表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/89

編集中








 Side=サヤ∥Beginning∥『Reload』



 はぁ~い!皆待っていたかい?サヤだよ!!

 ・・・・まぁ、悪ふざけはここまでにして。


 現在村から少し離れた森の中にいます。

 また森ですよ?中立国国境付近だと言っても、少し歩けば中立国に着くわけもなく、てか、国境すらまだ越えてない。


 只今お昼です。襲ってきた(俺だけ)獣を拳一つで沈め、その獣の肉で昼食です。

 どうやらフォーリも旅などで自炊が出来る様だ。


 俺ヤバくね?俺料理が出来ない駄目な男になってるよ?

 必死に覚えようかと悩み中です。


「中々うめぇーな!!」

 フォーリが肉を頬張りながら言う。


「肉だけでは栄養が偏るのですがね」

 ニコニコ笑いながらカロも頬張る。


「まぁ~中立国行けば食事面もオールクリアだろ?」

 俺も頬張りながら言う。


 やっぱり男3人揃えば大量の肉も結構な速さで無くなる。


 腹八分目ぐらいになってきて、いよいよ本題に入る。

「で、結局お前の力はなんなの?」

 俺がカロを横目で見ながら尋ねる。


 カロは言葉を選ぶように説明する。

「そう・・・ですね。何て言いましょうか、簡単に言ってしまえば悪魔の力です」


「悪魔?比喩的表現じゃなく、あの悪魔か?」

 フォーリが尋ねる。


「はい。あの村で私が戦った悪魔がいたでしょ?あの悪魔の腕を喰らって、力を得たのです」


「喰らった?それはあれか?龍族の屍肉なんたらみたいなモンか?」

 俺が尋ねる。


「似ている所もあるのですが、少し違います」


「違う?」

 フォーリが尋ねる。


 カロは説明する。

「龍族の屍肉は人体に影響を与える力でしたが、悪魔の場合は違います。悪魔の場合は適合出来なかった場合、一発で死にます。その違いです。私はオリアス・・・あの時戦った悪魔の腕を奪い、喰らいました。その結果、喰らった右腕と同じ右腕に悪魔の力が宿ったのです」


 カロの説明を聞きながら、フォーリと俺は肉を頬張る。

 そして、俺が尋ねる。

「何で悪魔の肉を喰らったら死ぬって解ってるんだ?実験的な事をしたのか?」


「私ではないのですがね。これは・・・私が世界派に入る前の話をした方が良いかもしれませんね」

 そう言って、暗い顔をするカロ。


「話してみれば良いだろ?」

 フォーリが言う。


「長くても良いぞ?書籍にして残すから」

 俺は茶化しながらも話せと言う。


「はい・・・少し長くなるかもしれませんが・・・・」


 そう言って、カロは話し始めた。

 自分の過去を。



 Side=サヤ∥Out


























 Side=カロナス=ナイハ∥Beginning∥『Reload』



「私の昔の二つ名は『探求する殺戮者』なんですよ」


「凄まじい二つ名だな」

 サヤが水を飲みながら言う。


「フォーリは知っていた様ですけどね」

 フォーリを見ながら言うと、フォーリは笑いながら答える。

「ハッハハ!!!俺は最強を求めて旅をしてたんだぜ?お前の事もリストアップ済みだ!!」


「戦闘狂丸出しだな・・・・」

 サヤが苦笑しながら言う。それを見て私も苦笑する。


 そして、話しを戻す。

「まぁ、『探求する殺戮者』と呼ばれ出したのはある組織に所属してまもなくでした」


「組織?」

 サヤが尋ねる。


「はい。その組織の名は『謎喰い』です」

 そう私が言うと、フォーリが眉を細めた。


「『謎喰い』?」

 サヤだけは解らず尋ねる。


 フォーリが私の代わりに答える。

「名前通りの組織だ。「世界の謎を自分達の身で体験し、解明させよう」そんなイカレた思想を持った学者や魔法使いの集団だ」


「自分達の身で体験って言うのは?」

 サヤが尋ねる。それには私が答える。


「簡単な事ですよ。例えば、屍肉を自分で喰らう。などと言った危険と言われるがどのように危険か解らない。解明されていない事を解明する。その様な事を誰に強制される訳もなく、自ら進んでやる集団です」


「通称『禁忌を破りし罪人達』だ」

 フォーリが言う。


 サヤはフォーリに尋ねる。

「何でお前はそんなに詳しいんだ?その組織は強かったのか?」


「いや、組織全体はそんなに強さを持っている組織ではなかった。だが、中にはカロの様に実験に成功した者も居てな・・・だが、俺はこいつ等を好かない」

 フォーリは水を飲みながら言う。


「『謎喰い』のメンバーは、元々は差ほど強くありません。ですが、実験の結果で強くなる者は居ました。ですが、それは忌み嫌われる力です。その頃・・・組織にまだ居た頃の私は、力を求めるあまり自分のやっている事の重大さに気付いていませんでした。私は実験の為に、様々な事をしました。人も殺めた、人を裏切った、自分を殺した。その結果がこの悪魔の腕と『探求する殺戮者』と言う大層な二つ名です」


