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 Side=サヤ∥Beginning∥『Reload』



 やっほ~。人格崩壊が起きている主人公のサヤだよ!!


 長の家で話していたらいきなり体が光って、知らない所に転送されたサヤだよ!!


 ここで、サヤの魔法講座ぁ~!!


 転送は違う場所に送る魔法。転移は他の場所に行く魔法。

 前者が他者が行う魔法で、後者が自分で行う魔法。


 それ程高位な魔法では無く、結構習得レベルが低いらしい。

 けれども、完璧に送る場所や行く場所を指定するには、それなりの魔法使いじゃないと無理らしい。


 だから習得は簡単でも使いこなせないと言う魔法。習得の意味ねぇー!!


 この魔法の理論的なモノはこの世界オリジナルと言うか独自のモノなので鵜呑みにしないでね☆


「何をしているのですか?」

 カロが尋ねてきた。


 どうやら、俺は危ない方にトリップしていた様だ。

「いや・・・何でもない」


 只今長の家で事情聴取的なモノを受けています。

 先程からラテスが、鏡で反射した光を俺の顔に浴びせてきます。地味に辛い。


「それで、何処に行っていたのですか?」

 俺の目の前に座るカロが尋ねて来る。


「いや、何処かは詳しくは解らないけどだだっ広い空間に転送されて、コイツを手に入れた!!」

 そう言って、俺は『仙牙龍刀』を見せた。


「そっ、それは!!!!!!!」

 長が身を乗り出して俺の持つ刀を見る。


「その剣は?」

 カロも俺の持つ刀を見ながら尋ねてくる。


「いや、そのだだっ広い空間のど真ん中に刺さってた。だから抜いた。認めてくれた様で」

 結構端折って説明する。まぁ、どうせ後でカロに聞かれるのだろうけど。


「認められたのですか!?」

 長が馬鹿デカイ声で叫ぶ。


「この剣は何ですか?」

 カロが長に尋ねる。


 長は一度咳払いをし、説明する。

「これはですね、初代長の牙を加工して造り出された『仙牙龍刀』と言う名の剣です。当初は長に受け付かせる為に造り出されたのですが、この剣は自我を持っているみたいで、持ち手を選ぶのです。それに、あまりにも強い力なので、誰も扱えず持つ事も出来なかったのですが・・・」


 そう言って、長・カロ・ラテスは俺をガン見する。恥ずかしい。


「流石化け物ですね♪」

 何故かご機嫌が良いカロ。


「化け物だから仕方無いか」

 勝手に納得するラテス。


「いやぁ~この様に間近で見られるとは・・・」

 未だ刀をガン見している長。


「・・・コイツ貰って良いの?」

 俺は一応尋ねた。人様の物だからね。勝手はダメだよね。


 すると、長は腕を組み悩む。


 長のキャラ崩壊は凄まじいな。

 堅物キャラから変わり過ぎじゃね?


 すると、長は自分の太股を叩き、

「解りました!その剣は初代長同然です。その剣が認めたのなら、私に異論などはありません!それに、貴方は龍族の救世主ですから!!」


 救世主・・・?マジで?

 いやいや・・・俺は悪人を名乗っていた様な・・・先程からカロが俺の方を見てニヤニヤしています。クソッ!まさかこんな所で救世主フラグが立つとは・・・今更へし折れないよね?これもう諦めるしかないよね・・・。鬱だ・・・。


「・・・有り難く・・・頂戴します・・・」

 やべぇー何故か塩水が・・・。


「おやおや、それ程嬉しいのですか?サヤ」

 カロがニヤニヤした顔のまま俺に尋ねる。


 ・・・やっぱり始末した方が良いな、コイツ。


「では、準備でもしますか」

 そう言って立ち上がるカロ。


「準備?」

 ラテスが鏡を持ちながらカロに尋ねる。


 俺がカロの代わりに答える。

「俺とカロは中立国に向かう途中だったんだよ」


 すると、何故かラテスの表情が暗くなる。


「ん?どうしたラテス?」

 俺が尋ねてもラテスは答えない。


 俺はカロと長を見る。2人は何故かやれやれと言った顔をしている。


 ん?イマイチ解らないが?


「サヤ!私も・・・連れてってくれない?」


「・・・は?」

 ・・・何を言っているのこの子は。


「ダメ?」

 上目遣いで俺を見るラテス。クソッ!結構な破壊力だ!!


 ダメだ!こんな小さい子に・・・いや、俺より年上なんだけどさ。それでもダメだ!

「・・・駄目」

 心を鬼にしろ!俺よ!!!!!!!!!!


