編集中
Side=サヤ∥Beginning∥『Reload』
目を覚ましたら、そこは見知らぬ荒野でした。
なんかもうコレで俺の物語を終わらせたい位の気持ちだ。
何此所?どこ此所?
見渡しても、人っ子一人もいない。てか、木がない。
本当にここが魔法世界なのだろうか?
一見しても魔法らしきモノがない。空飛ぶ船とか、車とか。箒に跨った人とか、なんかドラゴンとか・・・・まぁ、それは少し漫画とかアニメと重ね過ぎか・・・。
「でもやっぱり此所どこ?」
そこで、俺は自分の異変と言うか・・・
「何故スーツ?」
俺は黒いスーツを着ていた。
「そして髪伸びてね?」
耳がかかる程度の長さだったのに、肩まである。
《沙耶君!聴こえるかね?》
頭に神様の声が響く。
聴こえるよ?
《そうか・・・良かった》
なんか予想外の事があった様な言い方だね?
《正直言うと・・・暴の奴が君の能力に副作用を付けた》
・・・副作用とは?
《使用した後に君に何かしらの事があるらしいのじゃ。でも、それは一時的なモノで、能力が使用した時間によって副作用の度合いも変わるらしい》
全ての能力に?
《いや、魔眼だけらしいが・・・それと一部の宝具にもらしい》
何故に?
《・・・その方が面白いと》
・・・・シネ。
《ワシに言われても》
・・・・まぁ、良いや。それよりもこの服装と髪が伸びている事に対して?
《服はワシの趣味で、髪が伸びたのはその方が似合っていると思ったからじゃ》
・・・・アンタもシネ。
《そう怒るな・・・。そして、今君のいる場所は戦場じゃ》
・・・・はい?
《世界派と人間派が戦争している場所じゃ》
・・・何故にこんな所に?
《ワシでも場所は選べなかったのじゃ・・・申し訳無い》
・・・まぁ、良いか。どんな形でもどうせ介入するつもりだったし・・。まぁ、それが早まっただけか。んで、副作用って何?
《それはワシにも解らん。使ってみんと・・・》
解らない状況で使うのは怖いなぁ~。まぁ、暫く使わなければ良いか。
《一応確認だが、魔法の使い方、銃の使い方は理解しとるか?》
不思議と理解しているよ。それに、様々な事を知っている。不思議な感覚だ。
《それなら良かった。ワシは暫く君と通信出来ない。これは規則なんでな。何か聴きたいことはあるかい?》
いや・・・まぁ、何とかしてみるよ。
《・・そうか・・・・頑張ってくれ・・・》
言われなくとも。死にたくないんでね。
《・・・そうじゃな。では・・・ご武運を祈る》
あぁ。
・・・どうやら切れたらしいな。
それにしも、副作用ですか。やってくれたな。
これじゃぁ~安易に使えないな。コレでチート能力リミッターが付けられたか・・・。
でも、他の能力には付けられてないからな。使わなければ大丈夫だろ。
召喚のやり方も解るが、何故か何が召喚されるか解らない。唯一解るのはバイクだけか。
やってみるか・・・。
「えぇーと、これ唱えるのか?」
頭の中にある、見知らぬ情報。そして、その情報を理解している自分がいる。随分人間の枠を超えてしまったらしいな。
「『答えよ―――主の声に―――姿と誇る速さを見せよ!!!』」
その瞬間、空に魔方陣らしきモノが浮き出し、その魔方陣を突き破ってバイクが登場する。
バリィィィィィンッ!!!!!
そして、誰も乗っていないのに空を滑走し、俺の前まで走ってきて、止まる。
「・・・凄いな。いや、理解していたけど・・・見てみないと解らないもんだ」
思わず声に出してしまった。
バイクはブゥーン、ブゥーンとエンジンを吹かしている。
「ヨーロピアンタイプのネイキッド・・・」
バイクの事など全然知らないのに、その単語が自然と出る。
「綺麗な色だな。青と赤のツートンか」
そう言って、俺はバイクを撫でる。
名前なんて言うんだ・・・・あぁ、名前無いのか・・・。バイクなんて呼ぶのもどうだろうだしな。
・・・・ヨーロで良いか。
「頼むぞ。ヨーロ」
そう言って、俺は思わず微笑む。
他の召喚は・・・確か神様は神話の神々って言っていたな。でも、俺の中には何故かその情報が無い。
一度召喚しないと駄目か・・・。
魔力どんくらい消費すんだろう。
全部で9人だしな。2人ぐらいは何とかなるだろう。
俺は目を瞑り、詠唱した。
「『答えよ―――主の声に―――姿と癒しの愛を見せよ!!!!』」
魔方陣が地面に現れる。すると、その魔方陣の上が光り輝き、その光が人の形を成していく。
絶句した。その光の中から現れたのは、長く白い髪の美しい女性だった。
「・・・・えぇーと・・・・」
そこで、俺の頭の中に情報が現れる。
「北欧神話の援助と慈悲の女神。名をエル」
そう呟くと、彼女はコクリと頷く。
「えぇーと、エルで良いのかな?」
尋ねたら、声は出さずに頷くだけ。無口なのだろうか?
