編集中
Side=サヤ∥Beginning∥『Reload』
冒険2日目(実際は『龍族の谷』に2日滞在していた為4日目)
歩いています。広がるのは森です。
ピクニック日和の天気。それが憎いです・・・。
やはり飛ぶのは駄目らしい。
ヨーロで行くのは?と言う案も駄目らしいです。何で?
んで、今こんな会話をしています。
「サヤはどのくらいの魔法の知識が?」
「知識?いや、色々頭の中に有るんだけど、それがどの魔法なのかとか、そう言う詳しい事は解らないんだよね」
「不便ですね」
そう言って何故か微笑むカロ。お前・・・。
「この世界の魔法の属性とかって何種類あるの?」
これ重要。
「属性などは結構あやふやですが、基本的なモノは火・水・風・雷・地ですかね」
そう言って、人差し指に水の玉を造り出すカロ。
「他にも有るの?」
俺はその水の玉を見ながら尋ねる。
「基本的な属性を進化させたり出来ますし、魔力のよって違う属性になります」
おぉ~益々ファンタジー!!!!
「例えば!?」
テンション上がってきた。
「そうですね。私が使うのは水系魔法です。この水の玉を―――」
すると、水の玉が氷の塊に変わる。
「おぉ~!!!」
流石の俺も興奮。
「水から氷に変えました。ですが、元々氷と言う属性を持っている方もいるので、その人の氷系魔法には劣ります。他には、火を炎にと言ったグレードアップとかですかね」
面白いなぁ~。
魔法はやっぱり良いよね!!何かファンタジーだし。
「他にも属性有るんだろ?」
俺は氷の塊を上に投げながら尋ねる。
「他には光・闇など有ります。更に時間・空間・天空とかですかね」
「最後の方はかなり危険だな」
時間とか空間使える奴が居たら結構危ないよね。
「そうですけど、時間や空間を使える者など一人いるかいないかですよ」
意味ねぇーだろ・・・それ。まぁ、この世界の魔法の定義が結構あやふやで、それ程決まったモノが無いのは知っていたが・・。
「てか、天空ってどんな属性な訳?」
ラピュ○だよね。あのデカイ雲の中に絶対在るべ!!的なあれだよね?
「まぁ、言ってしまえば神に一番近い属性です」
俺の考えを打ち抜く程の予想外だ。
「神?」
「はい。まぁ、これも使える人が殆どいないので、良くは解りませんが」
カロ使えないなぁ~。
俺は上に投げた氷の塊をキャッチしようとした時―――
ビシャッ!!!!!・・・・・
氷の塊が水に変わり、俺の顔面がびしょ濡れに・・・。
俺はゆっくりカロを見る。
「・・・何で?」
「使えないとか思ったでしょ?」
・・・何なのコイツ?
「早く顔拭いて下さいよ」
そう言って俺にタオルを渡すカロ。
俺は何も言わずにタオルを受け取る。
コイツ俺の頭の中読んだ・・・怖いよ。もうコイツが良く解らないよ。
まぁ・・・ここは我慢か。
「あっ、俺の使う召喚とかは?」
「召喚はそのまんま召喚魔法です」
そう言って、俺に何故かまた氷の塊を渡すカロ。えっ?どうしたいの?
渋りながらも受け取ってしまう俺。
「属性とか結構あやふやだな」
今度は氷の塊を上には上げず、手の中で遊ぶ。
「召喚魔法は凄く高度な魔法なんですけどね」
そう言って、微笑むカロ。
「他にも有るんだろ?魔法」
俺は思わず氷の塊を上に上げる。
ビシャッ!!!!!!・・・・
顔面にかかる。でももう気にしない。顔を洗っていると思う事にした。
タオルで顔を拭く。
「一部ですけど、洗脳魔法・転送、転移魔法・創造魔法・解読魔法・治療魔法・強化魔法・劣化魔法などなどありますね。今挙げたのは一部ですけど」
結構有るんだな。
「洗脳・転送、転移・治療・強化は解るけど、他は?」
結構言葉を聞いてもピンとこない。
「簡単に説明しますと、創造魔法は何も無い所から武器などを造り出す魔法です。ですが、人などの生物は創造出来ません。解読魔法は古文書や魔法書を解読する魔法です。劣化魔法は強化の反対の効果を与える魔法ですね」
なるへそ。
「結構色々あるんだな」
「そうですね。色々相性とかありますから、全てが全て使える訳ではありませんし」
そう言って、また俺に氷の塊を渡すカロ。
もう気にせず受け取る俺。
「まぁ~サヤは召喚魔法の神々で大体の事は出来てしまいますが」
そう言って俺を見て微笑むカロ。
何か、最近カロの性格が歪んできたと言うか・・・俺への態度が・・・。
それよりも、いつまで歩けば良いのだ・・・。
かれこれ4時間は歩いている。
それなのに景色は変わらず、猛獣には襲われる(俺だけ)し・・・・どっかのツンツン頭の無能力者の口癖ではないが・・・不幸だ。
てか、『アース』って『地球』と同じって言っていたからとある魔術の○書目録あんじゃね?