「何で!?」

 ラテスは鏡をテーブルに叩き付けながら俺に尋ねる。


 鏡完璧割れたよね。


「今は駄目だ」


「今?」


「あぁ。まだお前は十分に自分の力を使えていない。もし、着いてきたとしても、俺とカロではお前を守れるとは限らない。だから駄目だ」

 厳しい事を言っているが、これは重要な事。


 悪魔と戦っている時にラテスを守る余裕なんて・・・いや、俺チートだけどさ。多分守れるけどさ。それでもしもの事があったら大変だし。


 ラテスの親父とお袋に任されてはいるけども、流石に危ない目に遭わせるのは駄目でしょ。


 ラテスは俯き、そして微かに体が震えている。


 何か言葉を掛けようにも、この状況に合った言葉など俺が選べる訳もない。俺はただただ黙っていた。


 すると、ラテスは小さな声で俺に尋ねる。

「・・・強くなれば良いの?」


「・・・あぁ」


「強くなれば・・・一緒に居ても良いの?」


「・・・あぁ」


 ラテスは俯きながら目を拭う。

 そして、俺を見る。真っ直ぐに。


「なら私強くなる!!その時は、サヤが何と言おうと着いていく!!」


 強い子だ。思わず思う。

 ホント、アンタ等の娘は強いよ。


「あぁ。約束だ。強くなったら、一緒に旅でもしよ~や」

 そう言って、俺は立ち上がる。


「約束だぞ!!」

 ラテスは拳を俺に突き付けて言った。


 俺も拳を突き出し、拳と拳を合わせた。


 何か少し違くね?と思ったが心の奥に封印した・・・・。










 そんでもってお別れの日。

 えっ?少し飛ばしすぎだろって?いやいや、そうしないと飛び立てないよ?


 んで、只今何故か龍族の皆様がお見送りしてくれると・・・ここまでする必要ある?

 俺の目の前には100超える龍族の皆様。うん。圧巻だね♪


 流石の俺も龍族の皆様相手に無双は出来ないから、殴り込みの時一対一になって本当に良かったよ。


「何かあったら呼んで下さい。直ぐに駆けつけます」

 長は手を差し出しながら言う。


 ホント、キャラが変わったね。

 俺も手を出し、握手を交わす。

「その時は頼むよ」


「サヤ!!」

 ラテスが俺の名を呼ぶ。


 少し涙目だった。少し・・・いや、非常に辛い。


 ラテス目を拭い、

「・・・行ってらっしゃい!!」

 ラテスは満面の笑みで言った。


 その笑顔を見て、安心した。

 俺も笑みで答える。

「行ってきます」


 俺とカロは、『龍族の谷』を後にした・・・。


 えっ?少し早くないかって?いやいや、それは作者に言ってくれよ。

 駄文なのは今に始まった事ではないだろ?


「何をしているのですか?」


「・・・いや、別に」



 Side=サヤ∥Out



























 Side=???∥Beginning∥『Reload』



 クソッ!あの馬鹿デカイ魔力を持った奴を捜しているが、全然見つからねぇー。


 それに、雇われていた国を裏切ったせいで追っ手の数が半端無い。

 まぁ、全て潰しているが。


 まぁ、お陰で面白い情報を手に入れた。


 どうやら中立国の国境付近のある村に、不死の男が居るらしい。

 面白い。馬鹿デカイ魔力を持った奴も早く見つけたいが、それよりも不死に惹かれる。


 殺しても死なない奴が存在している。これ程胸躍る事は無いわな。


 先に不死の男の顔拝んで、次が馬鹿デカイ魔力持った奴だな。


 久しぶりに骨のある奴と戦える。


「待ってろやあああああああああ!!!!!!!!!」



 Side=???∥Out


























 Side=第三者∥Beginning∥『Spiritual world』



 星空を見ながら、アンラ・ユンマは苦虫を噛んだ様な顔をしていた。


 流れた筈の星が、悠然と輝く。


「今回は踏み止まった様だな・・・」

 余裕の笑みに見えるが、内心怒りが沸々と沸いていた。


 確実に堕ちると思っていた。


 実際、サヤにはその傾向があった。

 力を求めるその姿は、狂気にも似ている。


 だからこそ、アンラ・ユンマは確信していた。

 自分と同じになると。


 だが、踏み止まった。

 堕ちる寸前に。


 龍族の現状を見ても尚、自我を保ち自分で行動した。


「あの小娘と・・・あの優男のせいか・・・」


 もし、サヤが独りで旅をしていたら堕ちていただろう。

 仲間、友。


 アンラ・ユンマには只の陳腐な言葉でしかない。

 所詮は人。最後は裏切り殺し合う。


 だが、星空の星は輝く。アンラ・ユンマの考えを嘲笑うかの様に。


 アンラ・ユンマは、顔を歪め消えた―――。



 Side=第三者∥Out




























 Side=???∥Beginning∥『Reload』



 今誰かに「幸せか?」と尋ねられたら、即答するだろう「幸せ」だと。

 愛する者が側に居て、これ程までに誰かを守りたいと思った事はあるだろうか?


