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 Side=マルコシアス∥Beginning∥『Reload』



「・・・派手にやられたな」

 森の中、横たわる無残な悪魔を見下ろしながら呟く。


 傷・傷・傷・傷・・・・無様。


「・・・マ・・・・ルコ・・・・シア・・・・・ス」


「アレ、生きてるのか?」


 ハルファスは微かに残る命を削りながら言葉を発する。


「ち・・・・りょう・・・し・・・て・・・く・・・れ」


「治療?」


「た・・・の・・む」


 その姿を見て、思わず笑いがこみ上げる。

「ハハッハ!何故だ?一度負けた奴を何故?もう一度やれば勝てるとでも!?甘い!甘い!甘す過ぎる!!!」


「た・・・のむ・・・」


 再度私に頼むハルファス。滑稽だ。

「貴様の能力は本当に使えないな。『自分の部下を自分の身代わりにする能力』だったか?部下が居なければ意味の無い能力だ」

 私はしゃがみながら罵倒する。


「つ・・・ぎ・・こそ・・・は」


「次?そんなモノは無いよ!お前は此所で終わりだ!この辺鄙な森で終わりなんだよ!!!」

 そう言い、立ち上がり剣を抜く。


「な・・・にを・・・?」


 私はニヤリと笑い、

「愚者には裁きを」


 私はハルファスの胸に剣を突き刺した。


「グハッ!!マ・・・ルコ・・・シ――――――」


 私は剣を抜き、ハルファスの腹に蹴りを入れる。

「ハッ!!貴様は所詮捨て駒なのだよ!!!自分の力に酔って、ショボイ作戦で突っ込む程の無知で大馬鹿野郎な糞野郎なんだよ!!!!ベリアル様の顔に泥を塗りやがって!!!!貴様は一回程度殺しただけじゃまだ殺し足りない!!!何回も!何回も!何回も!!!殺して!殺して!殺して!!!それでも足りない!!!まだまだ殺して!もっと殺して!!!骨も肉も残らない程に殺して!!!!!!」


 腹を何度も蹴る。

 蹴る度に、グチャリ、グチャリと血と肉が踏まれる音が響く。


「はぁー・・・はぁー・・・靴が汚れてしまった・・」


 蹴るのを止め、後ろにいた部下に命令する。

「このゴミを始末しろ」


 そう言って、私は空を見上げる。

 雲に隠れ、星の輝きが無い。


「最高のだ・・・・明日は雨か?」


 フェニックス以外にも、イレギュラーな奴は居たが差ほどの脅威ではない。簡単に殺してくれる。


 私は、森を後にした。



 Side=マルコシアス∥Out






















 Side=サヤ∥Beginning∥『Reload』



 今宿で説明を聞いている。え?何の説明かって?勿フォーリの槍についてだ。

 いつの間にか名前で呼び合っているのは、今朝目覚めて何となくだ。


 それに、コイツは嫌いなタイプじゃない。戦闘狂だけど。


 コイツの事は先に聞いていたカロに説明してもらった。

 俺的には人間派とか世界派とかはどうでも良い。


 コイツも仕方無く的なところが有るから。


「雷とか風を帯びた槍は何だ?」

 俺が尋ねる。


「アレは創造で造り出したその槍に、雷の魔法と風の魔法を纏わせただけだ。創造では雷や風とかは造れないからな」


 そう良いながら、朝食(今は昼だが、コイツは今起きたから朝食)のパンを食べている。


「じゃ、黒い槍は?」

 俺は昼食を食べている。朝食のメニューと変わらない。


「お前も気付いたと思うが、アレは二段階のホーミング付きの槍だ。途中で地面に刺さったり、障害物に刺さったらそこで止まるけどな」


「創造魔法はそんなオプションを付けられるのか?」


「普通は無理だろうがな。俺は特別だからな」

 そう言って、スープを飲むフォーリ。


 俺はカロに尋ねる。

「特別で済ませて良いの?」


 カロは苦笑いで答える。

「普通では無理でしょうね。ですが、創造魔法は全てが解明されていないのですよ。ですから、不思議では有りますが、不可能ではありません」


 そうは言っているが、カロも信じがたい様だ。


 俺はフォーリを見て尋ねる。

「んじゃ、白い槍は?」


「アレは簡単だ。刺した相手に魔力を流し込んで、内からズタズタにする槍だ」

 そう言って、パンを噛む。


「魔力流されただけでか?」


「あぁ?そうか、お前は異世界の人間だったな。魔力は個人が持つ2つと無い力だ。当然人それぞれ違う。そんな別の物が流れ込んだら、当然拒絶反応が起きる。それを利用した槍だ」