「・・・成る程、怪我・病気・呪いを治すのか・・・凄いな、彼女だけでも十分チートだ」
「・・・なんて呼べば?」
初めて彼女が口を開き喋った。
美しい声だった。息をするのを忘れる程。
「えっ!あっ・・・えぇーと・・・サヤで良いよ?」
「解りました。ご主人様」
「あれ?なんか言葉の変換があったのかな?サヤで良いよ?」
再度言う。
「解りました。ご主人様」
けれども、変わらなかった。
「・・・・もうそれで良いです」
俺の目からしょっぱい液体が流れ出た。汗ですよ・・・きっと。
「解りました。サヤ様」
あれれ~、天の邪鬼?まさかの?
「・・・何でも良いよ、別に。呼んでくれれば」
「えぇーと次は・・・」
俺は次の召喚の詠唱を唱えようとした時、
「ご主人様」
エルが俺を呼んだ。
「へっ?」
思わず間抜けな声を出してしまった。てか、呼び方戻っているし。
「召喚したモノは・・・実体を保つ為に・・・ご主人様の・・・魔力を消費・・します」
かなり口調が・・無口だから?関係無いよね?別に。
「そうなの?」
「はい」
そうか、だったらヨーロとエルを召喚しているから、結構魔力消費しているのか。
「帰せば良いの?」
「はい」
「解った・・・これからよろしく」
「はい」
エルとヨーロは光に包まれ消えた。
すると、そこで自分の魔力を消費した事が解る。
どうやら、帰した後に消費が解るのか。結構厄介かもな。知らない内に魔力消費しているって事だし。
まぁ、大丈夫か。今のところそれ程消費してないし。
「んじゃまぁ~もう1人くらい召喚してみるか」
俺はまた、詠唱する。
「『答えよ―――主の声に―――姿と永遠の時間を見せよ!!!』」
先程のエルと同様に、地面に魔方陣が現れる。
そこに現れたのは・・・。
「もっと早く呼んでよ!!!!」
・・・少年でした。
紫色の髪の、美少年と言われるだろう容姿の少年。
「・・・えぇーと・・・!!!」
少年の情報が頭の中に現れる。その時に驚愕した。
「ギリシア神話の・・・クロノス?」
あの時間の神ですか?でもクロノスの伝承って結構あやふやなんだよな。
「そうだよ!文句ある!?」
・・・イメージが壊れるな。
「えぇーとクロノスで良いよね?」
俺は尋ねる。
「それ以外に呼び方はないからね!僕はサヤって呼ぶけど良い?」
若干表情が引き攣るのが解る。
「・・・まぁ、良いよ」
なんか、疲れるな。
「僕は時間を止めたり、進めたり遅れさせたり出来るよ!」
そう言って、クロノスが胸を張る。
一番凶悪な力だな・・・。これは安易に使えない。
「そうか・・・うん。ありがと」
そう俺が言うと、クロノスが光に包まれる。
「あっ!もう帰るの!?もっ―――」
クロノスが全てを言い切る前に姿が消えた。
「・・・なんかどっと疲れた」
思わず本音が零れる。
「まぁ、あれ以上の奴は出てこないだろうし・・・それに、あんな凄い神様なのにそれほど魔力を消費していないし。これなら全部召喚できるか?」
俺は目を瞑り、詠唱する。
「『答えよ―――主の声に―――姿と獣の王の力を見せよ!!!』」
魔法陣が(以下同略)
姿を現したのは、白髪・白髭の老人だった。
「我が王よ・・・」
声が渋いな。カッコイイ老人だ。
全然ヨボヨボではなく、筋肉質なカッコイイ老人。
「えぇーと・・・ケルト神話の狩猟の神。名はケルヌンノスか・・又を獣王・動物王か」
これまた凄い神が現れたな。
「てか、王って」
遅れたツッコミ。
「王は王じゃ。王は我の事はケルヌと気軽に呼んでくれ」
そう言って、ケルヌは笑う。
良かった。まともな神だ。
「ケルヌは・・・動物を操るのか?いや、これは操ると言うよりも、動物がケルヌに従うのか・・・でも、俺動物に嫌われる体質なんだよね」
そう、俺は動物に滅法嫌われる。噛みつかれたり、吠えられたりする。好きなのになぁ~。
「安心しろ、王よ。我が王を守る」
あぁ・・・良い人だ。
「それと、クロノスの餓鬼が怒っていたぞ?」
「えっ!?会話出来るの?」
「あぁ。我らは王の中で共同生活をしておる。普通に神々同士話せるし、召喚していなくとも王と話す事も出来る。今は王がそれに気付いてなかった為、我らの声は王に届かなかったらしいな」
