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 Side=カロナス=ナイハ∥Beginning∥『Reload』



 随分派手にやっていますね。

 森の地形が変わってしまいますよ。


 森の中を駆けながら、フォーリを探す。


 中々見あたりませんね・・・。食料調達って言うのはこんなに遠くに行かないと駄目なんですかね?

 それとも最強レーダーに何かヒットしたのか?


「オラオラオラオラオラオラオラオラッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 ・・・・凄く嫌な予感がしますね。


 すると、森の木々が薙ぎ倒されていく。

 自然破壊ですね。見境無く暴れている暴君はどうすれば止まるのでしょうね。


「クワッハハハハハハハハハッハハ!!!!!!!!!!!!!!!」


 面倒臭いですね。色々と。


「そこかッ!!!!!!!!!!!!!」

 そう戦闘狂の大馬鹿野郎が叫んだ瞬間、目の前に槍が掠める。


「うぉっと!!!フォーリ!!!!」

 思わず叫んでしまった。


 すると、茂みから出てきたのはやはり大馬鹿野郎だった。

「んぁ?カロじゃねーか!さっきこっちに槍を投げたんだが、敵は何処行った?」


 何を勘違いしているのか、私を敵と誤解してしかもその誤解に気付いていない。

「・・・まぁ、良いですよ。兎に角殺気を押さえて下さい」


 私はこめかみを押さえながら言う。


「あぁ?こんな面白い状況なのにか?」

 フォーリは本当に戦闘狂ですね。


「相手が雑魚なら十分に暴れて欲しいのですが、相手が相手です」


「『黒い討伐隊』だろ?それなら5人殺ったぞ?」

 フォーリがニコニコ笑いながら言う。


「もうですか・・・ですが、この森の中に居るのは『黒い討伐隊』だけではありません」


 そう私が言うと、フォーリがの表情から笑みが消える。

「他にも居るのか?」


「あの『始星団』です」

 そう私が言うと、フォーリの表情が険しくなる。


「あの過激部隊がこの森の中にか?・・・・それはヤバイな。俺はアイツ等が嫌いなんだよ」

 そう言って頭を掻くフォーリ。


「それは私も同意見です。『宗教国』は融通が利かないですからね」


 『宗教国』と言うのは『ガスティン皇国』の事だ。

 あの国は「世界が産まれ人が産まれた」の思想で、人を尊重するよりも世界を尊重する。

 その為、人への慈愛が無い国でもある。


 そんな国の中でも過激部隊と言われる『始星団』だ。何をしでかすか解らない。


「面白いと思っていたが・・・興醒めだな」

 眉間に皺を寄せながらフォーリが吐き捨てる。


「ですから、早くサヤと合流して此所を離脱しましょう」

 そう私が言った瞬間、


ブォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!!!!!!!


「「!?」」

 私とフォーリはその音の方角を見る。


「あれは・・・『要塞落とし』!!!!」

 思わず叫んでしまう。


 けれども、それ程の魔方陣。

 『要塞落とし』その名の通り、要塞などの巨大で頑丈な建物を破壊する為に造られた魔方陣。離れた所からでも狙い撃ち出来る長距離型魔方陣でもあるあれを、何故此所で?