まぁ~暫くは『リロード』に居るからそれ程興味無いけど。
「ん?」
目の前から、微かに光が差している。
「これ・・・森から抜けられる?」
俺は指を差しながらカロに尋ねる。
「えぇ。やっと出口ですね」
そう言って微笑むカロ。
やっと、魔の森からの脱出!!長かった。辛かった。
まぁ~俺筋肉痛とかにはならないから身体的な負担は無いが、精神的な負担は有る。
マジ、もう森嫌い。
あぁ~畳の臭いが恋しいよぉ~。
軽くホームシック。
「何やっているのですかぁ~」
いつの間にかカロが森の出口の側に居た。
「おいおい!俺を置いていくなよ!!」
俺は今、地獄から天国へGOした。
筈だった・・・・。
「オ前・・・人間・・・オラ・・・食ウ・・・」
もう、嫌。
今目の前に悪魔が居ます。そんで、涎垂らしながら何か言っている。
ホント・・・不幸だ。
「オ前・・・食ウウウウウウウウウウゥゥゥウゥゥ!!!!!!」
叫んで俺とカロに突っ込んで来る悪魔(豚みたいな)。
俺は悪魔(FFとかに出てきそうな亜人みたいな悪魔)を見ながらカロに尋ねる。
「何で此所に悪魔が居るの?」
「悪魔は基本何処にでも居ますよ?」
カロは微笑みながら答える。
「・・・まぁ、良いか。コイツの試し切りだ」
俺は『仙牙龍刀』を構えながら悪魔(涎やら鼻水を垂れ流す)を見据える。
この『仙牙龍刀』には鞘が無かった。その為、俺の中に入れている。
入れていると言っても解らないと思うが、簡単に言えば神々が居る場所に置いていると言う事だ。
鞘が無くて持ち運びが大変だとカーリーに言った所、「私が持っててあげる」との事で。
その時、クロノスが「サヤが鞘だね!!」とか言った。気にせずスルーしたけど。
まぁ、持ち運びの事は何とかなったが、問題は別だ。
刀を持って一番やりたい事と言えば、居合い。けれども、鞘が無いから出来ない。
これ以上に悲しい事があるだろうか?
「グギャァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」
奇声を発しながら突っ込んで来る悪魔(何かジ○リに出てきそうな感じの)。
俺は『仙牙龍刀』の刃先を悪魔(何か臭いよね。多分あの豚だ)に向ける。
そして―――
「トリュフでも探してろヤァアアァァァァァァァアアア!!!!!!!」
悪魔(豚悪魔)の首を切り落とした。
まぁ、どうやって切り落としたかと言うと、ただ普通に切った。まぁ、速くて見えなかったと思うが。
「流石ですね」
そう言って近づいて来るカロ。
「まぁ、これぐらいの悪魔なら余裕だろ?」
俺は『仙牙龍刀』をしまいながら言う。
「雑魚ですから、ですがソロモン72柱の悪魔はこれ以上ですよ」
そう言って首が無い悪魔を見る。
ソロモンとかもこの世界に在るんだな。いや、あの糞真神のせいだろうな。元々無い知識を無理矢理与えたのか?まぁ~ソロモン72柱とか言うが、レプリカも良い所だろうが・・・。
「でもさ、何でソロモンの悪魔共は力があるのにもっと派手に暴れないんだ?」
当然の疑問。
それ程恐怖を撒き散らす連中が、何故に動きを見せない?やろうと思えば簡単に世界を落とせる気がする。
それに、今人間は世界派人間派とかに分かれて戦争までしている。
そんなあからさまな隙があるのに、何故に攻撃しない?