 自分で自分のしている事を理解出来ていない。その時の人間は、いつも以上に何かに執着し、執拗にそれを追求する。


「んじゃ~お前はその実験で自ら悪魔の腕を喰ったのか?」

 サヤが尋ねる。


「はい。「悪魔の力は少し人間の持つ魔力と異なり、悪魔を喰えば力を得る」などと言う話しを確かめる為にです。結果はこの通りですよ。先程も言いましたが、悪魔の力は龍族の屍肉と違い、一発で死に至ります。何故この様な事を知っているかと言うと、私と同じ様に実験をした者がいたからです。その者は悪魔を喰って悪魔となりました。未完成な・・・醜悪としか言えない姿に。それを殺したのが私です。その事があって、私は組織を抜けました」


「死に至るって言うのは、人間を捨てるって意味か?」

 サヤが尋ねる。


「それは解りません。実験したのが私とその悪魔となった彼だけですから、これだけでは何とも言えません。ですが、もう知ろうとは思いません。あんな思いは二度としたくありません」


 仲間が、自分の目の前で人でなくなる瞬間。

 吐き気と絶望感が一気に襲いかかる。そして、悪魔となった彼は言った・・・「殺シテ・・・クレ」と。涙も流せず、ただただ自分の死を望んだ彼。

 私は彼の望み取り、彼の心臓を貫いた。同じ、この悪魔の力で。


「組織を抜けた私は、私が抜ける少し前に組織を抜けた友に誘われ世界派の『アスリトン王国』に入りました」


「その友ってのはお前を裏切った?」

 サヤが尋ねる、


「はい」

 私は小さく頷く。


 少し、思い出しながら自分の過去に少し嫌気が差す。

 過去を払拭したく、友を信じてその結果は裏切られ殺されかけた。


 いや、死んだ方が良かったのかもしれない。

 自分の過去はくらやっても拭えない。

 過去に自分が殺めてしまった無関係な人間は、戻りはしないし、決して私を許さない。


 都合が良すぎた。

 組織を抜ければ罪が洗い流される訳がない。


 都合が良すぎた。


 すると、サヤが立ち上がる。

 そして、私を殴る。

「ぐはっ!!!!」


 私は左頬を殴られ、そのまま倒れる。

 私は何故殴られたかは解らず、サヤを見ると、サヤは私に拳を突き付け叫ぶ。

「これはムカついたから殴った。単純で良いだろ?これで、お前の思考はスッキリした筈だべ?何を悩む?何に後悔する?お前の過ちは後悔したり、懺悔すれば全て解決するのか!!ウジウジ考えてねぇーで今直ぐにテメェーのやりたい事を口に出して言ってみろよ!!!動かないでそこで立ち止まるのなら、ずっとそこに居ろ。その変わり、お前に後悔する事すら許されない。後悔出来るのは、何かをやった人間にだけだ!!!やらねぇー後悔なんて、ただの逃げだろ?「ああすれば良かった」そんな事は終わった後に言っても無駄なんだよ!!!動け!!!考える前に進め!!!」


 私は何も言えず、ただただサヤを見る。


 すると、サヤが最後に言う。

「・・・もう一度尋ねる。お前は何がやりたい?」


 私は・・・。

 歯を食いしばり、拳を作る。


 私は何で諦めていた?