 森の中から放たれた白い光は天を差していた。


「まだ第一段階。まだ止められる!!」

 私はフォーリを見る。


「おいおい・・・此所には要塞なんて言えるモンは無いぞ?」

 フォーリが珍しく焦っている。『要塞落とし』はそれ程のモノなのだ。


「あれはもしかしたら「何かを跡形も無く消し去りたい」って事では?」

 それ以外に考えつかない。


「何を消したいんだ?・・・『古の魔女』か!?」


「そうかもしれませんね。例え死んでいたとしても、死体から記憶などを引き出す魔法もある訳ですから、回収出来ないのなら跡形も無くって事でしょうね」


 『黒い討伐隊』は魔法を専門にしていない。と、言う事は『始星団』ですか。


「第一段階の内に止めねぇーとヤバイだろ!?第二段階になったら止めるのに面倒だ!!」

 フォーリは叫び、走り出す。私もフォーリの後を追い走る。


 『要塞落とし』は完全な発動までに段階を踏まなければいけない。

 段階は全部で3つ。第一段階は大きな光が空に上がり、第二段階はその光が細くなり消え、第三段階は空の色が変わる。


 第一段階であれば、魔方陣を壊すだけで止まるが第二段階になった場合は魔方陣を壊すだけでは止まらない。その為魔方陣の攻撃目標を書き換えないといけない。


「クソがっ!!!!本当に面倒な事をしてくれる!!!!!これも世界のなんちゃらか!?」

 フォーリは森の中を駆けながら叫ぶ。


「どうでしょうね!今のあの国は宗教を元に好き勝手する国に成り下がっていますからね!!」


 私とフォーリが駆けていた時、


「此所から先は通行料が必要になりますがどうしますか?」


「「!?」」

 止まり、目の前を見る。


「通行料を払うぐらいなら、通らないか無視して突っ込むかしかないですよね」


 目の前に、白い槍を携える女の子が立っている。

 丈の短いスカートに、金の髪を左右に結っている。


「『始星団』には女も居たのか?あぁ?」

 フォーリの機嫌が頗る悪い。


「それは女性に対しての差別ですよ?私は凄く傷付いたので慰謝料を払って下さい」

 女の子はムスっと頬を膨らましている。


「金?残念だけど俺等金と言う金を持ってねぇーんだわ!!!」

 フォーリが持っていた黒い槍を問答無用で投擲する。


「人でも物でも通行料が必要ですが?」

 女の子はそう言いながら、携えていた槍を振る。


ドゴォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!


 爆発。

 女の子が槍を振った瞬間に、フォーリが投擲した黒い槍が木っ端に砕け散った。


「あんな細い腕の何処にこれ程の力が?」

 私は若干引き攣った笑みで言う。


「・・・おい女!!テメェー名乗れよ」

 フォーリが女の子を睨みながら叫ぶ。


「なら名乗る前に前金を要求します。・・・・あまりがめついと、払ってくれる物も払ってくれなくなりますよね。名乗ります」

 そう言いながら、女の子は槍を地面に突き刺す。


「『始星団』レイミー=クルティアン。司るは―――『行き止まりな愛』・・・・似合わないですよね。なので似合わない事言っちゃった料を下さい」


「あのレイミー=クルティアンか?」

 フォーリが少し驚いた顔で尋ねる。


「そうですけど?これ以上私に何か言わせるならお話料を下さい」

 女の子は無表情で言う。


「あの、とはどう言う意味ですか?」

 私がフォーリに尋ねる。


「あの女『足止めランス』って異名で呼ばれているんだよ。足止め専門の女だ。相手が悪いかもしれないな。殺し合いなら俺等が勝てるが、足止めとなると分が悪い!!」

 フォーリが本気で焦っている。


 私は良くは解りませんが、それ程の相手ですか。

 私は右腕の袖を捲る。


「通行料を払ってもらいます」


「金は持ってねぇーんだわ!!」

 フォーリが叫び、そして突っ込む。


 私も同時に駆け出す。


 すると、地面に突き刺してあった槍が振動し出す。

「それなら―――命を代わりに払って下さい」

 女の子の表情から笑みが現れ、


ドゴォォォオオオオオォォォォォオオオオオオオオオオオォォォン!!!!!!!!