そんな凄い事が俺の中で・・・。
「じゃー今から話せるよ――」
「それは駄目じゃ」
俺が言い切る前にケルヌが止める。
「何で?」
「言ったじゃろ?クロノスが怒っておった。頭の中でクロノスが叫び続けるぞ?」
思わず想像してゾッとした。
「そ、それは駄目だな」
「だから後にすれば良い」
ケルヌが言う。
「解った。んじゃ、これからもよろしくな」
「あぁ、よろしく頼む」
そう言ってケルヌは微笑む。そして、光に包まれ消えた。
消費が少ないな。どうやら神達を召喚するだけではそれ程魔力を消費しないらしい。神達に力を使わせたら消費するみたいだ。なら、全ての神を召喚できるな。
俺は詠唱する。
「『答えよ―――主の声に―――姿と正義の心を見せよ!!!』」
魔法陣(以下同略)
「呼んだかな?」
綺麗な声。召喚されたのは、短髪白黒の2色の髪をした女性だった。目隠しをしている為、顔は良く解らないが、多分凄い美人なのだろう。いや、綺麗よりもカッコイイが正しいかもしれない。
頭の中に情報が流れ込む。
・・・ユースティティア。ローマ神話の正義の女神。あの裁判所とかに良く建てられている石像のあの方だ。
「・・・ユースで良いですか?」
俺は大物に思わず敬語を使ってしまった。
すると、ユースはニコリと微笑み、答える。
「えぇー、好きな様にどうぞ。私はサヤ君って呼んで良い?」
「はい!」
思わず言ってしまったが良いだろう。
「ユースは・・・戦う事を得意としているのではないのか」
「私は裁く神ですから。でも、相談とかされたりするのは好きよ?」
そう言ってまた微笑む。
良い人だ~。思わず俺は感動した。
「そうですね。何かあったら助言して下さい」
「フフ・・・もし道を間違えたら裁いてあげる」
そう言い残してユースは光に包まれ消えた。
良い人だな。ユース。クロノスみたいな子供ばっかりじゃなくて良かった。
うん。でも、最後の言葉は物騒だったな・・・・。
俺は凄くユースの存在に感動&安堵していた。
Side=サヤ∥Out
Side=???∥Beginning∥『Reload』
「マルコシアス!!マルコシアスは何処だ!!!」
男の声が響く。この暗い地下には意味も無く、その男の声が耳に入る。
「少し声のボリュームを落としてくれませんか?」
嗄れた声が小さく響く。
「ハルファス貴様・・・誰に向かってその口!!!」
また叫ぶ。音が反響して、遠くに居る私にも聴こえる。
自然に私は眉間に皺を寄せる。不愉快。
「フンッ!序列に踊らされるカスが。それだから貴方は何の戦果も挙げられない」
良く言ってくれた・・・。
実に良い言葉だ。
「くっ!貴様・・・ここで塵にしてくれる!!!」
逆ギレですか。実に不愉快。
「剣を下ろせ・・・ガープ」
この声は!?
「マルコシアスも姿を見せろ・・・」
私は直ぐさま闇から姿を見せ、地面に膝を付き、頭を下げた。
「ベリアル様!!」
ベリアル・・・序列68番にして強大な強力な王。
私が唯一従う只1人の王。
「ベリアル貴様誰に―――」
その瞬間。ガープの首が飛んだ。
「王の前では―――」
「―――全てが灰に」
ハルファスと私は瞬時にガープの首を刎ねた。
私同様にハルファスもベリアル様に従っていた。
「2人に伝える事があり・・・此所に来た」
ベリアル様が言う。
私とハルファスは膝を付き、頭を下げる。
そして、ベリアル様は告げた。
「フェニックスが裏切り、姿を消した」
!!
驚愕。あの方が・・・。
「2人にはフェニックスの捕縛を頼みたい」
不死のあの方は殺せない・・・。
ベリアル様が息を吸い、声を張り上げる。
「序列35番の地獄の侯爵―――マルコシアス!!」
「序列38番の地獄の伯爵―――ハルファス!!」
「「その命――必ずや完遂いたします」」
私とハルファスは立ち上がり、捕縛の為動き出した。
Side=マルコシアス∥Out
Side=???∥Beginning∥『Reload』
ニオイガスル―――。
マリョクノニオイ―――。
ドコダ?ドコダ?
コロシタイ―――ナブリタイ―――タベタイ―――。
「ギャアアアアアアアアアアァァァァァァァアアアァァ!!!!!!!」
森に、一体の悪魔の咆哮が響いた。
Side=???∥Out