 凄い槍だな。このオプションも特別だからで済むんだろうな。

 因みに、フォーリはもう俺の素性とか異世界から来た事を話している。何かそんな流れになったから。

 まぁ、信用出来るから良いけどね。


 『朱眼』の説明もした。そしたら「それは卑怯だろ!」って言われた。お前、俺が何故お前より早く起きたか知っているか?痛みで起きたんだよ。寝ていたら大丈夫思ったら、痛みは関係無く襲って来やがった。


 今は大分引いたけど、少し痛むぞ馬鹿野郎。


「それにしても、あの馬鹿デカイ魔力はお前だったんだな」

 フォーリが言う。


「馬鹿デカイ?」


「そうだ。この前・・・いつだったか?2ヶ月?3ヶ月前か?」

 そう言って、首を傾げて思い出そうとするフォーリ。


 俺も同時に思い出す作業をしている。

 2ヶ月前は・・・修行中だな。3ヶ月前は・・・アレか?最初に悪魔と戦った時か?アレなのか?まぁ、あの時は魔力垂れ流しにしていた様な・・・どうだったか?


「まぁ、どうでも良いがな」

 そう言って朝食を食べ終わるフォーリ。


「どうでも良いのか?」

 俺も食べ終わり、フォーリに尋ねる。


「あぁ、どうでも良い。お前でなくともどうでも良い。何故なら、お前と言う面白い奴を見つけたからな!!」

 そう言って笑うフォーリ。


 やばいぞ・・・カロは精神的な攻撃はしてきたが、外面的な攻撃はしてこなかった。

 だが、コイツはその外面的な所を攻撃してくるタイプだ。何故ならコイツは戦闘狂だからだ!俺の体が!!俺の体があああああああああ!!!!!!


 俺は頭を抱えて心の中で叫んだ。


「どうしました?」

 カロがニコニコ笑いながら尋ねてくる。


 お前解って聞いてるだろ?そうなんだろ!?くそぉ!!!!俺の周り碌な奴いねぇー!!!!

 まぁ、俺も碌な奴ではないが・・・・。


「それより昼飯はまだか?」


「まだ食うの?」


「いや、さっきのは朝飯だろ?俺まだ昼飯食べてねぇーからよ」


 ・・・大食いキャラ?


「夕食まで待てば良いのでは?」

 カロが尋ねる。


 フォーリは首を横に振りながら答える。

「駄目だ。それは駄目だ。それだと俺は今日2食しか食べて無い事になるだろ?損してるだろ?それは駄目だろ」


 ・・・・面倒なキャラだ。


「あっ、サヤはともかくカロは知ってるか?」

 フォーリが何かを思い出した様にカロに尋ねる。


「何がですか?」


「不死の男の噂だよ」


「不死?」

 そんな奴がいるのか?俺でも不老止まりだぜ?まぁ、直接的な攻撃では死なないけどさ。一応死ぬし。

 まさか、不死なんて奴が居るなんて。


「知っていますが?どうするのですか?」

 カロが尋ねる。てか、知ってるのか?凄いなお前。


「不死かどうか確かめようと思ってな!!!!」

 そう言って笑うフォーリ。


 コイツ大丈夫かホント。


「成る程。それは確かめてみたいですね。確かめますか?」

 ん?どう言う事?


「確かめるってどうやって?」

 俺が尋ねる。フォーリも同じ疑問の様だ。


 すると、カロが微笑みながら答える。

「だって、あの赤髪の男性がそうなんですよ?」


 ・・・・・・

「「マジで?」」


「マジです」


 ・・・・・・

「「マジかよ!!!!!!!!!!!!!!」」


 見事に声が重なった。








 只今、その赤髪男の説明をカロがしています。


「アイツ悪魔だったのか?」

 俺が驚く。


「まさかこんな村に居たとはな!!」

 喜ぶフォーリ。


「ですが、色々訳ありのようですよ」

 カロが言う。


「訳ありって何がだ?」

 フォーリが尋ねる。


「結界に関係してるのか?」

 俺が尋ねる。


「そうです」

 カロが頷く。


「結界?この村に張っているのか?」

 フォーリが尋ねる。


「そうです。その結界を張ったのが不死鳥こと、フェニックスあの人です」

 カロが答える。


「何か守りたいって事か。で、その守りたいのは結界が張ってある家に関係してるんだろ?」

 俺が尋ねる。


「どうやら奥さんとお子さんを守りたいようです」

 カロが答える。


「その奥さんやらと子供は悪魔か?」

 フォーリが尋ねる。


「いえ・・・奥さんは人間です」

 カロが否定して答える。


「なっ!・・・・つまりは子供は悪魔と人間のハーフか!?」

 俺が驚き尋ねる。


「はい。そう言う事になりますね」

 カロは何故か暗い顔をする。


「何か気になる事でもあんのか?」

 フォーリが尋ねる。


 カロは少し間を開けて答える。

「どうやら、奥さんは自分の夫が悪魔だと知らないらしいです」


「それって・・・危ないだろ」

 俺が言う。


 それはそうだ。知らずの内に悪魔に狙われる可能性が高まるからな。

 それに、知ったときの奥さんはどう思うのか。


「それで結界か」

 フォーリが言う。


「そうですね。彼も悩んでいるようです。ですが、このままだとバレると思いますよ」

 カロが言う。


「何で?」

 俺が尋ねる。


「一昨日襲撃してきた悪魔は、一応はソロモン72柱の悪魔でしたが、不死であるフェニックス相手に1人は無謀です。つまりは、アレは偵察を兼ねているのではないでしょうか?」