 だが、それは危険と隣り合わせの幸せ。

 本当なら、私は幸せなど望んではいけない。


 私は奪う側の者であり、守る側の者ではない。


 一生この幸せが続けばと何度思ったか。だが、それは傲慢でしかない。


 私は、罪を拭う事は出来ない。

 奪った。殺した。


 過去の記憶が私に平穏を与えてくれない。


 死ぬ事すら許されないこの体。

 では、ただ逃げるだけか?それは否だ。


 守ると誓った。

 過去との決別など、そんな事はしない。

 過去も丸めて私なのだ。


 全て背負い込み。守りきろう。


 例え、私の敵が―――元仲間だろうとも。


「あなた?」


 不意に後ろから声が掛かる。

 声の主は振り返らなくとも解る。


「体は大丈夫なのか?」

 私は振り返り、言葉を掛ける。


 声の主は、私が最も愛する女性にして妻。


「えぇ。あの子も眠りました。凄く可愛らしい顔で」

 そう言って微笑む。


「そうか。セルナ、君も無理をするなよ?体が弱いのだから」


 妻は、体が強い方ではなかった。

 子供を出産する時、医師から母子共に危険と言われた。


 無事に出産は出来たが、妻は出産以前よりも、弱々しくなった様な気がする。

 前に一度、「産んだ事を後悔しているか?」と尋ねた事がある。


 妻は、笑顔で首を振り「幸せです」と言ってくれた。


 それが、何よりも嬉しく。悲しかった。


 弱々しくなっていく妻と元気に泣く我が子。


 必ず、妻と子は私より早く死ぬ。

 覆る事の無い事実。


 私は、その苦しみを乗り越える事が出来るのだろうか?


 すると、妻が私の手の上にそっと手を乗せる。


「大丈夫ですよ。私は、元気です」

 そう言って、私を見つめる妻。


 そうだ。今、先の事を考えてもどうにもならない。

 今は、妻と子を守る事だけ考えていれば良い。


 私は、静かに妻の唇に唇を合わせた。


 今はただ、この幸せが続く事を願って。



 Side=???∥Out





















 Side=マルコシアス∥Beginning∥『Reload』



 中々に見つからない。

 裏切り者のフェニックス。


 あの人程の悪魔が、我々を裏切って逃げ出した。


 私とハルファスは捜索と捕縛の命を受けている。


 不死であるあの人を殺す事はまず不可能。

 だが、捕縛なら十分に遂行出来る。


「探し人でもいるのかい?」


「誰だ!?」


 いきなり声を掛けられる。

 私は周りに結界を張っている。入って来れば解るし、いや、入れる訳がない。


「誰かと聞かれても困るなぁ~」

 私の後ろには、黒いローブを着た男が立っている。

 フードを深く被っている為、顔は解らない。だが、異様さは解る。


「何者だ?」

 私は剣を抜きながら尋ねる。


 すると、黒いローブを着た男が何かを放り投げた。


 それは、鈍く光る石。

 私はその石を見ながら尋ねる。

「これは?」


 すると、黒いローブを着た男が笑いながら答える。

「ふふ・・・不死を殺す石さ」


「なっ!?」

 不死を殺すだと?そんな物が有る訳・・・・。


「信じるも信じないもお前次第だ。それと―――」

 黒いローブを着た男が私に向かって手を翳す。


 攻撃されると思い、剣を構えると―――

「な・・んだこれは?」

 力が湧き出る。いや、これは―――


「私の力の少しをお前に分けてやった。これで十分だろ」

 そう言って、立ち去ろうとする黒ローブを着た男。


「待て!!お前は誰だ!お前は何故私に力を貸す!!!」


 黒ローブを着た男は立ち止まり、笑いながら答える。

「ふふ・・・前者は言えないが、後者なら答えてやる。それは・・・只の退屈凌ぎだよ」


 そう言って、黒ローブを着た男は消えた。


 ・・・何だったんだ?退屈凌ぎで力を?


 いや、深く考えるのは任務を遂行した後だ。

 それに、強大な力と不死を殺す道具を手に入れた。


 任務遂行は揺るぎないだろう・・・。



 Side=マルコシアス∥Out
















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