 私は自分の罪が消えない事を知っていながら、諦めていた。


 動かないで、自分の過去に後悔していた。


「私は・・・」

 私は立ち上がる。


「私は、自分の罪を忘れる事をしません」

 前へ進む道標は見つけた。


「私は、自分の過去の為に・・・・私の様な愚者が産まれない為に・・・」

 その道標は、私に拳を突き付ける。


「私はこの力を振るいますよ。『奪う』為ではなく『守る』為に」

 その拳は危うく。


「それが間違っていようとも」

 そして、力強く。


「貫きますよ」


 私はサヤの拳に自分の拳をぶつけた。


「へへっ!最高だなテメェー等!!」

 フォーリが手を叩きながら笑う。


「おぅよ!!」

 サヤが笑いながら私の肩に腕を回す。


「あっ!・・・サヤ」

 私はサヤを体から離し、向き合う。


「ん?」

 サヤは「何?」と言った顔をしている。


 私はニコニコ微笑みながら、作った拳でサヤの右頬を殴った。


「グボッヘ!!!!」

 地面に横たわるサヤ。


「ギャッハハハハハ!!!!!!!」

 フォーリは馬鹿笑いしている。


「な・・・・んで?」

 サヤは口から血を流しながら私に尋ねる。


 私は、ニコニコ微笑みながら答える。

「お返しです」



 Side=カロナス=ナイハ∥Out





















 Side=サヤ∥Beginning∥『Reload』



 カロに殴られ、気付いたら気絶していた。

 目が冷めたら、リノが俺胸の上にいて、俺の顔をバシバシ容赦無く叩いていた。


 まぁ、それは良しとしよう。だがね・・・・・

「ヨダレ!!!!ダラダラ!!!!!!!!!!!」


 リノは「キャッ♪キャッ♪」と喜んでいるが、俺の顔は涎でビショビショだった。

「のわぁ!!!!!!!!!!!!!!!」

 絶叫。もう・・・・絶叫。


「うぅ~?キャッキャッ♪!!!!」

 俺の胸の上で喜びの舞を踊るリノ。


 その度に、俺の鳩尾にリノの小さな拳がジャストミートする。

「うっく!!!駄目駄目駄目駄目!!!!リノさん駄目!!!」


 俺が必死に止めようとするが、幼き暴れ馬事リノさんは喜ぶ。

「キャッ♪キャッ♪」

 手を叩きながら、喜ぶリノさん。


「いやいや!!下りなさいよ!!!」

 そう俺が叫び、リノを退かそうとすると、

「うぅ~・・・」


 つぶらな瞳で俺を見つめるリノ。


「ぐっ!」

 耐えろ!耐えろ!!!耐えろ俺!!!この様な瞳に騙されて甘やかしたら、将来絶対自己中女に変貌するぞ!!!


 これはリノの将来の為だ!!そうだ!!鬼になれ!!俺の心よ!!鬼になれ!!!


「リノっ!!!―――」

「うぅ~」


 ・・・駄目です!!!俺には無理です!!!!!


「・・・・好きに遊びなさい・・・・」

 そう俺が言うと、


「キャッ♪キャッ♪」

 拳が鳩尾に・・・・。


「・・・カロとフォーリはどこよ?」

 俺は寝っ転がった状態のまま、辺りを見渡す。

 姿は見えない。


 ん~・・・・。

 と、言うか、本当に涎を洗いたい。

 どうしようか。・・・・しょうがないな。


 一番適任なのは・・・・ユースか。


「『答えよ―――主の声に―――姿と正義の心を見せよ!!!』」


 魔方陣から、白黒ツートン髪の色。そして目隠しをしたユースが現れる。

「お呼びかしら?ベビーシッターサヤ君?」

 クスクスと笑いながら茶化すユース。


「リノを少し頼む。俺ちょっと顔洗ってくる」

 そう言い、リノをユースに渡す。


「あぁ~あ!あぁ~あ!!」

 リノは両手両足をバタつかせながらごねる。


 だが、

「駄目よぉ~リノちゃん。サヤ君に迷惑かけちゃ」


 ユースがそう言った瞬間、

「あぁ~」


 ユースの胸に顔を埋めるリノ。

 いや、女の子だからさ。別に何も思わないが・・・・。


 ユース胸デカくね?

 気付かなかった。今リノがユースの谷間に顔を埋めてハッキリと解る。


 かなりデカい。

 バストどれくらいあるの?


「何を凝視してるの?」


「へ?」


 ユースが俺を睨んでいる。

 あれ?俺いつの間にユースの胸を凝視してた?


 これやばくね?この状況ピンチじゃね?

「えぇ~と・・・これはぁ~・・・えぇ~・・・と」

 俺が必死に言い訳を考えていると、


「ふふ・・・触ってみる?」


「へ?」


 今・・・何と?

 触ってみる?触ってみる?触ってみる!!!!!!!!!!!

 まさか・・・まさかこんな所でエロフラグが立つとは!!まさか・・・まさか!!しかも相手はユース!!!まさか!!!やばいぞ!!やばいぞ!!

 『地球』に居た頃の俺は女顔のせいで男とばっかりフラグが乱立しやがった。


 でも!!今・・・・ついに!!!!

 大人の階段昇っちゃう!!!昇っちゃう!!!!


 俺はぷるぷる震える手を・・・ユースの乳房に・・・・


「あれ?サヤ起きたのですか?」


「グゥゥゥゥゥッド!!!!モォォォォォニンッッッッグッッッッ!!!!!!」

 俺は叫んだ。


「何で顔真っ赤なんですか?」

 カロが俺の顔を見ながら怪しい笑みで尋ねる。


「いいいいいいいいいいえええええええええ!!!!!!別に!!!!!!」

 俺は混乱していた。


「それに涎だらけですよ?向こうに川があるので洗って来てはどうですか?」

 カロが川の流れている方を指さしながら言う。


「行って参ります!!!!!」

 俺は川へダッシュした。


 その後ろで、カロとユースが不敵な笑みでがっしり握手をしていたのを知るのは、まだ先の話である・・・・。



 Side=サヤ∥Out














評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