 地面が爆発した。



 Side=カロナス=ナイハ∥Out

























 Side=第三者∥Beginning∥『Reload』



 『黒い討伐隊』の黒い剣と『始星団』の白い槍がぶつかる。


 幾つもの音が響き、風が巻き起こり、地面が抉れる。


「凄まじいですね!!!中々ですよ隊長さん!!!!」

 白い槍を持つ、ホルスト=デイドが笑いながら白い槍を振るう。


 ホルストが持つ槍はハルバード。穂先に斧頭を付け、その反対側に突起が取り付けられた良くヨーロッパの兵士などが持つ槍。


 ハルバードは中々の重さの筈だが、ホルストはそれを簡単に片手で振り回している。


 対して、黒い剣を持つガスロー=バルックは兜で表情は見えないが、余裕ではないのは確かだ。


 ガスローの持つ黒い剣はクレイモアと呼ばれる大剣。

 それを両手で軽々と振り回している。


 だが、速さが違う。


 ガスローがホルストの攻撃をガードしている時には、ホルストは次の攻撃に動いている。

 その為、ガスローはどうしても後手に回る。


「楽しくなってきましたね!!!そうですよね!!」

 ホルストは叫び、狂乱しながら槍を凄まじい速さで突く。


 ガスローはそれを無言で捌き、躱す。


「どうしたのですか!?それが隊長さんの限界ですか!?」

 ホルストは挑発する様に叫ぶ。


 すると、今まで無言だったガスローが口を開く。

「なら見せてやろう」


「!?」


 異変に気付きホルストが後退する。

 だが、遅い。


 ガスローの持つ剣から、闇が溢れ出す。そして、

「吞まれろ」


「なっ!なっ!なあああああああああああああああああああああ!!!!!!!」


 ホルストは、闇に吞まれた―――。



 Side=第三者∥Out






















 Side=サヤ∥Beginning∥『Reload』



 早くカロとフォーリと合流したいのだが白い槍持つ奴等どれだけ居るの!?


 もう軽く15は倒したよ?

 それに、さっきもの凄い音と共にデカイ光が空に上がったし・・・何が一体どうなってる?


「何か知らねぇーけど、色々ヤバイか?」

 直感的な何かは解らないけど、今もの凄くヤバイ状況だってのは解る。

 あの光はきっと魔法的な何かだろ。


 ・・・魔法的な何か?それは何だ?

 ・・・魔方陣?


 まさか・・・あの村を焼き払ったのと同じやつか?いや、あれはこんな光は空に上がらなかった。だが、魔方陣による何かだろ。


 けれどもこの魔方陣で何が起きるかまでは解らない。

 聞き出すついでに魔方陣壊すか?


 いや、駄目だ。俺魔方陣の知識無いや。

 それならカロと合流して・・・時間も無いな。


 しょうがないか。


 兎に角魔方陣を発動させてそうな所に行くか。


 すると、


「ヒィィィィィンッ!!!!!!!!」


 馬の鳴き声?

 馬?もしかして野生の馬?


 すると、目の前から黒い馬が走ってくる。


 やばくね?俺の動物に嫌われるスキルがここまで影響する?

 目を凝らすと、馬の上に誰か乗っている。


 そして、

「お前は『始星団』の人間か?」

 馬に乗った黒い鎧が俺に剣を向けて尋ねる。


 俺プチ混乱。『始星団』って何?

「・・・いや、俺どっかの組織に入っているつもりは無いけど・・・それより『始星団』って何?」


 そう俺が尋ねると、

「は?」

 黒い鎧から、「お前何言っているの?」的な声が。


 あれ?俺って空気読めないスキルなんて持っていたっけ?


 すると、黒い鎧は剣を鞘に収め、言う。

「すまない!無関係な人間に刃を向けてしまっ・・・無関係?」

 自分で言った言葉に首を傾げる黒い鎧。


「・・・・無関係では・・ないかもです」

 俺は苦笑いをしながら言う。


「「・・・・・・・・・・」」


 暫くの間。そして、

「貴様騙したな!!!!」

 黒い鎧は収めた剣をまた抜き、俺の刃先を向ける。


「いやいや!でもその『始星団』って奴と俺は関係無いぞ!!!」

 濡れ衣だ。まぁ~こんな所に居るからしょうがないが。


 てか、俺さっき白い槍を持った奴倒したけどあれコイツの仲間とかじゃないよね?

 もしそうだったら俺やばくね?


「では貴様は誰だ!?」


 誰だと聞かれましても・・・。


「こんな所で正装をして!!」


 正装?あぁ~俺今スーツ着てたんだ。てか、『リロード』にスーツあったんだね。


「答えろ!!」


「答えろ言われても・・・あっ!!その前に少し尋ねて良いか!?」


「えっ?いや、俺が尋ねて・・・まぁ、良いか。何だ?」

 あっ、良いんだ。


「あの光は何だ?何かの魔法か?」


 黒い鎧は俺に刃先を向けたまま答える。

「あれは『要塞崩し』と言われる遠距離型魔方陣だ。今は第一段階だから簡単に壊せるが・・・・ん?お前『始星団』ではないのか?」


「いや、違いますが?」

 この鎧天然?