 確かに、堕ちた俺でも勝てた奴だ。フェニックスであるあの火達磨男に勝てる訳がない。では、最初から勝ち負けを求めていたのではなく、偵察を兼ねた・・・・だがそれだと。

「奇襲する意味はあったのか?」


 偵察なら偵察だけして帰れば良かったのに、何故攻撃をした?それだと、偵察の意味が無いだろ?


「予想は二つ。一つはあの悪魔の独断先行です。二つは、彼は捨て駒だったと言う事です」

 カロが自分の考えを言う。


「一つ目は解るが、二つ目は何でそんな考えになった?」

 フォーリが尋ねる。


「完全な憶測ですが、フェニックス以外のイレギュラーが居ないか居るかの確認だったと思います。その為、あの悪魔に攻撃させイレギュラーが居るか確かめ、ついでにそのイレギュラーの力を見ると言った事が目的かと。その為、あの悪魔を捨て駒として切り捨てた」


 ん~まぁ、その考えも妥当だな。

「俺的にはその二つの考えを合わせても良いぐらいだと思ってるぞ」


「何でだ?」

 フォーリが尋ねる。


「お前はその襲ってきた悪魔を見てないから解らないと思うが、あの悪魔は勝手に行動しそうな感じだったんだよ。んで、切り捨てられそうな感じだった」


「後者に関しては解りませんが、前者は確かにそうだと思います」

 俺の前者の考えに同意するカロ。やんわり違う言われているようで傷付く。


 フォーリは良く解ってはいなかったが、気にしてはいない様だ。


「それで、この後どうするか、か?」

 俺が尋ねる。


 すると、フォーリがニヤリと笑って言う。

「悪魔は必ず此所を襲うんだろ?なら、待っていた方が良いだろ」


 戦闘狂め・・・だが、その意見には賛成。


「私もそう思います。不死鳥の事はどうでも良いですが、此所を攻撃すると言う事は村の人々と不死鳥の奥さん子供にまで危害が加わる。無関係な人は巻き込みたくないですからね」


 同意。


「んじゃ、敵さんが現れるまで待ちますか?」


「そうですね」


「そうだな・・・でも取りあえず俺は昼飯だ」


「「・・・・・・」」


 面倒な奴を・・・・もうどうでも良いや。



 Side=サヤ∥Out























 Side=第三者∥Beginning∥『Reload』



「ベリアル!!」


 黒髪で片目だけ隠した女性、オリアスがベリアルに向かって歩きながら叫ぶ。


「何だ?」


 ベリアルの側まで行き、オリアスが言う。

「私も行くが、問題無いか?」


「何故私に尋ねる?」

 ベリアルはオリアスなら単独で行くと思ったのに、許可を貰いに来た事に驚いていた。


 オリアスは眉間に皺を寄せながら答える。

「一応アンタがフェニックス捕縛の責任者だからね」


「あぁ・・・そうだったな」


 少しゆっくりとした感じのベリアルにオリアスは苛々していた。

「で、どうなの?行って良いの?駄目なの?」


 オリアスは急かす。


「どうせ、駄目と言っても行くのだろう?」

 ベリアルは言う。


「当たり前さ!!」

 オリアスは言う。


 ベリアルは溜息に似た息を吐き、答える。

「行っても良いぞ」


 許可を貰い、直ぐさまオリアスは歩き出す。


「待て」

 ベリアルが止める。


 オリアスは止められた事に苛々しながらも、尋ねる。

「なんだい?」


「・・・・何故行こうと?」

 ベリアルが尋ねる。


 すると、オリアスは自分の右腕を押さえて答える。

「疼くのさ!!この・・・斬られた腕が!!!それに、何故か最近思い出す。あの・・・私の腕を斬り落とし私の腕を喰らった・・・あの男・・・『探求する殺戮者』の顔がね!!!!」


 狂気に歪み、怒りに狂った顔で叫ぶオリアス。


「・・・そうか」

 ベリアルは小さく答える。


 気付くと、そこにオリアスの姿は消えていた。


「・・・・無事を祈る」

 オリアスもそう言い残し、姿を消した。



 Side=第三者∥Out





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