとかはしないけどさ」
「その事を言っているんじゃないのよ。これからどうするのって聞いてるのよ?」
ママさんが言う(ごついオカマの事ね)。
「まぁ~どうにかなると思うけどね。所で少年」
俺はママさんから目線を少年に変える。
少年は床にへたりながら、此方を見ている。
「お前『アース』の人間だろ?」
「えっ?・・・アンタもそうなのか?」
「いや・・・まぁ、色々事情があるんだが、少年は何で『リロード』に居る?」
少年は質問にどう答えようか言葉を選んでいる様だ。
「えぇ~と・・・その・・・」
苛々するな。
俺はソファーから立ち上がり、少年の側に行く。
「答えろよ?俺がお前を助けたのにはお前から色々聞く為だ。拒否権は無い」
「わ、解ったから、睨まないでくれよ!!」
少年は涙目で言う。
「なら話せ」
俺は椅子に座りながら言う。
少年は床に正座しながら話す。
「俺は『アース』では有名な家の息子なんだけど、鍛錬が厳しくて家出して・・・そして森の中を歩いていたら変な光に飲み込まれて、気付いたら『中立国』側の森に倒れていたんだ」
「拾ったのが私よ」
ママさんが言う。
「俺の家は結構裏にも通じる家でさ、前々から『リロード』の事は知っていたから直ぐに自分は『リロード』に来たんだって解ったんだ。でも行く当ても無いから、拾ってくれたママさんに厄介になってる」
俺はカロに尋ねる。
「光ってのは『アース』と『リロード』を繋ぐゲートみたいなもんか?」
「多分ですがそうだと思います。けれども突然変異で発生した自然現象だと思いますよ。繋ぐゲートは『テルスト王国』と言われる小国にしかありませんし、そこは警備が厳しく、通る事は出来ませんので」
成る程ね。一応は行き来出来るゲートは有るのか。
んで、この少年はたまたまこっちに来たってだけか。
それにしても、裏って言ったよな。と、言う事は『アース』にも少なくとも魔法が有ると言う事か。
「少年名前は?」
俺は少年を見ながら尋ねる。
「羽時・・・刃」
ハトキ・ジンねぇ~。
「日本人か?」
「アンタやっぱり『アース』の人間なのか!?」
「良いから答えろ」
「うぅ・・・そうだよ」
少年の言葉を完全に無視したせいか、少年はへこんでいる。
「お前何で『リロード』の言葉を話せる?」
俺は頬杖をつきながら尋ねる。
この問いいはママさんが答える。
「私達が教えたのよ。結構覚えるの早かったわよ」
「英語に似てたから難しくはなかった」
少年が言う。
成る程ね。どうやら真神は本当に適当に創った様だ。
「まぁ~良いや。聞きたい事も聞いたし。取りあえずは今後についてか」
「多分と言いますか、治安部隊に追われていますよ?」
カロが言う。
「クハッハハハ!!!そんなのぶっ倒せば良いだろ?」
飯を食べていたフォーリが言う。
「あまり騒ぎにしたくないですから、それは駄目でしょう」
フォーリの案を速攻で蹴るカロ。
「チッ!!」
フォーリは舌打ちをして、飯をがっつく。
「・・・・まぁ、何とかなるか」
俺はボソっと呟く。
「ん?何か言いました?」
カロが俺に尋ねる。
「いや~まぁ、そこら辺は何とかなるから心配しなくとも大丈夫だ」
「・・・・解りました」
カロがアイコンタクトで『後で説明して下さいね』と言ってきた。
「だ、大丈夫って!!そんな悠長に構えてて良いのかよ!!」
少年は立ち上がりながら叫ぶ。
「おいおい・・・悠長にって元はと言えばお前を助けたからこうなったんだぞ?」
俺は眉間に皺を寄せながら言う。
「うぅ・・・すいません」
少年はまた畏縮し、床に座る。
すると、ママさんが言う。
「けれども、面倒な事になったわね。気をつけなさいよ?最近お城の方も騒がしいから」
城が騒がしい・・・『ローデン』の兵隊か。
もしかしたら一週間以内に向こうから何かあるかもな。
「気をつけるよ」
短く答え、俺は窓の外を見た。
今までと違う景色。
街の光が眩しかった・・・。
Side=サヤ∥Out