 すると、鎧は馬から下りて兜を取る。

「すまなかった。てっきり『始星団』の人間だと思い、間違ってしまった」

 そう言って頭を下げる。


「いや・・・別に良いが・・・」

 少し吃驚。


 こう言う奴等は問答無用で切り捨てる人間かと思っていたのだが、少しイメージが変わる。


「そうか、本当にすまなかった」

 そう良い、黒い鎧は顔を上げる。


 オレンジっぽい髪の色。目はブラウンか?好青年って感じだ。

「で、君は何故此所に?」


「ん?いや、中立国に向かう途中だったんだよ。そしたら騒ぎに巻き込まれたんだ」

 まぁ、実際は騒ぎの中に飛び込んだのだが・・・。


「そうか。ここは危険だ。『始星団』の奴等が『要塞落とし』を発動した。どこが狙われるか解らない状況なんだ」


「何処を狙うか解らないって言うのは?」


「あれは長距離魔方陣。離れた所でも狙える魔方陣だ。もしかしたらこの近くの中立国を狙っているのかもしれない」


「マジか!?それはヤバイ・・・もう獣の肉は飽きたのに・・・」


「だから今魔方陣が引かれている所を探しているのだが・・・中々に見つからない」

 そう言って俯く好青年。


「・・・アンタは『始星団』と敵対する人間か?」

 俺は尋ねる。


「そうだ。我々は『黒い討伐隊』。訳あって此所を通っていたのだが、『始星団』に攻撃された」

 好青年は答える。


 ・・・・。

「協力してやる」

 俺は小さく言う。


「協力!?君みたいな女の子に出来る事なんてない!!」


 ・・・今、何て言った?女?女?

「・・・俺は男だ・・・」

 俺は小さくボソッと言った。


「へ?」

 聞き返す好青年。


「だから・・・」


「だから?」


「俺は男だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 叫んだ。思わず。


「なっ!?それはすまなかった!!!!男口調の可愛らしい女の子だと思ったら・・・すまない!本当にすまない!!!」

 そう言って頭を下げる好青年。


「・・・まぁ良いよ。後で骨折るだけで許してやる」


「骨折るのか!?」

 驚いている好青年は無視で。


 俺は目を瞑る。そして、

「『答えよ―――主の声に―――姿と獣の王の力を見せよ!!!』」

「『答えよ―――主の声に―――姿と燃える死の力を見せよ!!!』」

「『答えよ―――主の声に―――姿と狂乱する無双の強さを見せよ!!!』


 三つの魔方陣が現れ、ケルヌ・モート・カーリーが現れる。


「大変な事になっているな!我が王よ!!」

「ティハッハハ!!また面白いシチュエーションで呼んでくれるな!!!」

「ぷはっー!!!で、どうすれば?マイマスター」


 賑やかだな・・・神。


「やる事は簡単だ!!・・・・えぇーと、『始星団』の特徴は?」

 実は『始星団』の事を理解していない俺。好青年に尋ねる。


「と、特徴・・・は・・・えぇー・・・・と、白い槍を持っている・・・と、思います」


 何故か顔が強張っている好青年。

「だそうだ!!白い槍を持っている奴は問答無用で攻撃!殺しても構わない。そこら辺は好きにして良い。だが、やって欲しい事は殲滅じゃない!『要塞崩し』とか言われる魔方陣が引かれている所を探して欲しい!!見つけたら直ぐ連絡してくれ!それとカロとフォーリを見つけたら共に行動!!!えぇ~と・・・好青年!君の仲間の特徴は?」


「こう、好青年!?・・・あ、俺の仲間は皆黒い鎧を・・着てい、る」

 まだ強張っている。引き攣ってもいる。どうした好青年?


「と、言う事だ!黒い鎧には攻撃するなよ!!もし攻撃して来たら眠らせる程度の攻撃に収めろ!!!んじゃ頼んだ!!!」

 俺が叫び終わると、ケルヌ・モート・カーリーは散り散りになる。


 すると、好青年が俺に尋ねる。

「に、人間を召喚!?き、君は一体何者だ?」


 俺は静かに好青年の方に振り返り、

「化け物さ」


 そう言って俺も森の闇に飛び込んだ。



 Side=サヤ∥Out









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