「その理由は分かりません。ですが、確実に我々の首を絞めている事は確かですよ」
そう言ってカロは死んだ豚悪魔から視線を外す。
色々ドロドロしてるよなぁ~この世界も。
「さて、行きますか?」
カロが歩きながら俺に言う。
「そうだな」
争いが無い世界なんて、夢物語なんだろうな、きっと。
何かを手に入れたければ、奪う他に手段は無い。
最良の手段で何かを手に入れても、どこかでその何かを失っている者が居る。
この世に最良の手段なんて無いからだ。
99人がそれを正しいと言っても、1人がそれを否定したら、最良では無い。
まぁ、最も良い手段なのだから、完全な良い手段ではない。
それでも、戦争までして得た何かは、何をもたらしてくれるのだろうか?
他人の為と言えば、その考えが正当化させるとでも思っているのだろうか?
所詮は欲だ。
けれども、誰もその考えを悪や善などと決めつけられない。
人は人であって、神ではない。
それが解っているからこそ、人は神に縋り、神になろうとする。
奪い奪われ。殺し殺され。喜び泣く。
一体・・・何が正しいのだろうか?
いや、正しさを求める自体が不毛だ。
正しさなどはこの世界には存在しないのだから。
今、人が言っている正しさは全ての正しさでは無い。
ある国では戦争は正しいとされ、ある国では戦争は否定される。
ある人は今の世の中を正しいと言い、ある人は今の世の中を否定する。
正しさが無いのならば、自分で見つけるしかない。
そして貫くしか。
もし、他人がそれを否定したとしても。
俺は考えを変えない。
自分の考えはいつも正当であって、他人にとやかく言われる筋合いが無いからだ。
これも一種の傲慢・欲だ。
自分が正しいと思い込む人間の悪い所。
それでも、人はそれに何かを思う。
一生自立出来ないのが人だ。
その中で、自分の貫く何かを貫けなくてはどうする。
俺はここで誓おう。
例え俺を誰かが悪と言おうが、恨もうが、憎もうが。
俺は自分の信念は曲げないと。
Side=サヤ∥Out
Side=第三者∥Beginning∥『Reload』
男は辺りを見渡しながら舌打ちをした。
男の容姿は、黒に赤のラインが入ったボディーアーマー着ており、金髪短髪である。
切れ目で、誰が見ても第一印象は最悪だろう。
すると、男の周りに複数の鎧を着た集団が囲む。
「貴様、バティフォーリ=ケスティマで間違いないな?」
集団の1人が男に尋ねる。
バティフォーリ=ケスティマと呼ばれた男は、不敵に微笑み答える。
「あぁ、そうだろうよ?んで、アンタ等は『グラパス皇国』の兵士さん方かな?」
「貴様は我が兵士達を殺し、逃走した。今から貴様を断罪する!!」
そう言って、集団は剣を抜く。
それを見て、バティフォーリ=ケスティマはニヤリと不気味に笑みを浮かべる。
その様子を見て、集団の1人が叫ぶ。
「何が可笑しい!!」
すると、
「いやいや・・・俺相手に、まさか10人だけとはと、舐められたなと思っただけさ」
そう言って、バティフォーリ=ケスティマは上を指さす。
その瞬間―――
「『無限の槍の雨』」
空から大量の槍が雨の様に降り注ぐ。その槍は、バティフォーリ=ケスティマを囲んでいた集団に突き刺さる。
「「「「「「「「「「ぐがああああああああああああ!!!!」」」」」」」」」」
集団は、その槍の雨を避ける事が出来ず、無残に殺れる。
「チッ!つまらねぇー」
そう言って、頭を掻くバティフォーリ=ケスティマ。
「うっ・・・くっ・・・」
すると、倒れた集団の1人がまだ息があったようで、呟く。
「これが・・・『創造の槍使い』の・・・力・・・・」
そのまま、息があった男も息を引き取った。
バティフォーリ=ケスティマはその息を引き取った男を見ながら、頬を吊り上げ言う。
「一生刻んどけ、俺がお前を殺した男だと」
そう言って、バティフォーリ=ケスティマは飛び上がった。
残ったのは、死体だけだった―――・・・。
Side=第三者∥Out